「毎日、毎日嫌なことばかりだけれども、これは砥石で磨かれているようなもんだなー」
住友生命元名誉会長 新井正明
名言を残すような人は、一生涯で偉業を成し遂げた人物や一流会社の経営者などが多いので、自らの成功体験などを前向きにとらえて生まれる言葉が多いものです。ところがここに取り上げる新井さんの教訓はそれらとは少し違っていて、珍しく自分のネガティブな体験がベースになっています。それが逆に我々一般人には共鳴するところかもしれません。「砥石で刃物をコツコツと磨く姿」を人間の地道な苦労に照らし合わせて、日常の辛さを乗り切る気持ちの大切さを見事に表している言葉だといえるのではないでしょうか。
折から、サムライブルーが2022年のFIFAワールドカップにおいて、あの「ドーハの悲劇」を経験したと同じ地でドイツを逆転で破るというビッグニュースが飛び込んできました。執念の采配で歴史的勝利に導いた森安一監督は「ドイツは、日本のサッカー選手を育ててくれているとともに、日本サッカーの発展を助けていただいている。リスペクトして、感謝したい」と試合後の会見で感謝の言葉を述べたという。実に、謙虚で控えめな言葉ではないでしょうか。
「臥薪嘗胆」という言葉があるように「辛いことに耐え、謙虚に地道な努力をコツコツと積み重ねることで、やがてはそれが成功にたどり着く」というこの種の格言は、我々日本人にとって王道を行く言葉なのかもしれません。
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