経営者になった日

先代の父親から経営者のバトンを受けたのは
2011.3.11の数日前だった。
その日は突然訪れた。
脳梗塞で会社をワンマンで仕切っていた父が入院。
経理こそやってはいたものの
資金繰りなんて素人そのもの。

いつ、いくら、どこの銀行口座から
引き落としがあるのかも知らなかった。
さらに弊社は3月が決算月。
父には借入金の調整計画などがあったそう。

家族と会社がパニックになっている中
さらに3.11が襲ってきた訳!
記憶がないのは病院のベッドで寝ていた父のみだった。

ボクの住んでいる
茨城県水戸市は三日間停電
本社事務所は滅茶苦茶。
部下と片付けする毎日。
何も出来ない日が続いた。

でもボクにとっては
ラッキーだったのかな?
支払日の猶予期間が設けられた記憶がある。

電気が復旧してから
まずは借入金の返済日や金額をリスト化した。
誰も教えてくれないので
通帳をみたり
わからない事は銀行や税理士に聞いた。

経理やってて良かったと
あの時ほど思った事はない。
ボクの経理は独学ですから
滅茶苦茶かもしれませんけどね。

当時社員さんも30人ほど
彼らのお給料も計算しなきゃだし
支給しなきゃ彼らの生活も成り立たない。
この時ほど重圧を感じた事はないかも。
(辛かった事は、この後にたくさんあった)

サラリーマンだったら
引き継ぎありますが
中小企業の経営者に
そんな引き継ぎなんてものはない。

我ながらすごいタイミングで
父からのキラーパスを処理出来たなと
今から10歳以上若かった自分が
良く出来たものだと感心している。

その日から資金繰りが
ボクの仕事のラインナップに入り
社長の父の代わりに
専務だったボクが
この経営して行く事になったのです。

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