英語修行難行苦行ニュージーランド編 99 発音がダメ!
ジェフが私に冊子状のものを渡しながら
「This is a present for you .」
(これ君へのプレゼントだよ)
と言うので、それを受け取りながら私が
「Thank you .」
(ありがとう)
と言うと、私の顔を見て
「えっ?」といったような顔をする。
今度はマークが筒状のものを渡しながら
「For you from me .」
(僕からだよ)
と言うので、また
「Oh , thank you .」
(ああ、ありがとう)
と言うと、ジェフとマークがお互いに顔を見合わせて
二人で妙な動作をした。
二人一緒にひざを折って体を沈める。
一体何をやっているのだろう。
わけがわからなかった。
ジェフが
「This is a map of Wellington city .」
(これはウエリントンの地図だよ)
すぐにマークが
「This is a Down Under map .」
(これは逆地図だよ)
と続けて言った。
私がまた
「Thank you very much .」
(どうもありがとう)
と言うと、さっきと同じようにして体を沈める格好をする。
私がポカンとしていると
ジェフが私をじっと見て言った。
「Koichi , say "TH-ANK YOU .」
(コイチ、TH-ANK YOUって言ってみて)
とゆっくり言いながら
"TH"のところで舌を上下の歯の間に挟むようにした。
私はドキッとした。
そうか"TH"の発音を自分は気をつけていなかったのだ。
気をつけてはきたつもりだったが
「つもり」だけだったのだ。
私の「Thank you .」は「Sank you .」になっていたんだ。
「ありがとう」のつもりが「沈めました」になっていたんだ。
今頃になった基本の基本に気づかされるなんて
ちょっと恥ずかしかったが有難かった。
私はジェフとマークに向かってもういちど
「THANK YOU.」
と言った。
二人はニコニコして
「Good , good , very good .」
(よし、よし、すごくいいよ)
と言って握手を求めてきた。
ジェフ、マーク、発音の大切さを「身をもって」教えてくれてありがとう。