インターネットで個人にお金を払う体験を得て
先日こんなことをツイートをした。シルフェイド幻想譚じゃなくてシルエットノートという作品です。
シルエットノートを購入したのは14年も前の事になるけど、そこから今のインターネットを振り返ると、個人製作者とお金の距離がグッと近くなったなと思います。
2000年代前半のインターネットの娯楽
2000年代前半のインターネットは程よくアンダーグラウンドで程よく開かれていて、お金はないけど時間はあまり余っている子供時代の僕にとっては、遊び尽くせないおもちゃを見つけたようなものでした。面白フラッシュ倉庫で不謹慎な政治ネタや洋楽の空耳ネタなどで笑ったり、チャットサイトで顔も知らない人と文字だけのコミュニケーションで趣味の話をして盛り上がるという楽しい時間を過ごしていました。
そしてある時「シルフェイド見聞録」というフリーゲームに出会いました。RPGツクールというツールで製作された個人製作のゲームでしたが、下ネタやコントのようなノリと時々シリアスな展開に、多感な時期を過ごしていた僕はどハマりしました。
初めてインターネット越しに個人開発者にお金を払うまで
RPGツクールで作られたゲームを遊び尽くす日々に明け暮れていたある日、「シルフェイド見聞録」の製作者が初めて有料の新作を出しました。前述の「シルエットノート」です。
2005年に発表された「シルエットノート」はシェアウェアで1500円。フリーゲームに慣れ親しんでいた中学生の僕にとってはどうやって金を払うのか以前に、インターネット越しの個人にお金を払うというのはその当時は全く想像していませんでした。日常生活で個人商店にお金を払う事はあっても、インターネット上の顔も知らない人にお金を払うのはハードルが高い行為でした。
僕は悩みましたが、その製作者のゲームのファンであり、個人開発者に金を払うという物珍しさに惹かれた結果買うことにしました。クレジットカードも無かったので、コンビニでウェブマネーを購入して、そこに書かれたコードをビビリながら入力して支払い、興奮が冷めぬ勢いのままダウンロードして遊んだゲームはとてもいい思い出になりました。
この時の体験は今に至るまで僕の価値観に影響を与えていると思います。
お金の行き交いと個人の価値の再発見
そしてそこから14年近く経った現代のインターネットですが、クラウドファンディングであったり、定額支援サービスであったり、YouTubeの投げ銭だったり、今見ているnoteなど、個人が個人にお金を払う環境が充実しています。
2000年代のインターネットを見てきて過ごした身からすると、ここまで気楽にインターネットでお金が行き交いしているのは想像できませんでした。個人製作物を個人が買う文化として同人文化がありますが、会場での対面形式が基本的でした。時代が進む中で、ネット経由での支払い方法が増えた事や個人製作のハードルが下がるにつれて個人間の売り買いが広く普及していき、個人が自分の価値を再発見していく環境が作られていくのは興味深い変化だと思います。
最後に
僕も自分の価値を再発見したいので面白かったら100円をお願いします。全文無料公開なのでここより下はありません。
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