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コント『ひよこクラブに載っていた』

たかし、宿題をやりながら何か悩んでいる
父、雑誌を読みながら入って来る

父「おーたかし。宿題進んでるか?」

たかし「うん…。」

父、部屋をうろうろする

父「たかしお前、何か悩み事があるんじゃないか?」

たかし「え?いや、別に…。」

父「ふん、お父さんには全部お見通しだぞ。たかし、今好きな子がいるんだろ?」

たかし「どうしてそれを!あ…。」

父「やっぱりそうか。お父さんにはなんでも分かるんだぞ。」

たかし、モジモジしている

父「そして、好きな子は同じクラスの里美ちゃんだろ?」

たかし「そんな事まで…?!」

父「でも引っ込み思案のたかしはなかなか自分の気持ちを里美ちゃんに伝えられない。」

たかし「え?え?」

父「『はぁ、次の席替えで隣になれたらなぁ。』と最近ずっと考えている、そうだろ?」

たかし「いや、父親だからって分かり過ぎじゃない?」

父「ふん、実はな…全部この…ひよこクラブに載っているんだよ!」

たかし「ひよこクラブ?あの子供の情報雑誌の?」

父「そう!この雑誌には今のたかしの情報が全て載っているんだ!」

たかし「嘘だよ。(笑)そんな学校での恋愛事情まで載ってるか!」

父「ん?信じれないか?じゃあなぁ、たかしお前その消しゴムにおまじないとして里美ちゃんの名前書いてるだろ?」

父が消しゴムをケースから外すと「里美」の文字が書いてある

たかし「あぁ、ちょっと…それも?」

父「あぁ、ひよこクラブに載っていた。」

たかし「どういう仕組みの雑誌なの?それ!」

父「その消しゴムは一度落とした時に里美ちゃんが拾ってくれて、それ以来その消しゴムがたかしの一番の宝物なんだもんなぁ。ひよこクラブに載っていたぞ。」

たかし「え、もう全部じゃん。」

父「あと、明日の給食はカレーらしいな。良いなぁカレー。」

たかし「それもひよこクラブに…?」

父「ああこれは普通に献立のプリントに載ってた。」

たかし「ああ。(笑)」

父「それにお前、最近算数セットのおはじきが一個足りないらしいな。」

たかし「そんな細かいとこまで載ってんの?それもう」

父、たかし「ひよこクラブじゃなくてたかしクラブじゃん。」

たかし「え?」

父「お前が次に何を言うか。それも全てこれに載っているんだよ。」

たかし「いや、こわ!!そんな雑誌があったとしてもなんで父さんそんなん読んでんだよ。もうそれちょうだい!」

父「右ストレートからの左アッパー。」

たかし、右手で雑誌を奪おうとして避けられ次に左手で奪おうとするもそれも避けられる

父「突進からの左手での裏拳。」

たかし、突進をしかわされ左手でなんとか雑誌を奪おうとするが左手を捕まれる

父「だから言っただろう。お前の行動は全てお見通しだと…。」

たかし「いや、バトル漫画の悪者みたいになってるよ?もう分かったよ!(父を振り払って)宿題に集中出来ないからどっか行って!」

父「(部屋から出ていこうとしながら)でも安心しろたかし。お前は将来里美ちゃんと結婚するぞ?」

たかし「それもひよこクラブに載ってたの!」

父「いや、ゼクシーに載っていた。」

たかし「雑誌ってすげぇなぁ。」



おしまい

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たかし
小学生4年生。内気だがゲームは上手い。好きな子は遠くから見てれば良いやと思ってしまっているタイプ。


たかしの父。オカルト好き。愛読書は月刊ムー。

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