冷蔵庫を手放したら。 |10th month in rural Uganda
最近、冷蔵庫を手放した。
ここではほぼ毎日数時間の停電が発生し、
冷凍庫内の食品や結露はたちまち溶けて水浸しになるし、冷蔵庫内の作り置きの料理もまた、冷えたり常温になったりを繰り返し保存状態が良くない。
冷蔵庫は徐々に調味料を保管しておくだけの箱と化していた。
冷蔵庫を使わなくなり、生活習慣が変わった。
毎日必要な分の食材を買い、調理し、消費する。その日自分に必要な物と分量が明確になり、手放しても良いものも明確になった。
そして、近所の人たちとよく物々交換をするようになった。
たまに私が活動で隣村に行くついでに友人の荷物を運び、代わりに夜ご飯を御馳走してもらったりもする。
友人は「食べ物や住むことには困らないが、都市に行ったり勉強したりするには現金がいる。
毎日現金を稼ぐのに必死な為、こうやってお礼が出来るなら楽だ」と言う。
土地や畑を持っていない私にとっては、地元の食材を分けて貰えることはとっても有難い。
先日、協力隊員としてのボランティア活動で訪れた学校の先生が「ありがとう」と言って庭で栽培しているスイートバナナを一房おすそ分けしてくれた。
このバナナのおかげで、暫くの朝ごはんとおやつは安く健康的に楽しむことができた。
今、ウガンダ農村部での暮らしでは、
高価な電化製品や沢山の現金は無くても、少しの現金と物々交換できる品(食べ物や手芸品等)があれば、
地域の人々と交流を持ちながら心穏やかな暮らしができる。ということを日々体感している。
貨幣経済と、物々交換や労働を通じた助け合いの経済とが混ざった生活といえるだろうか。
小さいころ、故郷の田舎で、田園に親せきや近所の人たちが集まり、協力しながら農作業をしていた風景を思い出す。
休憩時間には、家から持ってきたちょこっとしたお菓子やお茶や、自家製のお漬物をつまみ合う。
心が温かくなる、そして助け合える人たちとの人間関係があることにほっとするような、そんな気持ちになる暮らし。
こうした暮らしをじっくりと味わいながら生活できることも、協力隊員である時間だからこそできる貴重なことのひとつだろうな。