ミレニアムメンズ世代向けメディア「his&(ヒズアンド)」をトレースしてみた
本マガジンでは、男性向けコスメ企業のマーケティングトレースをライトに行っていきます。オリジナルブランド会社、メディア運営会社含めて、様々な企業から学ばさせて頂ければと思っております。
今日のマーケティングトレースとして、2019年6月に立ち上げた男性向けコスメブランドであるNUDO及び、ミレニアムメンズ世代向けにファッションと美容に特化しているメディアhis&にフォーカスしていく。
会社上の経営戦略や事業戦略が公開された資料や財務情報も特に無いので、パブリックに流れている情報を切り口に当記事編集者の私の一個人の意見として読んで頂きたいです。
his&概要
his&(ヒズアンド)はミレニアムメンズのためのファッション&ビューティーメディアであり、2017年に創業された株式会社NELが運営。
his&(ヒズアンド)のコンセプト。
『自分らしさを、だれかのらしさを好きに』
だれかのためではなく、
自分のためのファッションや美容を楽しむ。
それぞれが自分らしさを楽しみ、だれかのらしさを尊敬する。
そんなコンセプトでhis&は生まれました。
ミッション・ビジョン・バリューが明確に定義がされていないが、
本記事を書いている私の一個人の意見として理解する内容を書いていきます。
Vision:男性一人一人が自分のためのファッション・ビューティーを楽しめる世界観の創出
Mission:ファッションや美容をシームレスに一緒に楽しめる環境・仲間(コミュニティ)の創造
Value:ユーザーとの共創
事業内容
事業は大きく、メディア事業とコスメブランド事業の二つに分別されます。
メディア事業については、his&(ヒズアンド)という「ミレニアムメンズに特化したファッションと美容」を主軸にメディアを運営。
メンズメイク/メンズ美容に関する情報を中心に記事を更新する一方で、
オフィシャルメンバー制度を設けており、メンズメイクやメンズ美容に詳しい一般人男性とのコミュニティを、コミュニケーションチャットアプリ「slack」を通じて構築し、旬なユーザーからの意見や声を自社のマーケティングにそのまま活用している。
コスメブランド事業については、2019年6月に販売した男性用コスメ「NUDO」が販売開始1日後に完売し、再販が決定している。
「NUDO」はメディア事業でも触れたオフィシャルメンバー70人とのコミュニティから、日常的に化粧品を使っている立場としての意見を聞きだし、そのまま商品開発に活用している。
コミュニティに参加しているメンバーは、試作品を触ったりしながら、「もっと良いものを作りたい」という思いから商品企画の疑似体験のような事を経験できるので、オフィシャルメンバーにもメリットがある。
ビジネスモデルとしては自社で商品を扱っているが、実務としては企画・販売のみなので、自社で企画したものをコスメの中身・容器共に外注。
販売に関しては今のところ実店舗を持たないので、オンライン(EC)上でのマネタイズを行ってる。
4P分析
Product :コスメ用品、ブランド
Price:コスメ用品、オリジナルブランド、オフィシャルメンバーの価値
Place:自社ECサイト
Promotion: SNS、Webメディア、インターネット
戦略視点:ユーザーとの距離を近く、世界観/ブランド力を軸に事業展開
<参考記事>
4C分析
Customer Value(顧客価値):男性コスメ知識の高い一般ユーザーの意見をダイレクトで取り入れた商品への安心感
Cost(費用):手に届く値段。初心者にも手の届くレベル。
Convenience(利便性):スマホ一つで注文できる。しかし実店舗を持たないので、試しに触れない。
Communication(コミュニケーション):SNSを中心とした口コミのシェア。オフィシャルメンバーとのオフ会。
上記内容は、ミクロ視点であるマーケティング分析の内容なので、
マクロ視点である外部市場も分析してみます。
マクロ分析
PEST 分析
Public(政治):デジタルマーケティング政策やDX政策など、インターネットとリアルな環境での、コンテンツビジネスが国策。
Economic(経済):日経企業の時価総額の低下、企業と個人のシームレス化
Sociaty(社会):労働人口低下、少子高齢化、個の時代
Techonology(技術):技術発展、AI、インターネット
戦略視点:個人と強い関係性を武器にしたコンテンツ事業の展開/コンテンツのシームレス化
3C分析
Comapny(企業):男性一人一人のユーザー目線を追求したブランド/商品企画・販売。
Consumer(消費者)/Company(顧客):国内に住むミレニアム世代男性がターゲット。個性を大切にするミレニアム世代に一人一人の価値を製品に落とし込んでいる。
もし私がCMOであれば、アイデアベースを書いてみた。
・キャッシュフローが潤沢になってきたタイミングで、ミレニアム世代のドン(有名芸能人)を抑えにいく。
・国内地方のミレニアム世代及び若者で上京したいけど上京できない層向けに刺さる広告動画をオフィシャルメンバーを広告塔にして、動画コンテンツとしてインターネット上に流す。
・ターゲット顧客をスポーツ選手に拡充する
・ポップアップイベントで商品にQRコードを付けて、QRコードを読み取れば、オリジナルの絵コンテやメイクアップ動画は流れるようにする。
(先進的でるが、おそらくこの手のシステム開発会社は既にある。)
最後に
最後までお読みいただきありがとうございました。
本記事は一個人に意見なものであります。
本マガジンでは、メンズ美容ブランドやコスメ業界のマーケティングトレースを定期的にしていけたらと思います。