私が私にアドバイスする
『ねえ、カナは自分と自分で会話することってある?』
『ん?自分と自分で会話?・・・がんばれ自分!みたいに声かけたりすること?』
『うんうん。それに近いかなー。ただ、一人の自分じゃなくて、少し離れた所から眺める自分を想像したり、わざともう一人の自分を作って話をするの』
ここは学校帰りにふたりで寄る馴染みの喫茶店。ミホはいつも、私にいろんな発見を教えてくれるの。世界の不思議、映画や恋愛、そして心のこと。
『わお。まるで、ミホが二人いるみたいだね。でもそれって、会話は成り立つの?』
『もちろん。自分自身の小さな妖精を空想するとおもしろいんだ。アドバイスを求めると、自分でも気づかなかったアドバイスをくれたりするの』
『へー。私にもできるかな。でも自分なのに、自分で気づかないアドバイスとか、そんなのありえる?』
『うん。何かに悩んでいるときってさ、当然自分目線で考えちゃうんだけど、仮に同じように悩んでる友だちが目の前にいるとして、自分だったらどうアドバイスするかを考えたら、意外と簡単だったりするんだ』
『ミホは、相変わらず不思議なことするよね。けど、それってもしかして、3人とか4人にもできたりもするの?』
『できるよ。自分って一人だけど、実は一人じゃないと思うのよね。ちゃんと心の中で繋がってると思うの』
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