DWIBS
全身MRIに関する出題のまとめです。
★過去問CHECK★
第19回(50)全身MRI撮像の細則
第18回(50)全身MRI撮像の細則
第17回(38)複合問題(50)全身MRI撮像の指針
問題1 日本磁気共鳴医学会から発令された「臨床MRI安全運用のための指針」について正しい記述はどれか.
DWIBSは全身の拡散強調背景抑制法である.
1.5T装置による撮像を必須とする.
全身拡散強調像は原則冠状断を撮像する.
撮像範囲は頭頂部から骨盤骨下端までを必須とする.
微小病変や活動性が低い病変が偽陰性となる可能性がある.
臨床に用いる場合は本検査の注意事項を患者へ説明して書面にて同意をとること.
【解答】
O
X 1.5Tもしくは3Tの装置で施行する.
X 原則水平断を撮像する.
X 頸椎上端から骨盤骨下端までを必須とする.
O
O
【解説】
DWIBS :Diffusion-weighted Whole body Imaging with Background body signal Suppression
和訳は「全身の拡散強調背景抑制法」である.指針では「1.5Tもしくは3Tの装置で」という記載があり,1.5Tの選択は必須ではない.
全身拡散強調像の撮像断面は原則水平断とされている.再構成にてb値800-1000s/㎟の画像の冠状断の作成,MIP処理,3D-MIP処理が求められている.
撮像範囲に関しては,前立腺癌の骨転移はaxial skeleton領域(脊椎・骨盤骨)から始まることが多く頻度も高いため,頸椎上端から骨盤骨下端までが必須とされている.
本検査はあくまでも前立腺癌の骨転移の検出を目的とした広範囲検査であり,病変の局所的な精査を目的としたものではない(局所的な評価は別途検査を行う必要がある).骨転移以外の病変(前立腺癌原発巣,リンパ節転移等)の診断能については十分なエビデンスがなく,骨転移以外の病変の診断目的で検査するものではない.
微小病変や活動性が低い病変が偽陰性となる可能性がある.
偽陰性:病変が存在するのに“異常なし”と診断されてしまうこと.
偽陽性:病変が存在しないのに“異常あり”と診断されてしまうこと.拡散強調像で異常信号となった部位が全て異常部位とは限らないため,以下の点について患者へ説明し,書面にて同意をとる必要がある.
本検査はあくまで骨転移の検出を目的とした広範囲検査であり,病変局所の詳細な評価を目的とした検査ではない.
本検査で異常所見が見つかった場合,後日改めて精査を必要とする場合もある.
骨転移以外の病変については評価対象ではない.
偽陰性(微小病変や活動性が低い病変など),偽陽性(脊椎の急性期圧迫骨折や過形成骨髄など)も存在する.
問題2 日本磁気共鳴医学会から発令された「臨床MRI安全運用のための細則」にて必須の撮像シーケンスはどれか.
全身T1強調像
全身T2強調像
白黒反転表示画像
b値3000s/㎟の全身拡散強調像
拡散強調像と他のシーケンスとの融合画像
【解答】
O
X オプションとされている.
X 行ってもよい.必須ではない.
X 0-100s/㎟,800-1000s/㎟
X 作ることが望ましい.必須ではない.
【解説】
2. 4.全脊椎T1強調像は原則矢状断面で必須.
必須とされているのは以下の4つのシーケンス.
①全脊椎T1強調像(原則矢状断)
②全脊椎STIR像もしくは脂肪抑制T2強調像(原則矢状断)
③全身T1強調像(水平断もしくは冠状断,Dixon法が望ましいがGRE法in-phase/opposed phaseも可)
④全身拡散強調像 b値0-100,800-1000s/㎟(原則水平断,パラレルイメージング併用)
また,オプションとして
⑤全身T2強調像
とされている.
3.画像処理に関する細則にて
拡散強調像においてウィンドウ幅が広すぎると骨転移巣の視認性が低下する恐れがあることから,階調設定を調整する必要がある.また,白黒反転表示を行ってもよいとされている.
4.画像処理に関する細則にて
拡散強調像における異常信号域の解剖学的位置を把握しやすくなるように,T1強調像やT2強調像などの他のシーケンスとの融合画像を作ることが望ましいとされている.
★過去問CHECK解答★
第19回(50)1
第18回(50)1
第17回(38)1(50)4,5
※解答は個人見解です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?