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直感を大切に

『ねえ、カナは、第六感ってあると思う?』

ここは学校帰りにふたりで寄る馴染みの喫茶店。ミホはいつも、私にいろんな発見を教えてくれるの。世界の不思議、映画や恋愛、そして心のこと。

『それは・・・ある人にはあるよね。でも私にあるかどうかわかんないな』

『誰にでも絶対あるよ。カナにもね』

『絶対? ミホは第六感があるって自分でわかるの?』

私は、なんでそんな話をするの?とは聞かない。だって、前置なんていらないこの会話が大好きだから。わかってるから。

『わかるよ。カナもさ、予感ってあるじゃん?』

『予感って? いやな予感がするとかいうの?』

『うん。あとさ、何かいいことが起こりそうってのもあるでしょ?』

『それはあるけど、それって、今までの経験とか、その時の状況からそう思っちゃうだけじゃないの?』

『もちろん、経験や状況から、そう感じるってのはあるけど、その感覚の中に第六感も含まれてるのよ』

『そうなのかなー。もしかしたら、ミホがそう思い込んでるだけってことはないの?』

『大切なのは、感じたことを信じてるみることなんだ。気のせいとか、たまたまとかで切り捨てちゃうんじゃなくて、自分の心で感じた感覚にもっと寄り添ってみるの』

『そっかー。じゃあさ、ミホがこうやっていろんな話をしてくれるとき、いつも新しい発見の予感がするの、これも第六感?』

『はは。カナ、ありがと。でも、まずはいつもと違う感覚がするときに目を向けてみたらいいと思うの。家を出るとき、本を選ぶとき、道を選ぶとき、自分の直感に耳を澄ましてみるんだ。そしたらね、その感覚がどんどんわかってくるのよ』

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