ウガンダ(東アフリカ)農村部で思い出す、故郷山梨の無尽文化
活動の一環で、複数の保護者が毎月一回集まり共同で貯蓄・借入管理を行う活動のサポートをしている。
これはVSLAグループ(Village Savings and Loans Association)と呼ばれ、
ウガンダ全土及びその他多くのアフリカ諸国で広く普及している生計向上活動の手法だ。
小規模農家や定職に就くことが出来ていない村民には
銀行口座の開設や借入が難しいという困難がありるため、
集落内でグループを形成し、共同財布に毎月各自が少額ずつ貯蓄をしている。
商売を始める初期費用や医療費の支払いなど
まとまったお金が必要な際に借入が出来たりもする。
私が関わるグループでは各自の貯蓄とは別に
緊急時の借入用としても毎月約40円を積み立ていて、
結婚のお祝いや葬式の為まとまった金額が必要となった時に
共同財布から利息無しで借入可能な分としているそう。
このように自分たちの生活に必要な制度を、
無理のない範囲で定めて自主運営されている。
昨年は12月20日に年最後の集まりがあり、
年間の運用益が各メンバーへ配分された。
ウガンダにはキリスト教徒もイスラム教徒も自身の出身民族や
王国のしきたりに則った過ごし方を好む人たちもいて、
年末年始の過ごし方は人それぞれ様々だけど、
年内最後の集まりの日、1年間皆で積み立ててきたその
努力を労い合い、楽しみを分かち合う光景を見て、
故郷山梨の無尽文化を思い出した。
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「無尽」とは、古くには仏教に由来するそうだが、
地域内の市民が集まって輪(組?会?)を組み借入返済を行う相互扶助のしくみだ。
日本国内でも、呼び名を変えて色んな地域で存在するのではないだろうか。
私の故郷山梨県では、「無尽」と呼ばれ、
少しずつ貯めたお金を会のメンバーが順に借りる事ができたり、
現在では「楽しい時間を一緒に過ごす」ことを目的にする会も多く、
年末年始に宴会をしたり、旅行に出かけたり、そもそも定期的に集まる事を楽しむ、というように色んな形で無尽が根付いている。
飲食店では「●● 無尽会」という名前で予約された席を見かけることも多い。
子どもの頃から、地域の大人たちが集まってわいわい食事をしたり楽しんだりする様子を、「無尽会」で沢山見て育ってきた。
今では同年代が「無尽会」をする様子も見かける。
思い出すだけで心が温まる、旧友たちに会いたくなる、大切な故郷の記憶だ。
異国の地での生活が始まって半年、
この地域特有の文化や生活習慣に驚く局面もまだまだ沢山ありながらも、
このような助け合いの暮らしの中に故郷での暮らしを思い出す瞬間もある。
そういう瞬間には心がほっと温かくなる。
2024年5月
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