ミスチルの「雨」ソング ~ちょっとだけ雨が好きになる魔法のフレーズ
今回は、Mr.Childrenの「雨」ソングについて書こうと思います。
「雨」は好きですか?
ざっとアンケートなどを検索してみたところ、雨が好きな人は1~2割ぐらいのようですね。
8~9割は雨を嫌っている。
好かれていない雨、ミスチルはどんな風に描いているのでしょう。
ミスチルの楽曲の「雨」は、文字通りあの空から降る雨の情景を表現しているものもあれば、それに加えて心や取り巻く状況の模様・・・とりわけ「涙」「悲しみ」「苦しみ」「辛いこと」「嫌なこと」「困難」といったネガティブなことや感情・・・を評していたり暗示していたりするものもあるように思います。
前者は、「innocent world」の“6月の雨”や「抱きしめたい」の“霧雨”などですね。
後者は、「雨のちはれ」の“雨降り”、「Surrender」の“無常の雨”、「天頂ばす」の“暴風雨”、「足音」や「ポケットカスタネット」の“雨雲”などでしょうか。
解釈によっては、「エソラ」や「通り雨」の雨表現のように、一見前者のように思えて、後者の意味にも受け取れるものもあると思います。
「雨」は一般的には好まれてなく、歌詞の中でネガティブなものの比喩に使われますが、ミスチルの雨ソングのいくつかには「」雨も悪くはない」という価値観があるように私は思っています。
空から降る雨を描写しているとしても、ネガティブなことや感情の比喩として描写される雨だとしてもそこになんらかの価値やいみを見出しているように思うんです。
雨だから出会える景色があるとか。雨が降るからこそ虹が出るとか。雨も無駄じゃない、無意味じゃないとか。
ミスチルの雨ソングの一部には、私たちに降り注ぐ雨=涙、悲しみ、苦しみ、嫌なこと、辛いこと、困難というネガティブなものでも、ポジティブに捉えていくという思想を感じます。
濡れて鬱陶しかったり、外へ出かけるのが億劫だったり、洗濯物が乾かなかったり、気分が落ち込んだり…
雨が降ると嫌なことも多いからそれをネガティブに捉えてしまいますね。
でも、雨だからこその景色・匂い・音に出会えたり、屋内で過ごす時間をくれたり、新しい雨グッズに少しテンションが上がったり、雨ソングが沁みたり…
雨の中にも良いことを見出していけると良いと思うんです。(災害が起こらないならば)
というわけで、ちょっとだけ雨を好きになれるようなMr.Childrenの楽曲をコメント付きで取り上げてみようと思います。
最後に雨ソングをリストアップしてみます!。
■innocent world
毎年6月になると「今年もinnocent worldの季節がやってきた!!」という気持ちになります。
年中聴いている楽曲ではありますが、6月の雨の季節には特別に思いを寄せて聞いてしまいますね
特に発売日である6月1日は毎年恒例の儀式として聴いちゃいます。
イノセントワールドを聴きながら、楽しくなるであろう夏を思い浮かべて、ジメジメした梅雨の雨で物憂げになった気持ちを、吹き飛ばしましょう。
煽りやシャウトで思いっきり無邪気に楽しく演奏しているライブバージョンなら元気が出ルコと間違いなしです!
■Rain~雨のち晴れ
アルバム「Atomic Heart」より、雨のインストゥルメンタル「Rain」と「雨のちはれ」を2曲あわせて選曲。
「雨のちはれ」はミスチルの元祖雨ソングであり、定番雨ソングですね。
「雨のち晴れ」は300万枚アルバムとベストアルバムに入っていル楽曲なので、「ミスチルの雨ソングといえばこれ」というリスナーは多いのではないでしょうか。
今の状況が雨降りであっても、いつか晴れて虹を渡れると信じて、今を精一杯頑張ろうという歌ですね。
■通り雨
めちゃくちゃ好きな雨ソングです。
この楽曲の「雨」は、歌詞中の“胸を濡らす”という表現から、「涙」のことも暗示していると思っています。
涙を流すことがあっても、通り雨がサッと降って止むように、絶対に涙は止まるじゃないですか。
通り雨の後の残った水たまりに日傘したり星空が映ってキラキラするように、流した涙が残した水たまりもやがて自分を輝かせる糧になるといいなみたいなイメージをこの楽曲に持っています。
この歌詞についても、泣いた後って、特有の匂いがして、涙が全てを洗い流してくれたかのようにすっきりすることってありますけど、あれを雨上がりと重ねて表現しているのではないかと思います。
■雨の日のパレード
この曲って、ミスチルの雨の野外ライブと重ねて作られた曲なのではないかなと思ったりしてます。
以前にも紹介したみかんツアー雨の日産スタジアム公演の桜井さんのMC「一緒に濡れるぞーー!!最高だ。こういうハプニングは大好きだ。滅多にないぞ。6万9千人が一緒に同じ雨浴びてるんだ。ひょっとしたら今後一生ないかも知んないでしょ?だから、楽しいわ」…この気持ちが歌に込められているように感じてます。
雨の野外ライブ、雨を鬱陶しく思うところもあるだろうけど、心は踊り、風邪なんかひいたとしても、伝説のライブになったりするんですよね。
大切なイベントで雨が降ると「嫌だな~最悪だ~
となりがちです。
でも、「ずぶ濡れになったけど楽しかったね」と雨の思い出と共に強く強くメモリーに保存できるのなら、雨が降るのも悪くないと思えてきます。
そう思わせてくれる楽曲です。
■エソラ
「エソラ」は「私たちに寄り添って日常や人生に輝きを撒き散らして夢を見せてくれる『音楽』」のことを歌った楽曲だと思うんです。
でも、私は上の歌詞が好きすぎて、「雨」の歌というイメージが強いです。
雨に降られたとしても、心の持ちようで、晴れた日には出会えない、雨だからこそ出会える素敵な景色に出会えるんだというのを教えてくれた楽曲です。
雨をけっして悪者にしていないんですよね。
ここでいう「雨」は文字通りの雨であり、個人的に〈別のこと〉を重ねていたりもします。
「エソラ」という音楽は私に輝きを撒き散らして夢を見せてくれました。
■Melody
突然の夕立に困った経験は誰しもにあると思います。
この楽曲の主人公も夕立に「チェッついてないぜ」なんて思っただろうけど、木々の水滴が光って揺れているのを見て、うけいれた。
嫌われ者の雨だけど、素敵な景色を奏でるメロディーにもなりうる。
雨は嫌だとネガティブに捉えるのではなく、
綺麗事かもしれないけど、雨を雨に限らず嫌なことをちょっとでもポジティブに「無駄じゃない無意味じゃない」と受け入れていけたら、薔薇色の世界に変わるのかなと思えたりします。
そんなことを感じた楽曲です。
■ヒカリノアトリエ
「ヒカリノアトリエ」は、「虹」ソングに分類される楽曲ではあると思います。
でも、虹をかけるには雨が不可欠であり、この曲にも“雨上がり”“湿った日が続いても”という雨の表現があるので、雨ソングに選びました。
梅雨みたいに湿った日が続いて鬱々としてしまう時でも、ミスチルの音楽であったり、雨の日の楽しみだったり、心に寄り添う防腐剤があればきっと楽しく過ごせるのではないでしょうか。
そんな想いを込めて雨ソングのラストに。
■ミスチルの雨ソング
ミスチルの楽曲で「雨」にまつわる歌詞があるものっを集めてみました。
他にもあったら教えてください!
Rain
ロード・アイ・ミス・ユー “Rain drops”
All by myself “降りしきる雨” “雨音” “嵐のように”
Distance “窓を打つ雨”
Simple “ざあざあ降りの雨”
Surrender “無常の雨”
雨のち晴れ “雨ふり” “雨のち晴れ”
雨の日のパレード “雨のひ”
innocent world “6月の雨”
永遠 “涙色をした雨”
エソラ “雨に濡れぬ” “雨に降られたら”
渇いたkiss “雨に打たれてる”
抱きしめたい “霧雨”
マーマレード・キッス “急に降り出した雨”
my life “雨に打たれ”
I'm sorry “雨降って”
タイムマシンに乗って “雨ニモマケズ”
youthful days “にわか雨”
Dear wonderful world “通り雨”
It's a wonderful world “通り雨”
僕らの音 “通り雨”
通り雨 “通り雨” “雨上がり”
DISCOVERY “夕立ち”
Melody “夕立ち”
here comes my love “雨雲”
足音 ~Be Strong “雨雲”
ポケットカスタネット “雨雲”
口笛 “雨上がり”
メインストリートに行こう “雨上り”
虹の彼方へ “雨上がり” “凍えそうな雨” “Raindrops”
ヒカリノアトリエ “雨上がり” “湿った日”
天頂バス “暴風雨”
運命 “スコール”
himawari “嵐が去ったあと”
deja-vu “嵐の日”
さよならは夢の中へ “嵐のような涙”
ひびき “嵐に”
Mr. Shining Moon “泣き出した空は路上に落ちて”
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