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だいすきな場所を去る。素直な気持ち。

まだまだ心の整理がつかない中、
人口20人の島に別れを告げる。
移住してからたった半年しか経っていない。
島の人に挨拶するたび、
寂しさと悔しさと情けなさと、いろんな涙が溢れ出た。


島を出た日から、気がつけば1ヶ月以上経っている。
気持ちの切り替えの早さには自信があるのだが、自分でも驚くくらい島への未練が消えていない。

やりたいことと住みたい場所を3年かけて見つけ、
意を決して移住したのに、
パートナーとの別れがきっかけで、
島を出ると決めてしまった。


移住してからの半年間は、
わたしにとって半年間とは思えないほど、なかなか過酷な道だった。
自分のこと、2人のこと、そして家族のこと、壁を乗り越えようとしても次々やってくる新たな壁に体力はかなり消耗し、
最後に現れた壁には、もう諦めて逃げることしかできなかった。

今もなお、島での暮らしを思い出すとただただ苦しく、
もう戻ることは怖くてできない。

島には叶えたい夢があって、
でこぼこな道の中でも、真正面から向き合い、自分を信じて挑戦し続けていたことだ。

その夢が中途半端に終わってしまったから、
新しい道を進みながらも、
背にした島を見ては、いまだにやりきれない気持ちと闘っている。


__ やりきれない気持ち。


初めての感覚である。
どうやら幸運にも人生のいろんなことをやりきって、
成功なり失敗なりをしてきたらしい。

この気持ちとの向き合い方がまだわかっていない。




生きてきた中では、客観的に見ると今が一番どん底である。


気づけばニートだし、
だいすきな場所と家と夢とパートナーを失い、
26歳にして地元に戻ってこようと思うことなく戻ってきてしまった。
アイデンティティの欠落というレベルではない。

咄嗟に逃げたときは、事の大きさを理解できていなかったが、
落ち着いて考えると、おもしろいくらい、自分が空っぽになっていた。



だけど、どんな状況でも、やっぱりわたしは、
前を向いて、笑って、進みたいと思(ってしま)うのである。


自分がちゃんと自分として生きられる道を選ぶことができたし、
それに、
全部無くなってしまったからこそ、
いまから、なんでも創りたい放題である。
それもとっても楽しそうじゃないか。



1番の夢が叶わなくても、
やりたいこと、というよりやった方が自分が幸せになることは他にもたくさんある。
それはこれまでの経験がはっきりと教えてくれたものだ。


島移住も島暮らしも、島を出たことも、
無意味だったことは何ひとつない。
夢に向かって奮闘した日々も、自分や周りの人と向き合ったことも、
自分を大成長させてくれた。

これからはもっと自分を信じて生きていける気がしている。


そうは言っても、
挫けそうになる日はきっとこれからもたくさんある。
そんな日は、大切な友人の言葉に寄り添ってもらいたい。

止まっても良いし、休んでも良いし、振り返っても良いよ。
少しずつ一緒に進んでいこう。
歩みを続けたら何かをきっと見つけられるから、だから歩みを止めちゃだめだよ。

彼女はいつも、まっすぐと、
わたしの行きたい方にそっと背中を押してくれる。
自分が素直すぎて、嫌になることもあるが、
彼女はそんな気持ちをもどこかに飛ばしてくれる。

何度も救われている言葉だから、このnoteにも残しておきたい。


振り返ってもいいんだよな。
泣いたって、怒ったって、
感情の行き場がなく困ったって、
どの道が正解か迷ったって、
それでいい。



空っぽになってしまった部分に、いろんな角度から光を当てて、
そして、日々の暮らしに潜む、ちいさなちいさな幸せを拾い集める。

そしたらきっといつか、
その「何か」というものに出逢える日が来るのだと思う。

そんな日が来るまで、
ゆっくりと、新たな人生を歩むことにする。



待ち焦がれちゃうな、でもたのしみだな!






だいすきな島の写真を少しだけ。

父の幼馴染。地面で島の紹介をしてくれている。
初対面、「(父の名前)の娘やろ〜!!」と前から歩いてきた、ちょっと怖かったのも良い思い出。


島のブラックベリージャム。
おじさんは、次世代のためにと作業していて、その姿にたくさんパワーをもらいました。



気づいたらこの子がパンを食べていた日。
移住前に初対面、移住後の再会が嬉したかった〜



隣のおばあちゃんが山盛りピーマンを置いておいてくれた日。
初めてお野菜をいただいた特別な日。
窓の隙間と、どさっとピーマンが愛おしい。



島のブラックベリーと、地粉を使ったパン大量生産な日。
ブラックベリーパンの試作が終わらなかったなあ。



友人が島に来てくれて、お誕生日をお祝いした日。
島の柿をふんだんに使ったタルト。
柿は毎日毎日食べてました。



これまた友人が来てくれて、
捨てられそうになったギターを拾い、直し、
海岸で歌ってくれた日。



「てしま陶苑」毎日のコーヒのお供なマグカップ。
島から離れてより、この島のものだけで作られている魅力に圧倒される。
この子はこれからも力になってくれるはず。



渋柿干したいと思っていたらちょうどいただいて、
クリスマスのリースも飾って、冬の準備をした日。
自然に近い暮らしが、尊かった〜



島に初めて訪れた日も、抱えきれないみかんをいただいた。
もっと抱えきれないみかんをいただいた島を出る日。



瀬戸内は美しい場所でした。
ありがとう、手島!またいつの日か。




最後に、なにより、
支えてくれた(今もなお支えてくれている)家族や友人に感謝を込めて。

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