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乳腺検査

乳腺検査の対策問題です。

★過去問CHECK★
第19回(3)撮像技術
第18回(26)撮像技術
第16回(18)撮像技術,ACR BI-RADS
第13回(12)解剖(48)撮像技術
第11回(45)ACR BI-RADS
第6回(5)撮像技術

過去問は日本磁気共鳴専門技術者認定機構のホームページにPDFデータが公開されておりますのでそちらをご活用ください★

 

 


問題1 乳腺の解剖

正しい記述はどれか.

  1. 乳管は乳頭に集合する.

  2. 乳腺は腺葉が集まり小葉になる. 

  3. 乳腺はクーパー靭帯で固定されている.

  4. 副乳は乳房外には生じない.

  5. 造影剤は母乳から排泄される.

 

【解答】

  1. O

  2. X 小葉が集まり腺葉になる.

  3. O

  4. X 副乳は乳房外にも生じる.

  5. O


【解説】

  1. 乳腺は乳房全体で15~20個の腺葉(lobe)に分画されており,乳頭を中心に放射状に配列している.すべての腺葉は最後に1本の主乳管となって乳頭に開口する.乳頭にはほぼ腺葉の数と同数の乳管開口部が認められる.

  2. 腺葉の最も末梢には小葉がある.それぞれの腺葉は20~40個の小葉から形成されている.

3.乳房は鎖骨と胸骨に支持される形で位置する.さらに乳房内にある乳腺組織は皮膚直下の浅胸筋膜や大胸筋上にある深胸筋膜などから伸びるクーパー靭帯によって脂肪組織内で支持される.そのため乳腺組織の大部分は手指で前後左右に動かすことが可能である.


4.胸部に左右一対の乳房の他に乳房の見られるものを多乳房症といい,その乳房を副乳(房)と呼ぶ.副乳はその発生部位によって腋窩乳腺,胸乳,腹乳,外陰唇乳とも呼ばれることがある.非常に稀に頭,顔,耳,頚,背部,上肢などにも発生することもあり,これを異所性乳腺と呼んでいる.副乳の発生頻度は欧米人では1~2%と少なく,日本人では比較的多く5.9%~14.4%と報告されている.欧米人では男性に多いが,日本人では1:3の割合で女性に多い.

 

5.造影剤の添付文書には「授乳中の女性への造影剤投与24時間または48時間は授乳を避けること」と記載されている.動物実験において得られたデータを基にしたものであるが,造影剤は母乳中への移行が報告されている.

一方で米国放射線学会や欧州泌尿器生殖器放射線学会の最新ガイドラインでは,造影剤使用後の授乳について強い制限はしておらず,日本医学放射線学会では特段の理由がない限り,造影剤使用後の授乳制限は必要ないものと判断しているため,国内の添付文書の記載と一致していない.今後の対応に注目が必要である.

 

【参考文献】
1. 石栗一男,マンモグラフィ技術編 改定増補版,医療科学社,2004,13
2. 日本医学放射線学会,マンモグラフィガイドライン第三版増補版,医学書院,2014,20
3. 石栗一男,マンモグラフィ技術編 改定増補版,医療科学社,2004,154
4. 酒井成身,乳房の形成外科,日本臨床外科医学会雑誌,58(8),1693-1704,1997,2
5. 磯辺智範 編集,新津守 監修,MR・超音波・眼底 基礎知識図解ノート第2版,金原出版株式会社,2018,160

 

問題2 乳腺の撮像技術

(1)撮像技術

正しい記述はどれか.

  1. 乳癌のスクリーニングは単純MRIで行う.

  2. ダイナミック撮像は脂肪抑制法を併用する.

  3. ダイナミック撮像によるkinetic curveの関心領域は正常乳腺を含めて大きく設定する.

  4. 病変側のみを撮像する.

  5. 血性乳汁分泌の診断にT2*強調像を追加撮像した.

  6. 非浸潤性乳管癌の診断に高いb値の拡散強調像を追加撮像した.

  7. 拡散強調像は single-shot EPI 法よりも multi-shot EPI 法の方が歪みは小さい.

  8. 乳房は脂肪抑制を併用した3D GRE法を選択する.撮像条件は,空間分解能と時間分解能を両立するために1時相1分程度に設定する.

 

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