雨の日の記憶は濃い。
タイトルの「雨の日の記憶は濃い。」は
僕が一番尊敬しているコピーライター、岩崎俊一さんのコピー。
たしか、積水ハウスの広告だったと記憶してる。
なんでこのコピーがタイトルなのかと言うと。
今日、梅雨入りしたから。ただそれだけ。
でも不思議なことに、梅雨入りしたってニュースを見たとき
すぐこの言葉が思い浮かんだ。
初めて知ったのは、岩崎俊一さんの著書「幸福を見つめるコピー」を読んだとき。
※本当に良い本です。僕は泣いてしまった。
雨の日の記憶は濃い。
この言葉をひと目見た瞬間に、僕の頭の中にあるムニャムニャが走馬灯のように甦った。濃い記憶が。
僕の経験上、雨の日はロクなことがない。
学校で嫌な出来事があったとき。何気ない言葉に傷ついたとき。
バイト先で怒られたとき。彼女にフラれたとき。
あの日も雨が降っていた。
傷ついた瞬間の、心臓を鷲掴みされたようなあの感覚。
たった一秒が数十秒になる。
潜水しているかのようにまわりの音が歪んで静かになる。
でも雨音だけ聞こえる。サァーっと、うるさい。
10年近く昔のことなのに、あの日のことを、今日のことのように感じる。
なんでこんなにも濃いんだろう。この歳になると軽く胸やけする。
湿度が高いから、じめっと肌に張り付くように
記憶にも張り付いてしまうんだろう。
ただ、感傷的になることが、嫌じゃないのをここに告白します。
傘でもさして出かけよう。
雨が苦手な人と出会えたら、「気が合いますね。」って今なら言える。