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入れすぎ注意!?甘さ激増のアドナインスコード
今回はコードの話をします。
話の内容的にはDTMなどで作編曲をされている方に向けたものとなります。
本日取り上げるコードはadd9(アドナインス)コードでございます。
add9とはコードトーンに9thのテンションが付加されたものをいいます。
そしてこの9thの響きがとても美しいわけでして、
特にポップスによく合います。
今からそんなadd9コードの具体的な使い方について解説していきます。
コード進行としていい感じの使い方も度数を用いて説明していくので是非ともオリジナル楽曲に取り入れてみてください!
なるべく簡潔に分かりやすく書いていきますので、楽曲制作をされている方のご参考となれば幸いです。
それではいきましょう!
1.トニックに使え!
まずはトニックに使うパターンです。
例えばCadd9コードであれば、
構成音はド・ミ・ソ・レとなります。
ド・ミ・ソはCのコードトーンです。
それに1オクターブ上のレの音を付加したものがCadd9ですね。
お手元にギターやピアノなどの楽器がある方はこのコードを鳴らしてみてください!もしくはDAWで打ち込んでみてください。
どうでしょう?なんとも言えないきらびやかさがあるコードですよね!
さて、このadd9コードをトニックとしてコード進行に使うのであれば、
例えば、1625進行に使うのであれば1にadd9を入れることになりますね。
Ⅰadd9→Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅴ7
といったところでしょうか。
これをCメジャーキーに当てはめると、
Cadd9→Am7→Dm7→G7
となりますね。
トニックに使うのであれば大体のコード進行で使っても違和感はないので、
トニック+add9コードはかなり相性がいいと言えます。
是非曲を作る際にトニックコードに使ってみてください!
2.ドミナントに使え!
次はドミナントに使うパターンです。
私の所感ではありますが、
ドミナントコードにadd9を入れる場合に関してはどんなコード進行にも使える!という感じではないので、それについて説明していきますね。
add9コードって音の響きとしてかなり甘みの強いコードです。
なのでメジャーのトニック→add9のドミナントみたいな感じの進行に使うとメジャートニックもかなり甘みの強いコードになるのでちょっとくどいんですよね。
ではどうするかというと、
ドミナントにadd9コードを使う場合はひとつ前のコードがマイナー系のコードであれば結構合います。
例えばですが、
Ⅰ→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅴadd9
Ⅰ→Ⅵm7→Ⅱm7→Ⅴadd9
などであれば結構しっくり来る感じですね。
上は6度マイナーの後に5度(ドミナント)のadd9
下は2度マイナーの後に5度(ドミナント)のadd9(ツーファイブ)
ですね!
これらにCメジャーキーに当てはめるとそれぞれ、
C→E7→Am7→Gadd9
C→E7→Am7→Gadd9
となりますね。
マイナー系の暗いコードの後であればドミナントのadd9コードを使っても違和感はさほどありません。
ちなみにドミナントコードはadd9を入れたとしても、
コード進行的な聴感上、トニックに戻りたくなるような不安定さを感じ取れるので、Gadd9(ドミナント)→C(トニック)であれば違和感はありません。
よって、C→E7→Am7→Gadd9は循環させて使っても問題ないです。
ただひとつ注意したいのが、
ドミナントにadd9コードを使う場合はトニックにはadd9コードは使わない方がいいですね。連続で使うとやはりくどいので。
add9コードはひとつのコード進行に対してトニックかドミナントのどちらか1コードまでと念頭に置いておきましょう。
3.サブドミナントに使え!
最後にサブドミナントに使うパターンです。
サブドミナントはトニックに近い性質を持つのでドミナントに比べれば使いやすいです。
というか、サブドミナントにadd9コードを使うのはトニックに使う以上に汎用性が高いです。
例えば以下のようなパターンだと違和感なく使えます。
Ⅳadd9→Ⅰ→Ⅴ7→Ⅵm7(Fadd9→C→G7→Am7)
Ⅳadd9→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅴ7(Fadd9→E7→Am7→G7)
上のパターンはⅣadd9の後にⅠが来ています。
これは前述したⅤadd9の後にⅠが来ても違和感がないってパターンと近い理論です。
ちなみに
Ⅳadd9→Ⅰadd9→Ⅴ7add9→Ⅵm7(Fadd9→Cadd9→Gadd9→Am7)
もしくは
Ⅰadd9→Ⅳadd9→Ⅴ7add9→Ⅵm7(Cadd9→Fadd9→Gadd9→Am7)
みたいな進行であればトニック、ドミナントともにadd9コードを入れても違和感はなくなります。
つまり、4度にadd9を入れれば1度と5度にadd9を入れても違和感がないので、これ結構不思議なんですよね。このくどさが逆に美しい。
前述した話と比較するとちょっとダブルスタンダードな結論ですが、
コードの組み合わせ方次第で違和感があったりなかったりするので音楽とは一筋縄ではいかないってことですね。
4.まとめ
今回は主に作編曲をする際のadd9コードの具体的な使い方についての話をしました。
他にもいい使い方はいろいろありますが、
本記事では最も手っ取り早く、しかも取り入れやすい具体例を出してみました。
まとめると
・add9をトニックに使う場合はどんなパターンのコード進行でも使える
・add9をドミナントに使う場合はトニックにはadd9を使わず、トニック→ドミナントのようなコード進行だとくどくなるので注意
・add9をサブドミナントに使う場合はトニックやドミナントにadd9を入れてもコード進行の響き的に違和感がなくなる
ちょっとややこしいですかね(汗)
しかしこのadd9コード、作編曲するのであれば是非とも使ってほしいコードのひとつです。
ポップスを作るのであれば絶対に入れた方がいい!とは言いませんが、
コードを当てはめていく内にどこか物足りなさを感じたら是非とも取り入れてみてください!楽曲がよりきらびやかに、そして切なく、エモくなりますよ。
では今回はこの辺で。