どうしてお酒を辞めないといけないの?
【相談】会社員26歳男性
こんにちは。わたしは酒好きの男です。この世のなによりも酒が好きです。人生最後の日に何をしたいのかと聞かれたら間違いなく酒だと答えます。
特にビールが好きです。ビールでなくても、焼酎でも、しっぽりカクテルをたしなむのも好きです。
実家で両親と生活しているのですが、先日のお酒を飲んで帰って両親とけんかしました。それ以降ガミガミと酒を辞めるように言われます。
アル中で亡くなった叔父と全く同じだと脅されています。
インターネット社会ですので私も気になってアル中について調べました。アル中は手の震えや幻覚が見えて、カネがなくても酒を求める浮浪者のようなイメージでしたが、実際は酒を飲まなければいい人が多く、ななにいにさんのように毎日ブログを更新している人もいます。
酒が一滴でも入ると人が豹変してしまうとのことですが、私はしっかり接待もこなし、会社にも行っているので、アル中の気はあるかもしれませんが、現在アル中ではないと思います。アル中になりそうだと思ったら自分でセーブできると思います。
正直、自分の息子をアル中だという両親にはがっかりしており、家を出ようかとも思っています。ななにいにさんには悪いのですが、私は酒を止められる意志もありますし、酒はコミュニケーションをうまく運ばせる潤滑油のようなものだと思っています。
そもそも酒を断ってどうやって人間関係をうまくやるのですか?
何かを達成した時の祝い酒、カラオケ、乾杯はウーロン茶ですか?、飲み放題コースで一人だけノンアルは損ですし、接待で相手に気を遣わせませんか?、から揚げ餃子にオレンジジュース?、上司や先輩の酒を断れますか?
断酒を掲げる人はコミュニケーションを本気で取ろうとしたことのない人ばかりで、理想論を掲げでそれを人に押し付けているだけだと思います。
人に迷惑をかけるなんて、人は持ちつもたれつなんですからいいじゃないですか、日中の仕事で私は世界中の人たちのために奉仕しているのですから。
アルコール断酒入院中のななにいにさんには申し訳ないのですが、あなたの断酒論をお聞かせいただきたいです。よろしくお願いします。
【ななにいにメンタル兄貴の回答】
あなたの質問を見て、私がお酒を「命の水」だと考えて四六時中飲んでいた時のことを思い出しました。私も入院してひと月くらい経ちますが、神に誓って酒を飲みたくないかと言われたら嘘になります。
でも、目の前に大好きな寿司や馬刺しから揚げがおかれていて、最高級の新政やピノノワールがおいていたとしても手を出さないと思います。たとえ、ビンテージものの、ロマネコンティだったとしてもです。
なんでアル中になるから多量飲酒はやめた方がいいとか、酒を飲むと暴れて人の迷惑になるから辞めたほうがいいと言われるのかというと、ただ単純に「俺に迷惑かけんな」っていうお相手様の都合に尽きると思います。
確かに多量飲酒は肥満、すい臓の炎症、糖尿病、アル中、他人様への迷惑などいろいろデメリットが大きいと言われています、でも酒を辞めた今でも寿司には絶対に焼酎か日本酒、フランス料理にはコースに合わせたワイン、餃子にはビールは欠かせないことを認めます。そもそも、ビールを辞めて乾杯がビールがコーラに変わったところで、それはアル中のリスクが糖尿病に置き換わっただけだと思います。正直食事中のウーロン茶は二郎食ってる時以外認めません。いまは我慢して緑茶で病院食を流し込んでて、味の濃い食事が出ると絶対ビールを思い出します。
結論、すべての責任と罪の埋め合わせを自分で行えるのでしたら、全然多量飲酒を続けていていいと思います。むしろ、酒を飲んだ方が人生は華やかになりますし、飲み屋の収入も上がって、財布からジャンジャン金が飛び出して社会も潤います。
でも、私は自分で自分が犯したことの埋め合わせをすることは難しいと思いました。当時、私がアルコール病棟に運ばれてきたときには、家庭内不和と仕事がうまくいかないストレス、カネのトラブルなどでアルコール性うつを発症していました。
もともとADHDで相談していた付き合いの長い心療内科の先生には、うつ症状がひどすぎて過剰なほどの抗うつ剤を出してもらってました。
ADHD薬はドパミンの再取り込みを緩やかにさせたり、ドパミンの受容体を活性化させることで元気に動けるようになる薬を出してもらってましたので、飲んだ瞬間コレだ!と思えるような効果を感じることができましたが、抗うつ剤は何とも効いてる感じはなく、先生と一緒に悩みながら、睡眠薬の量だけが多くなっていきました。
先生も最初から多量飲酒に関して気にしているところは多かったのですが、酒を辞めるのが嫌でしたし、とくに酒が問題だという認識もなかったので酒のことは正直に言いませんでした。
いま入院しているアルコール依存症病棟に入院しているのも、もともとはうつ病の休息入院のつもりでした。うつが治ったらさっさと働きたいということで、当初は3か月のコースを私のわがままで1.5か月に短縮させてもらうことで合意していました。
でも、入院して約一か月、アルコールをはじめとしたあらゆるドパミンが出るものを断って思います。酒を辞めて幸せだと。
具体的に断ったはタバコ、糖質、酒、スマホ、ネット、漫画、ニュース、SNS、テレビです。問題は酒だけとは考えなくなり子供とのビデオ電話やAA(アルコホール・アノニマス・・・アル中患者の会合みたいなもの)のビデオ会議すらも断ってます。ひたすら、本を読んだり、日記を書いたり、筋トレしたり、ななにいにブログのネタを考えたり、授業に出たり、看護師さんや患者さんと会話して一日を過ごしています。
働いてなくてストレスがないから幸せなんじゃないかと思われるかもしれません。実際それはあると思います。
でも、私は激しいワーカホリックでした。家族の幸せよりも家族の悲しみよりも私の仕事の成功失敗の方が感情の起伏が激しかったのです。
人生のすべてが仕事でした。実際ユニクロ柳井会長、日本電産永森社長、ソフバン孫社長、キーエンス故滝崎社長、みんなワーカホリックじゃないですか。ゼロから事業を立ち上げた世の中の99%の社長さんたちは少なからずワーカホリックだと思っていました。そして奥様の献身的な支えがあった。
私は、そこそこの稼ぎもありましたが、それでは足りず、週刊誌やセミナー、お客様の接待費にカネと時間をすべてつぎ込んで、家族に対しては全部うまくいって成功した後に、無限の金銭的時間的自由をもって埋め合わせしようと考えていたのです。
結果的に今はかないませんが、退院した後再起を図れば可能かもしれません。でも、多分そんなことは私はしないでしょう。気づいたんです。今の時間、家族と一緒に過ごすことができるのは今という一瞬しかないということです。子供は大きくなりますし、私も妻も年を取って体力気力が落ちていきます。お互いの実家の両親にも会える機会は多くないと思います。だから、いま何をすることが自分の幸せなのかということを考えるようになりました。
アル中になってひどいことになった人、ならなかった人、いろいろいるでしょう。特に結婚してなかったり、実家がそれなりに金持ちで金も帰る家もある人はアル中の恐ろしさに、もしかすれば程度こそあれど全く気付かずに、人生の勲章程度に思って生涯を終える人もいるかもしれません。
酒を飲んで運転したり、飲んじゃいけないところで飲んだりしなけりゃいいのです。役に立つ部下を護衛につけて人に迷惑をかけないようにしてもらえば多分傷つくのは自分だけで済むと思います。
まあ、これも程度こそありますが、少なくとも大酒飲みはメンタルをやられる可能性が大きいです。酒を飲んだ時に新しい発想が生まれるというのはドーパミンが出まくって統合失調症患者のように幻聴厳格が見えたり聞こえているような状況ですので、芸術家にそういう人は多くあり、似ているっちゃ似てるので、その発想一つで飯を食っていけるならいいと思います。私もそう思っているときはありました。
でも、多分それはその一発だけです、二発も三発も思いつくものであありません。その一回だけが美化されています。
大酒飲みは酒を飲んで調子を崩してそれを補うために酒を飲み、やらかして酒を飲むことを我慢してその我慢を晴らすために飲んでと一生飲み続けることになります。
私は断酒をすすめますが、断酒を矯正できる立場にありませんし、退院してまた働き始めたらすすめられるがまま酒を飲んでスリップするかもしれません。何も言える立場にないことは理解しています。
ただ、私は今、コロナ禍に病院が心底ビビって(ここだけが不満)外に出ることも家族に会うことも叶いませんが、ここで出会った看護師さん含めた友人たちと心から酒を飲まない人生を楽しんでいますし、退院後多くの迷惑をかけた友人家族に罪の埋め合わせを行えると思っています。
完全に私の個人的な意見ですが、本当に行くところまでいかないと断酒の決意はできないと思います。まだ若いですので、実害が出るまで、まだまだガンガン飲んでもいいと思いますよ。
また酒に悩んだことがあればご連絡くださいね。
ご相談、ご質問はななにいにtwitterまでお願いします。
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