教師の語り その２１ 〜ノミの話〜

ノミについて研究している人がいました。長年の研究の結果、ノミは１mもの高さのジャンプができることが分かったのです。
１mというのはノミの体長の３００倍。人間で考えると約５００mにもなり、飛んでいる飛行機にタッチできるほどの高さです。

このノミを、高さ１０cmの箱に入れて蓋をします。その中でノミがジャンプすると天井にぶつかります。しかし、ノミも学習します。しばらくすると、１０cmの箱ギリギリの高さでジャンプするようになるそうです。

１週間後、ノミの入っている箱の蓋を外しました。ノミのジャンプする高さはどれくらいになるでしょうか？

なんと１週間前まで１mの高さを跳べたノミが、１０cmの高さまでしか跳ぶことができなくなってしまったのです。

１m跳べる力があったとしても、その全力を出せないでいると、１０cmしか跳べなくなる。これは人間も同じかもしれません。
本当は力があるのに、５０％の力しか出さないでいると、いつの間にかに１００％の力が出せなくなる。というよりも、５０％の力がその人の１００％になってしまうのですね。