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平等はどこにある?

『ねえ、カナ。平等ってどういうことだと思う?』

ここは学校帰りにふたりで寄る馴染みの喫茶店。ミホはいつも、私にいろんな発見を教えてくれるの。世界の不思議、映画や恋愛、そして心のこと。

『平等?このケーキを均等に分けるとか?』

今日はこのお店のマスターが試作のイチゴケーキ1カットプレゼントしてくれたのだ。それを今から分けようとしていたときに、ミホからそんな話がでたの。

『うん。でも均等に分けてもそれが平等とは限らないってあるよね』

『どういうこと?』

『例えば、私はイチゴケーキが好きだけど、カナはチョコケーキの方が好きでしょ。だから、このイチゴケーキを私が多くもらって、チョコのときはカナが多くもらう、ある意味これって平等だよね?』

ミホは満面の笑顔でそんなことを言う。

『ははは。まあ、そうだね。平等ってすべてを均等にわけるってことじゃないもんね』

私も笑いながら、大きく切り分けたケーキをミホに渡した。

『ありがと。そう、いろんな条件で平等は変わっちゃうよね。でさ、カナはこの世界に完全な平等ってありえると思う?』

『うーん、完全な平等はありえないと思うけど、可能なら平等がいいっていう感覚はあるよね。均等に分けるだけが平等じゃない。今日の名言だね』

『カナ、私はね。完全な平等ってあると思うの』

『え?そうなの?』

『うん。カナならわかると思うんだ』

『私が?』

『うん。一番大事なもの』

『そっかー』

『そう』

『愛、だね』

『うん。ひとりひとりの心の中にある愛の光、それは誰にとっても平等なんだ』

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