【提案】新しい交通マナーにおけるハンドサイン

「ドライバーは、常に歩行者又は自転車(以下歩行者等)が安全に横断歩道又は自転車横断帯(以下横断歩道等)を渡れるように保護しなければなりません。道路交通法第38条第六節の二「横断歩行者等の保護のための通行方法」には、
①歩行者等の有無を確認できなければ、横断歩道等の停止位置で止まれるような速度で進行する。
②横断しようとしている、あるいは横断中の歩行者等がいるときは必ず一時停止をする。
③横断歩道等およびその手前30mは追い越しや追い抜きが禁止。
などが規定され、横断歩道等を渡ろうとする歩行者等がいる場合、ドライバーは横断歩道等の直前でクルマを一時停止させ、通行を妨げないよう義務付けています。横断歩道等を渡るのに時間がかかってしまう高齢者や幼い子供も、もちろん例外ではありません。違反者には反則金や違反点数が科せられます。」

となっているが、実情では交通ルールが私も含めてあまり守られていない気がする。

 だが、私は4年ほど前に車をある車種に買い替えてから率先して譲るようになった。理由の一つとしては、その車のイメージが一般的にはあまり良くない車種なので、動機は不順だがブランドイメージアップ活動として勝手に始めた。

 (余談だが、ブランドとは自分への防御であって攻撃ではないと思う。)

 そして次第に去年ぐらいからお互い気持ちよく対向車と譲れないかと思い、すれ違う時に手をあげていたが、反応はなかった。そこで親指を立ててみたが、対向車のドライバーはキョトンとした表情で、その表情が面白くて調子に乗って親指を立て続けていたが、ある日、他の表情も見てみたいという好奇心から、譲らなかったドライバーには中指を立てる暴挙まで出たが、一触即発になりそうになったこともあったのでやめることにした。

 ただ親指を立てる行為を2、3カ月するも対向車のドライバーの表情にも飽き、なぜこの行為が広がるにはどうしたらいいのかと考えた時に、会社で提案したらどうかと思い、会社の人たちに呆れられ、自分の中でもこの行為を止めようと決めた。

 そして、昨日奇跡が起こった。

 帰宅途中に2人組のおばあさんが横断歩道で立っていた。2、3台前の車は横断歩道でいったん停止することなく走っていったが、もちろん私は後ろを走っていたバイクや車にも分かるように横断歩道の手前から徐行に入り停止した。すると対向車も止まったが、後ろを走っていたバイクが横断歩道を無視し走り抜けて一瞬危なかった。私にはなぜそのような行為に至る理由が理解できない。

 無事におばあさんたちが横断歩道を渡りきり、少しほっとした気持ちと、走り抜けたバイクに問い詰めたい気持ちが入り混じってなんともいえない気持ちになって車を発進させたら、対向車に乗っていた夫婦と思しき二人が私に向かって笑顔で親指を立ててきた。私は驚き、笑顔になれなかったが、思わず親指を立てた。

 これから信号のない横断歩道で譲りあったら、一緒に笑顔で親指を立てませんか?

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