
【ホンモノとニセモノ】
ホンモノとニセモノ、マガイモノ、クセモノ、ケダモノ、よく見極めないと損をする。
ホンモノなのかニセモノなのか廉価版なのかなんなのか見極めは基準が曖昧で扱いがデリケート。
例えば超腕の良い一流の寿司職人が素人が握ってる寿司屋の寿司を見て、あんなの寿司じゃねぇニセモノだと言ったとしたら、それはたぶん問題になるだろう。
恐らくこの場合は超腕の良い一流の寿司職人に非があることになる。それはなんでかってホンモノの寿司って定義が定かではないし、プロと素人を分けるルールや資格なんてないから。
あんなのマグロじゃねぇニセモノだ!ってアカマンボウの寿司を指差して叫んでみても、レストランとかには商品表示法って適用されないから、マグロはあくまで商品名であり、原材料名ではないってことね。さすがに露骨に悪質なのはダメらしいけど。
料理ってそもそも文化だからそのあたり曖昧だったりテキトーだったり明文化されていなかったり定義やルールがなかったりで色んな意味でグレーなんだよね。
讃岐うどん問題とかもそういうとこじゃない。詳しくは知らないけど。
シャンパンとかナポリピッツァはそのあたりを明確にしている。欧州はそういう食文化とか知的財産文化の権利を守ることに理解があるよね。
ナポリピッツァは国際規格定義STG(伝統的特産品保証)ってのに認定されているから暇な人は調べてみて。
日本ももっと伝統的な食文化などに定義を設けるべきだと思う。ただ、そうすることにも問題があって、ナポリピッツァも協会を作って定義付けしたときに伝統的な昔からナポリでピッツァを焼いてるお店がそこから漏れるなんてこともあったらしいから、そのあたりは十分に注意、配慮、考慮しないとだけど。
食品に関してはけっこうそのあたり細かい定義があったりして、けど一般の周知が足りてなかったりで、チョコレートとかがそうだよね。チョコレートと準チョコレートとかカカオ分のパーセンテージで分けられてるんだけど、一般的にはみんなチョコレートって認識しかないじゃない。見た目は同じ板チョコなんだけどさ、違う食べ物なんだよね。
この場合でも準チョコレートの板チョコをニセモノと呼ぶとちょっと過激な感じになっちゃうよね。そのあたりの加減が難しい。
準チョコレートの板チョコをチョコレートですって販売してたらそれはもちろんニセモノじゃん!ってなるんだけど、準チョコレートもチョコレートも一般的にはチョコレートって名前で呼ばれているから、表記が準チョコレートのものをチョコレートですって言っても間違ってはないのね。
マーガリンをバターって表記して販売したらそりゃダメなんだけど、トースト用にバターですってマーガリン渡されることってあるじゃない。バターサンドだけど原材料を見たら植物油の方が多いなんてのはよくある話だし。
ジュースもそうかな。ジュースの定義は『果物や野菜を絞った100%果汁』のことなんだけど、そうじゃないものも口語的にジュースって呼ぶし、レストランでりんごジュースを注文して100%果汁じゃないなんてのは日常だ。
なんならコーラとかファンタ飲んでたらジュースばっかり飲むんじゃないって親に怒られたことあるもの、清涼飲料水はジュースではないのに。
今後はせっかくAI技術があるんだから、ホンモノの定義をある程度定めて、むしろそれもAIに定めてもらって、それがホンモノであるか廉価版であるかニセモノであるかを瞬時に調べられるようになったら良いなと思う。
そうすることで消費者はより自分の判断で自分を守れるようになるじゃない。ただそこにあまり興味がない消費者が多すぎるって問題もあるんだけど。
ただただあんなのニセモノだって罵ってみても、逆に知識のある側が悪人になっちゃう場面ってよくあるから、そうならないようにそういうシステムを作ってみることも必要なんじゃないかなと。
代用魚とか代替魚なんかにしても、もっと周知がしっかりしていれば騙されたとか、嫌な思いをせずにすむと思うから、そういうとこ曖昧にグレーのままにしておく文化こそが良くないものだと思うんだ。
代用魚を使用する理由なんかをもっと一般に周知してちゃんと理解してもらうべきだしね。
個人的には昔からシシャモ代用魚のカペリンって名前の響き可愛くて好き。レスリング強そう。食わんけど。
というか流れで回転寿司の代用魚とか代替魚を調べてみてたけど、まぁ……寿司屋の大将だったらキレるよね、そりゃ。