「孫に優しさを教える爺さん」2016年2月27日(土)
世間ではSMAP解散騒動の報道がなされ、SMAP×SMAPでメンバーが謝罪し、「キムタクは救世主だ」とか「キムタクはタイムリープしてるのでは?」とかファンがSNSで騒いでいたころ、僕はTSUTAYAでDVDを借りた。
借りた映画のタイトルは、『ラスト、コーション』と『ストレイトストーリー』と『ミロクローゼ』と『盲獣』と『博士の異常な愛情』。
どれから見ようかなと考えながら店を出ようとすると子供の声が聞こえてきた。
「じいちゃんは優しいね」
姿は見えないけれど、4歳から5歳程度の幼い声だった。
声だけでは男か女かもわからない。
「違うとよ。人に何か買ってあげるのが優しいんじゃないと」
教え聞かせるような優しくてそして悲し気な調子の声だった。
僕はその言葉を聞いて、なんて含蓄ある言葉なんだと思った。
子供の悪気が無い無知ゆえの「優しいね」という言葉に対する人生の先輩としての言葉。
爺さん自身、孫の発言により自分の行動の良くない面に気づかされた可能性。
優しさじゃないと言っておきながら買い与える自己矛盾的な孫への愛情表現。
そしてこの孫はこの言葉をすぐ忘れるんだろうなという刹那感。
急に口に鰹節の一番だしでも突っ込まれたかのような味わい深い言葉だった。
どんな二人が言ったんだろうと気になったが、子供をじろじろ見ると不審がられるし、よくないなと思い、そのまま店を出た。
現在の所感(2019年7月31日)
エバーノートにメモしていた短い日記を元に今回書き直した。
書きながら、僕の爺さんは父方も母方も亡くなったが、いろんなものを買ってもらったなあとか、子供心に簡単に買ってくれることを両親に比べて優しいなあとか思ってたことを思い出した。
久々にこの爺さんの言葉に触れたが、何回噛んでも味ある言葉だ。
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サポートしていただいた場合、たぶんその金額をそのまま経費として使った記事を書くと思います。