基礎物理
ラーモアの方程式や電磁誘導,磁性体を中心に 物理の問題の対策です。
★過去問CHECK★
第19回(7)ラーモア周波数
第18回(7)磁気回転比
第17回(44)ステンレス鋼
第16回(1)基礎物理
第15回(7)基礎物理
第12回(2)基礎物理
第11回(2)基礎物理(20)ラーモア方程式
第10回(9)基礎物理(12) ラーモア方程式
第9回(3)ボルツマン分布則
第7回(9)磁性(12)基礎物理(15)器礎物理
第6回(15)基礎物理
第5回(1)ラーモア方程式(2)基礎物理
★過去に出題された物理公式の暗記はこちら★
問題1 物理公式
(1)ωo=γBoについて
磁気共鳴現象の基本を示し,ラーモア方程式と呼ばれる.
γ は静磁場強度によって異なる値をもつ.
Bo は磁束密度を表し,単位は Wb/㎟ である.
ωo は角振動数を表し,単位は 1/rad である.
共鳴周波数が大きくなるとMR信号の強度が上昇する.
【解答】
O
X 磁場強度によらない値である.
O
X 角周波数を表し,単位は rad/s である.
O
【解説】
外部磁場がかけられたスピンは磁場の方向を軸としてコマのような回転運動をしている.これを歳差運動と呼ぶが,この歳差運動の周波数はラーモア周波数と呼ばれ,ラーモアの方程式の関係性から求められる.
2.γは核磁気回転比である.核磁気回転比は原子核に固有の値であり,水素原子核(1H)では 42.58 [MHz/T] である.
類似問題として第5回(1),第10回(12),第11回(20)では「γは磁気回転比と呼ばれる比例定数である」という設問があったがこれは正しい.
3.BoはMRI装置の磁場強度 [T] (テスラ)を表している.テスラとは「磁束密度」の単位であり, T=W/㎟ という単位でも表される.
※問題には関係ないが厳密には「磁場強度」と「磁束密度」は異なる物理量である.磁場(=磁気が示す力の場)には二つの単位があり,一つは磁場強度[N/Wb] ,もう一つが磁束密度 [ T (=W/㎟) ] である.
この二つは単位が異なるので異なる物理量であるが,「磁気が示す力の場」という意味では同じ概念に属している.
4.ωoはプロトンの歳差運動の角周波数である.ωoはγに用いられている単位によって, [Hz](ヘルツ) または [rad/s](ラジアン/秒) の単位を用いて表現される.γが [MHz/T] を用いて表記されているときは,ωoは [MHz] を用いて表される.
5.NMR信号は1H原子核の密度ρと共鳴角周波数ωoの2乗に比例する.(ただし実際のMRIにおける信号雑音比(SNR)はωoに比例する.)したがって角周波数が大きくなるとMRの信号強度は大きくなると言える.
(2)ラーモア周波数について
ラーモア周波数と比例関係にあるのはどれか.
縦緩和時間[s]
横緩和時間[s]
フリップ角[°]
繰り返し時間[s]
水と脂肪の共鳴周波数差[Hz]
【解答・解説】5
ラーモア周波数が大きくなる時は,核磁気回転比が大きくなる又は静磁場強度が大きくなる時である.いずれも比例関係である.
ラーモアの式:ω=γBo
水と脂肪の共鳴周波数差[Hz]は
1.5Tでは 42.58[MHz/T]×1.5T×3.5ppm=223.5Hz
3.0Tでは 42.58[MHz/T]×3.0T×3.5ppm=447Hz
このような計算で算出できる.
(ここでは 1H をターゲットとしているので核磁気回転比についてはおいておくが)静磁場強度が大きくなれば水と脂肪の共鳴周波数差 [Hz] も比例関係で大きくなるのが分かる.
したがってラーモア周波数は水と脂肪の共鳴周波数差 [Hz] に比例すると言える.
(3)磁気回転比について
磁気回転比を表す式はどれか.
ただし,磁束密度 B[T] , 周波数 f[MHz] , 各周波数 2πf とする.
3f/B
6f/B
2πf/B
3πf/B
6πf/B
【解答】3
2πf=γB
∴γ=2πf/B
(4)偏極率について
ボルツマン分布則によって求まる偏極率について正しい記述はどれか.
1Hのスピン量子数は1/2で,磁場内に置かれるエネルギー順位が二つに分かれる.
絶対温度に反比例する.
磁気回転比に比例する.
プロトン密度に比例する.
静磁場強度に反比例する.
1Hは静磁場強度1.5Tで$${0.5×10^-5}$$である.
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