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私は今まで何も学んでいなかった!!-荒木博行「独学の地図」を読む
今までの私の学びは「他者のふんどしで相撲をとってきたのではないか。自分独自の学びはほとんどなかったのではないか。自分の学びだと思っていたものは、聞こえの良い一般論に過ぎなかったのではないか」
そんな思いが最近沸き起こってきました。
きっかけは、荒木博行さん著「独学の地図」を読んでからです。
この本は目から鱗が落ちまくりました。
読書や対話会や学びの機会などで、私たちはよく「良い刺激になりました」とか、「大きな学びになりました」とか、「これからも考え続けていかなければなりません」みたいなことをよく言ったりしますが、これらも、荒木さんに言わせれば、「それっぽい一般論」であり、自分にとってのかけがえのない学びとは言えないと言うことなのです。
つまり、そうした「感想」は、別に本を読まなくても、セミナーに出なくても、対話会に参加しなくても、読書会に参加しなくても、その経験の前であっても言ってしまうものばかりだからです。
そうではなくて、その経験をしたからこそ、気づくことができる、他者にはできない、自分だけの学びはどこにあるのか。言い換えると、その経験の前と後で、自分にどのような変化がもたらされたのか、そんなことを考える必要を感じたのです。
確かに、私は今まで、多くの偉大な方々から学びを受けてきました。しかし、その後に私は大した熟成の期間をおかずに、彼ら彼女らからの学びの記憶が薄れないうちに、ただ彼ら彼女らから学んだことを、書き留め、紹介し、そして彼から教わったことを、私自身の変化(差分)を脇に置き、私の現実の生活に当てはめていただけだったのかもしれないのです。
そして、時間がたった後も振り返りもしないで、ただ新しいことを学び続け、そうした「他人のふんどし」で相撲をとり続けていたのでした。
つまり、言い換えると、私はその学習経験の前後で、自分がどのように変容したのかに関しては、非常に無頓着であったといえます。
また、人間が自分の成長や変化を実感するためには、一定の期間が必要だと言うことが最近わかってきたのです。この本は、その学びの体験の後に十分な時間をおくからこそ、さまざまな自分独自の発見をして、他の人にはできない成長を見いだすことの重要性を教えてくれているんです。
「独学の地図」まじでオススメです。
日々の学習にメガトン級の変化、コペルニクス的な変化が起きる可能性がありますので、いい意味で、ご注意ください(笑)。
野中恒宏
追伸:
この本によってガラリと変わった私の変化(差分)についてはまた改めてレポートします。