見出し画像

アダルトチルドレン製造工場「カイシャ」

アルコール依存症のななにいにです。
今度東京大手町の出版社でアダルトチルドレン(AC)に関する書籍の読書会があり、参加することになりました。それで対象書籍を読んでいるのですが、日本の会社組織とACは非常に親和性が高いという印象を受けました。
私の経験と主観をもとに書かせていただきたいと思います。

【ポイント:抑圧の連鎖でACが悪化する】
私は22歳で世界で数万人の社員を有する大企業に総合職として入社しました。同期は男女合わせて約600人おり、私は地方支店に営業として配属されました。
入社直後にはツーブロックをポマードでテカテカに固めた強面の研修部からの厳しい新入社員研修がありました。厳しさゆえに女性を中心に研修中に20人ほど退職した「家族のような」熱い会社です。
支店配属後は「名刺30枚集めるまで絶対帰ってくんな」と朝9時から夜7時まで飛び込み営業を命じられていました。ノルマを達成できなければ上司に机をたたかれて罵倒され、ノルマを達成できれば酒席に呼んでもらえました。
借り上げマンションの寮では先輩社員を朝5時に起こし、いつでも先輩がタバコを吸いに来られるように(自室では匂いが付くため吸いたくなかったようです)マンション寮の自室のカギはかけないように指導されていました。
とにかく営業ノルマに関しては厳しく、若手社員だけではなく、大口の顧客を担当する中間管理職に至るまで必死こいて仕事をしていました。

どうして馬鹿みたいにそんなに仕事をしていたのかというと、かなり高給だったのでその会社にしばらくいたいと思ったからです。しかし、仕事ができなくて怒られるのも嫌でしたし、同期間で比較されて給料に差が出るのも嫌でしたし、出世を後輩に越されるのも嫌でしたので、毎月必死でした。
上記はACの特性と少し似てませんか?親に怒られないように、他の同級生と比較されるのが嫌で、弟妹に愛情を取られないように必死になる・・・。
このような環境下で育った先輩社員の多くが他人の目を異常に気にして、完璧主義者で、感情をうまく表に出せず、権力者に言いたいことが言えず、自罰的で、幸せを仕事以外に感じることができず、社内での人間関係に安心感を持てないために不倫で安心感をごまかし、アルコール依存症の症状を持っている人が多かったように思います。

はじめから全くACのパーソナリティがない人はあまり周りを気にせずにすくすくと育っていきます。私の同僚の多くは大なり小なりACの素質がある人が多かったように感じます。子供のころから「しっかり勉強しなさい」「大企業に入っておけば大丈夫」と親の期待を一身に背負ってそれにこたえようとする、いわゆる「真面目」な人が多かったように感じます。私自身もACは極端に強いわけではありませんがACのパーソナリティが少しあったように思います。
学生時代まではある程度言いたいことは言えて、そこまで抑圧されずに育ってきたものの、会社が「第二の家庭」となってしまいました。罵倒されたり比較され続けることによって、抑圧された人格が再び養われてしまうことになり、アダルトチルドレンとして苦しんでしまう社員が結構いました。私もその一人です。その結果私はアルコールに助けを求めてアルコール依存症者となり精神病院に入院することになりました。酒を口に入れたのは自分なので反省はしてるんですけどね。

今の時代は第二新卒もありますし、専門知識がある人にとって相対的に大企業の年収が高くなくなっているので、職場に違和感を感じたらすぐに転職をするべきなのでしょう。特にACがひどくならないうちに転職を速やかに行うべきだと思います。
私のように社会人になってからACが完成してしまうと、何が真実で何が嘘なのか、自分の真意は何なのかがわからなくなってしまい、身動きが取れなくなってしまいます。

オーナー系企業の話はよく分かりません。私が勤めていた非オーナー系の大企業の場合、6年働いたのち主任→課長→支店長→部長→執行役員→取締役と役職が続いていきます。ACが強くてボロボロになっている人はほとんど中間管理職の「課長」止まりのような気がします。それより上にあがっている人はそれなりに天真爛漫にやっている気がします。出世のために自分を殺して努力した副反応としてACになったのだとしたら、その人は結果的に仕事も家庭も自分の人生も他人に抑圧されてしまいます。会社や人事にコントロールされたままで幸せになることはできません。
社会に出るということは自由に一歩近づくことです。自由になるべき社会に出てから、ACがひどくなるというのは本末転倒です。まだ入社して間もなくて生きづらさを感じている人は一度立ち止まって生き方を考えてみたほうがいいと思います。
日本には100万社会社はあります、今の会社はあなたの墓場ではないですよね?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?