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【研究紹介】美術館を鑑賞する人の行動は4パターンに分類できるらしい


ごあいさつ

お久しぶりです、諸星です。

今日は前々からちゃんと読んでみたかった研究を、自分の理解を深めるために研究紹介というかたちで記事にしたいなーと思って筆を取ってみています。

頭から予防線を張って恐縮ですが、必要に迫られて趣味で斜め読みしているだけですので、誤読があってもあたたかく見守っていただければと……。

さて、諸星を観測してくださっている方のうちどれくらいの方がこの記事を楽しんでくださるのかは分かりませんが、ご興味のある方は一緒に楽しんでいただけると嬉しいです。それでは研究の旅へしゅっぱーつ!

美術館を鑑賞する人たちの4種類の行動パターン

本日取り上げるのは、Zancanaaro, Kuflik, Boger, Goren-Bar, and Goldwasser (2007) のAnalyzing Museum Visitor's Behavior Patternsというタイトルの論文です。

この論文は見出しの通り、美術館を訪れた鑑賞者の行動を類型化してモデル化した論文になっています。趣味で斜め読みしている

美術館を訪れた人たちに、それぞれに適した情報提示を行うためには行動パターンをある程度束にする必要がある、という目的意識で行われた研究の流れを汲んでいるようでして、この研究では先行研究で質的手法などを通して行われてきた分類を量的な手法で妥当化する試みのようです。

関心のあるところだけピックアップしてまとめますと、美術館を鑑賞する人々の行動は、4種類に分類することができるという主張がVeron and Lavasseur (1983) という研究でなされているようでして、本研究ではこの主張をモバイル端末のデータを解析することによって検証しているようです。動物に例えて以下の4種類の名前がついています。

  • ANT type(アリ型)

  • BUTTERFLY type(チョウ型)

  • FISH type(サカナ型)

  • GRASSHOPPER type(バッタ型)

それぞれのタイプの説明を拾ってみましょう。がっつり意訳です。

ANT type (アリ型)

ANTに属する行動パターンを取る人たちは、特定の人の流れに乗っかるように移動します。美術館で過ごす時間の多くをほぼ全ての展示品をしっかりと見ることに費やします。

BUTTERFLY type(チョウ型)

BUTTERFLYに属する行動パターンを取る人たちは、特定の人の流れにはあまり従わず、ふらふらと順路を進みながら気になるところでしばしば立ち止まって展示品の詳細な情報を得ようとします。

FISH type(サカナ型)

FISHに属する行動パターンを取る人たちは、ほとんどの時間を展示室の中央付近でたゆたうように移動し、多くの人は展示品の詳細を見ることを避けながら鑑賞をします。

GRASSHOPPER type(バッタ型)

GRASHOPPERに属する行動パターンを取る人たちは、あらかじめピックアップされた特定の展示品への選好を示して、それら以外の展示品はないかのように、長い時間をかけて興味のある展示品をつぶさに鑑賞します。

所感

諸星も美術館に行くことが好きで時折足を運ぶのですが、わー、BUTTERFLYだ自分は!と思いながら読んでいました。FISHの人は言われてみればいるような気もしますが、馴染みのないタイプなのでこういう方もいるんだ、と新鮮な驚きがあります。全体としての納得感は結構あります。こういうのがデータからもある程度妥当であるという主張ができるのが面白いですよね。

これを読んでくださった方はどのタイプでしたか?そっと耳打ちしていただけるととっても嬉しいです。

それでは、筆を取りたくなった頃にまたお会いしましょう。少しずつ涼しくなってきて秋の訪れを感じます。どうか風邪などひかぬよう、お身体にお気をつけて。

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