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OLDIES GOODIES #39_PAUL ANKA特集
ミュージックフリークマガジンいち押しラジオ番組♪♪♪ フォークシンガー・ばんばひろふみ氏と、音楽プロデューサー・長戸大幸氏が圧倒的な音楽知識と豊富な経験で、1950~70年代の洋楽を中心に多くのアーティストがカバーする大ヒット曲やここでしか聴けない激レア音源等を紹介してくれる「OLDIES GOODIES」をご紹介!
ばんばん&大幸の「オールディーズ グッディーズ」第39回(2021.6.26放送)、映画音楽は「史上最大の作戦」、アーティストは「ポール・アンカ」特集。インストゥルメンタル曲だった「史上最大の作戦」をポール・アンカが歌入りで歌ったナンバーを皮切りに、大名曲「ダイアナ」は自身作曲のナンバー。そして沢田研二「危険な二人」のオマージュ曲だったという驚きのエピソード。さらにフランク・シナトラで有名な「マイ・ウェイ」はポール・アンカ作詞のナンバーだったという驚愕の事実。さらに60年代邦楽のフルーツ系タイトル楽曲のルーツだったという証言まで、前週に続きディープな60年代のポップス・エピソードを続々開陳。この番組ならではの洋邦楽曲取り入れた構成がますます面白い展開に!
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Opening Music:10番街の殺人 / The Ventures
ばんばん)さあ今週も始まりました「オールディーズ・グッディーズ」、ばんばひろふみです。
大幸)長戸大幸です。
ばんばん)大幸さんね、これはまあ誤解かも分からないですけど、海外嫌いなんですか?
大幸)いや、そんなことないですよ。
ばんばん)飛行機嫌いとか。
大幸)いや、一時期、飛行機に乗れなかった時代、ちょっと過労で耳が聞こえない時があって。
ばんばん)それでですか。だからああいう高度が上がるとダメなんだ。今、コロナで海外へは行けないじゃないですか。でももし今「はい!」って言ったらどこ行きたいですか?
大幸)どこでしょうね? やっぱり普通にハワイですかね。
ばんばん)ワイハーですか(笑)。 僕はね、やっぱりバリへ行きたい! バリはね、しばらく4〜5回行ったんです、好きで。あそこはなかなかいい所ですね。
大幸)あ、そうですか。
ばんばん)行かれたことはありますか?
大幸)え~、昔1回行った記憶はありますけど。
ばんばん)ダメでした?
大幸)いやダメじゃないですけど、なんか。
ばんばん)西洋の方が好きですか? わりと東洋と西洋とでは?
大幸)いや西洋も行きましたけど、なんかもうこの歳になるとゆっくり寝てたいんで。あちこち観光に行くのがもうちょっと。
ばんばん)あ、それはね(笑)
大幸)ええ。僕はやっぱりDVDが一番いいかなと。
ばんばん)はははっ(笑)。確かにそうですね。やっぱハワイ行きたいですね。
大幸)ええ。DVDでもヘリコプターに乗った気になっちゃうんで。
ばんばん)本当にヘリコプターに乗って見に行かないとわからない所もあるじゃないですか。
大幸)あ~、その通りですね。だからやっぱり遠くまで歩かなきゃならなかったりとか、バスに乗ってみたり。
ばんばん)うん、そんなんは嫌だと。
大幸)嫌っていうか、この歳になるとなんかもうね。若い時はね、冒険心があったんですけど。
ばんばん)うんうん。また機会があったら一緒に行きたいものですが。
大幸)はい・・・。
二人)(笑)
ばんばん)さっ、という事で今週は「ポール・アンカ」。(※注釈1)
をやろうという事ですけど。
大幸)はい。で、ポール・アンカなんですけれども『史上最大の作戦』という映画があったのご存知ですか?
ばんばん)戦争映画じゃ?
大幸)そうそう、戦争映画。「The Longest Day」という。
ばんばん)あ~。♪~Many men~♪
大幸)そうそうそう。イギリスとフランスとアメリカの連合軍がヒトラーに対抗して上陸するじゃないですか、イギリスから船に乗ってきて。
ばんばん)ノルマンディーかなんかですね。
大幸)ノルマンディー上陸作戦のあの日を描いた話なんですが、これにまあ色々な人が出てくる。
ばんばん)これ、僕観に行きましたよ!
大幸)でしょ! これとにかくスターだらけが出てくるんです。ポール・アンカからファビアンっていうアイドルの男の子から、エリザベス・テイラーの当時ご主人だったリチャード・バートンでしたっけ?とか。ロバート・ワグナーっていうテレビによく出てた彼とか、リチャード・ベイマーっていう「ウエスト・サイド・ストーリー」の主役やってる男の子とか。あと、ショーン・コネリーとか。
ばんばん)へえ、ショーン・コネリーも出てたんですか?
大幸)はい、みんなもう一瞬ですけどもね。で、もちろん主演はジョン・ウェイン、ロバート・ミッチャム、ヘンリー・フォンダ、みたいな感じなんです。で、この映画のインストゥルメンタルが、「ヒットパレード」で1位をずっと独走してたんですよ。
ばんばん)はい。そうでしたね、僕もレコード買いましたよ。
大幸)あの頃ってね、やっぱりインストゥルメンタルのヒット曲がいっぱいあったんですよね。『エデンの東』もそうだったし、それから『ワシントン広場の夜は更けて』とか。
ばんばん)♪~タタン、タン、タン~♪やね。
大幸)はい。そういうインストゥルメンタルの曲がヒットしたっていうイメージがありましてね。
ばんばん)なんか、ベンチャーズ とかそういう流れが来てるんじゃないですかね。
大幸)そうそう。で、この『史上最大の作戦』の後に、また『大脱走』っていう、スティーブ・マックイーンがやってた、あれも凄かったんですけど。
ばんばん)はい、凄かった。
大幸)『史上最大の作戦』は、『大脱走』の丁度一年前でしたね。このマーチがすごい有名で、これをまず聴いてほしいんです。
ばんばん)はい、分かりました。
TR-1 The Longest Day(Instrumental)/Mitch Miller & His Orch.ミッチ・ミラー楽団
(※注釈1)ポール・アンカ(Paul Anka / 1941.7.30-)は、カナダ出身のシンガーであり、ソングライター、プロデューサー、ビジネス・マンとしても辣腕を奮ったマルチ・タレント。「ダイアナ」などのヒットで世界的に知られ、日本でもアイドル的な人気を誇った。
大幸)これミッチ・ミラー楽団言って、
ばんばん)あの〜、テレビで、
大幸)やってました。みんな知ってた「ミッチと歌おう」かなんか。
ばんばん)あ~、なんだかケッタイな、踊りながら指揮する人。
大幸)そうそうそう、みんなコーラスがおっさんたちで。これがね、ミッチ・ミラー合唱団っていうんですよ。
ばんばん)うんうん。
大幸)で、このおっさんたちも「史上最大の作戦のマーチ」を歌ってるんで、聴いてもらおうと。
TR-2 The Longest Day / Mitch Miller & His Orch. and Chorus ミッチ・ミラー合唱団
大幸)これはね、確か『黄色いリボン』かなんかを歌ってたんですよ、彼ら、ミッチ・ミラーは。
ばんばん)あ~、そうですか。
大幸)で、この戦争モノってどっちかというと男くさいじゃないですか。男くさい連中たちが男くさい歌を歌う、まあ女性は出てこないんでね。
ばんばん)うん。
大幸)だから戦争モノって、男性の声でやるのにこのミッチ・ミラーがよく出てきたんですよ。
ばんばん)あ~、なるほどね。
大幸)それでこの『史上最大の作戦』がインストゥルメンタルもコーラスも、どちらもヒットチャートのトップにいったことがあるんですよ。
ばんばん)そうですよね、歌も覚えてますもん。♪~Many men~♪って。
大幸)そうそう。で、この曲の詞も曲も作ったのがポール・アンカなんですよ。
ばんばん)へえ〜!
大幸)だからポール・アンカがもちろん映画にも出てますけれども、自分が歌って、詞も曲も書いている。
ばんばん)ほう〜〜〜!
大幸)では、ポール・アンカの「史上最大の作戦・The Longest Day」を聴いてください。
TR-3 The Longest Day / Paul Anka
ばんばん)やっぱりポール・アンカが歌うとポップになってしまいますね。
大幸)はい。
ばんばん)でも、僕はあの映画観たんですけど、ポール・アンカが出てたっていうのもあんまり印象になくて、この曲を彼が作ったっていうのでビックリしたんですけど。
大幸)そうなんですよ。だから元々ポール・アンカっていうのは1957年の終わりくらいから58年くらいに「Diana」でデビューするんですよ。
ばんばん)これは、もうみんな歌いましたね。
大幸)うん、有名。この曲がきっかけでポップスが流行ったんじゃないかと言われていた。
ばんばん)そうですね。
大幸)これももちろん詞も曲もポール・アンカだし、この時15、16歳ですよ。
ばんばん)え~!
大幸)カナダにいた男の子なんだけど、出てきて、まあ大ヒットするんですよね。
ばんばん)15、16歳でこの曲を書いたんですか?「Diana」を?
大幸)はい。確か、“ダイアナ”っていう人に初恋をして書いたようなことを聞いた記憶がありますけどね。
ばんばん)ふ~ん。
大幸)では、この「Diana」を聴いてください。
TR-4 Diana / Paul Anka
ばんばん)いや〜、今改めて聴くと良い曲ですね。
大幸)そうですね。この頃、これがきっかけでいわゆる、C・Am・F・Gというコード進行を、
ばんばん)循環コードね。あと、サックスがイントロで入ってるというのもよくできてますね。
大幸)はい。あとギターのミュートの音「タラララッタラララッ」。これがアニマルズの「朝日のあたる家」。これから取ったって言われてますけどね。
ばんばん)あ~、なるほど。
大幸)で、これが実は、ABCパラマウントというレコード会社なんですよ。
ばんばん)あ、会社が?
大幸)はい。ところがね、僕らが知ってるポール・アンカは、RCAビクターに移るんですね。で、もう一度「Diana」を録音し直すんです。
ばんばん)あ~そうですか。
大幸)その「Diana」を聴いてほしいんです。で、さっきとどう違うか。大サビがちょっと違うんですね。
ばんばん)へえ〜。
大幸)まずRCAビクターへ移ってから録り直した「Diana」を聴いてください。
TR-5 Diana / Paul Anka
ばんばん)これは何年くらい経ってから?
大幸)えっと1960年くらいなんで、多分最初のABCパラマウントが15〜16歳で、これが20歳くらいになった頃だと思います。声もだいぶ大人になってますし。
ばんばん)あ~。あのあれですよね? 日本で平尾昌晃さんとか。みんなこれロカビリーで。あれは一番初めのやつをカバーしてるんですね。
大幸)そうですね。当時日本ではキングレコードだった。で、大サビの違いをもう一度聴いて欲しいんですけど。
ばんばん)うん。
大幸)あの〜、沢田研二さんの「危険な二人」って曲あるじゃないですか、加瀬邦彦さんの。あれもこれに似てるんですよ。多分、詞の内容も似てるし。大サビもなんとなく似てるんで、その辺を全部繋げてあるんで聴いてください。
ばんばん)はい(笑)
[大サビ]Diana(ABCパラマウントver.) ~ Diana(RCAビクターver.) ~ 危険な二人
ばんばん)いや〜、本当によく分かりますね。
大幸)(笑)。それでまあどうせなら沢田研二さんの「危険な二人」を。たぶんこの「Diana」をモチーフにして作ったんだと思うんですけどね。
ばんばん)そうですね、はい。
TR-6 Two In The Face of Danger(危険な二人)/ 沢田研二
ばんばん)やっぱりこの曲好きでしたね〜。うん、よくできてますね。
大幸)ねえ。で、「Diana」の次にね、「My Home Town」っていう曲をポール・アンカがやってるんです。だから多分「My Home Town」だから、カナダのオタワだったかな !? かどこか出身なんで、この「My Home Town」を聴いてくとね、「タウンな」とか、「なんとな」とか「〜〜〜な」って言ってるんですよ。だからその頃のロカビリーの日本の人たちもみんな、「ん~な」とかっていうのを付けるのが流行ってましたね。
ばんばん)あ~この影響でってこと。
大幸)♪~あの娘はルイジアナママ(ん~な)~♪みたいな、なんかそういう歌い方を。
ばんばん)歌い回しがね。
大幸)はい。まあその「My Home Town」を聴いてみてください。
TR-7 My Home Town / Paul Anka
大幸)で、この「My Home Town」ってね、コードが3つくらいしかなくて、よくできてるんですよ。なんせもう、今の曲ってコードがいっぱい出てくるじゃないですか。この曲なんか本当に3つしか出てこない!
ばんばん)でもちゃんとした綺麗なメロディーですよね。
大幸)そう。で、次に、「You Are My Destiny」って曲。
ばんばん)これも日本ではヒットしましたよね。
大幸)売れました。これが真木ひでとさんの「夢よもういちど」に似てるって。
ばんばん)は~は~、以前紹介しましたね。
大幸)はい。では「You Are My Destiny〜君は我が運命」、「運命」と書いて「サダメ」って読むんですけど、これ知って勉強になりましたけど。
ばんばん)はいはい(笑)。なるほど。
大幸)はい。では「君は我が運命」聴いてください。
TR-8 You Are My Destiny(君は我が運命)/ Paul Anka
大幸)これを聴くと水原弘さんの「黒い花びら」とか、アダモのデビュー曲の「ブルー・ジーンと皮ジャンパー」になんか似た感じがしますよね。
ばんばん)うん。♪~黒い花びら~♪ 。そうですね、同じ色合いがします。
大幸)それからね、あの頃もう一曲影響を受けたポール・アンカの作詞作曲で「あなたの肩に頬うめて」って曲があるんです。これもちょっと聴いてください。
TR-9 Put Your Head On My Shoulder(あなたの肩に頬うめて)/ Paul Anka
ばんばん)ポール・アンカもすごいですね。
大幸)はい。だからニール・セダカ、ポール・アンカ、あとプレスリー。これがRCAビクターの一番人気者で、三人なんて言うのかな?
ばんばん)三羽烏みたいな。
大幸)三羽烏、はい。ポール・アンカ、実は「Diana」の後に『史上最大の作戦』を書いたように、もう一つ彼がやったすごいことがあるんです。これがね、「My Way」の曲を作詞してるんです。
ばんばん)これは、フランク・シナトラでヒットしてね。
大幸)そうそう。まずポール・アンカが歌う「My Way」を聴いてもらおうと。
TR-10 My Way / Paul Anka
ばんばん)「My Way」は、日本のおっちゃん達がカラオケで歌うのが大好きですけど、このポール・アンカのアレンジじゃないですよね。
大幸)はい。
ばんばん)おっちゃん達が好きなのは、あっさりしてますね。
大幸)はい(笑)。では一番有名なフランク・シナトラの「My Way」、これが1969年です。大ヒットしました。
ばんばん)これやね。
TR-11 My Way / Frank Sinatra
大幸)なんかこれ、フランスのシャンソンみたいですね、元々は。それを英語に書き換えたのがポール・アンカ。
ばんばん)うん、なるほどね。
大幸)それで、日本でやっぱり有名なのは布施明がこれを歌ってましてね。1972年だったと思うんですが。
ばんばん)あ~そうですか、はい。
大幸)これもなかなかいいので是非聴いてください。日本語です。
TR-12 My Way / 布施明
大幸)で、この頃そのポール・アンカ、だいぶ僕らが子供の頃ですけども、アネットという女性と付き合ってて、アネット の代表曲が「Pineapple Princess」。
ばんばん)あ~これも日本でね。
大幸)1960年でしたっけね。このアネットが歌う「Pineapple Princess」を聴いてもらいたい。
TR-13 Pineapple Princess / Annette Funicello
ばんばん)これもポール・アンカが書いた?
大幸)いや違うと思います。ただ彼女と付き合っていたというだけで。
ばんばん)あ、これはそうか。その彼女の歌、なるほど。
大幸)はい。で、このきっかけで「レモンのキッス」だとか「イチゴの片想い」だとか、「メロンの気持ち」だとか。
ばんばん)はいはい。「レモンのキッス」「メロンの気持ち」ありましたね。
二人)♪~Corazon de melon, de melon, melon, melon~♪
ばんばん)♪~melon, melon, melon~♪、笑
大幸)なんかそういうフルーツものが流行り出したきっかけなんですよね。でこれをね、日本人の田代みどりって口元の可愛い人が歌ってる。
ばんばん)はい、田代みどり。あの~、田辺靖雄さんとやってた人じゃないですかね?
大幸)ではなくて、ブルー・コメッツの三原綱木さんの奥さんになるんですよ。まあその後、別れるんですけど。で、当時田代みどりさんが可愛かったんで、是非ちょっと思い出そうと。田代みどりさんの「パイナップル・プリンセス」。
TR-14 パイナップル・プリンセス / 田代みどり
ばんばん)ばんばん大幸のオールディーズ・グッディーズ、今週はポール・アンカをお送りしました。先週ニール・セダカ、今週ポール・アンカですけど、ポール・アンカの方が、こう〜作る曲の幅が広いような。
大幸)はい、そうでしょうね。まあニール・セダカの方が音楽的で、ポール・アンカの方が感性というか。
ばんばん)あ、なるほどね。ポール・アンカもやっぱり、なんでしょう、ニール・セダカのような感じで、そんなに日本では評価されていない。「Diana」の人って言われるばっかりですやん。
大幸)いや、まあそうですよね。日本に来た時にあまりイメージ良くなかった可能性ありますけどね。
ばんばん)あ~コンサートが?
大幸)ヤンチャ坊主で。若い時に来日してるんで。
ばんばん)あ~、性格が悪かった?
大幸)ま、悪かったわけじゃないんだろうけど、なんかあんまり知的には報道されてないですよね。
ばんばん)そうなんですか、へえ〜。やっぱりちゃんとせなあかんね(笑)
大幸)はい(笑)
ばんばん)ってなことでございまして、さて、来週はどうしましょう?
大幸)来週はまだ考えてないんですけどもね。ま、考えます。
二人)(笑)
ばんばん)まっ、来週聴いてのお楽しみということでございまして、今週の「オールディーズ・グッディーズ」ここまででございます、お相手はばんばひろふみと、
大幸)長戸大幸でした。
ばんばん)それじゃあまた来週までご機嫌よう。
二人)さようなら。