夏の外
初投稿を終えたは良いものの、やはり長くなってしまいました。
とても気軽に読めるものではありません。
自由に書いてくださいと、noteがそうはいってくれますが難しいものですね。
10月になり、やっと涼しくなったかと思えば今度は空の機嫌が悪い。
夜な夜な文字を並べている窓の外では、今も静かに雨を降らしています。
そんな雨模様さえ楽しめる人であれば、過ぎる日々を退屈だと思わずに、もっと幸せだったろうに。
夜はそんなことばかり考えてしまいますから、さっさと寝てしまうのが吉ですけれども、もう少しだけ起きていたい。
しかし夏の良さというのは、私は秋にあると思うのです。
まさしく青という色をした空に浮かぶ、夕立を知らせる入道雲。
どこか遠くに響く花火の開く音。
七日の命を惜しげなく削って、それ以外の音を消し去ってしまう蝉の声。
それらすべて、夏の中にいるときにはむさ苦しいばかりですが、しかし今になってみると、夏の風情として儚げに蘇るもので、そんな夏の外から眺める夏は好きなのですが。
思い返せば、今は懐かしむ思い出というのも、似たようなものなのかもしれません。
例えば中学時代に戻りたいだなんて、ふと思う時があるのですが、よく思い出してみると、当時は周囲の目線や、未成年故の不自由さに息の詰まる思いをしていたことを覚えています。
思い出は、今という視点から眺めているからこそ、美しく思えるだけなのかもしれませんね。
そう言葉にすると、その美しさに少し傷がついてしまいそうなものですが。
きっと、どうにも苦しく思えて仕方ない今でさえも、未来の私からすると美しいものになっていると思うと、少しだけ生きる気力がわいてくるような。
それがほんの一瞬の感傷だったとしても、忘れたくはない。
忘れないために、文字に残すのです、ただ、私は。