僕の愛した飲み物が、伝説的な失敗とされているらしい
どうも、僕の好きなものは、販売終了になるな。
と思いつつ、「そういえば・・・」と幼い頃に思いを馳せた。
僕はコーラが小さい頃からあまり好きではなかった。
どちらかといえば、ドクターペッパー派。
コーラに関しては、今でも、ビル・ゲイツが飲むと聞いては飲み、孫正義が飲むと聞いては飲んでみたけど、その一本で終わり。
続かない。
ペースとしては、年1くらいか。
そんな僕には、「美味い!もう一生、これを飲んでいこう」と決めた飲み物があった。
それが「タブクリア」。
ある日、大々的に発表された、この飲み物。
飲んでみると、まさにドンピシャだった。
周りの友達は「マズイ」と言っていたが、僕ともうひとりくらいは「美味い」と言っていたような気がする。
あの頃、自販機は100円で、その100円もあまり持っていなかったのだけど、親の何かの気まぐれで100円が手に入った時は、もう「タブクリア」一直線だった。
まあ、あの頃、ドクターペッパーも消えていたし、僕が好きなものは何もなかったところに、タブクリアの登場だ。
遊び疲れて、のどが渇いて、「何か飲もうぜ」となったら、以前は「俺はコーラ」とかいうやつを尻目に、「あー、何にしようかな・・・。ドクターペッパーも無いし・・・」となっていたが、今度は違う。
「俺は、タブクリア。お前、コーラなんて遅れてるな」
とドヤ顔だった。
その先進的に見えた、未来感あふれるパッケージは、コーラを時代遅れに見せた。
少なくとも、みんなのコーラと同じくらいの飲み物が、ついに僕にも見つかったなと思っていた。
だけど、だんだんと売っている自販機が少なくなり、売っている自販機を探し求めた。
「せめて、タブクリアのある自販機まで行こうぜ!」
しかし、それもだんだん無くなっていった。
コンビニなどは少ないあの頃、それでお別れ。
ドクターペッパーもなく、タブクリアもない。
僕はその後、何を飲んでいたんだろ・・・。
・・・
以来、30年くらいか、「タブクリアってあったよな」とおぼえていたのだけど、「ネットの時代なら、あるかも」と思って、ウキウキで、さっき調べてみたら、
「伝説的な失敗とされたタブクリア」
という文字が飛び込んできた。
メーカー側も「失敗」と認識しているらしい。
嘘だろ。
もちろん、売っているはずもない。
・・・
そういえば、僕の愛するものは、すべて販売終了になってしまう。
一時期、ある喫茶店の「トアルコトラジャ」というコーヒーにハマった。
「絶対、トラジャとか、あだ名をつけられているよ」という妻のいじめにも負けず、僕は毎日通い、「トアルコトラジャ」と言い続けた。
別にあだ名をつけられてもいい位に愛していた。
トアルコトラジャは別にマイナーなコーヒーでもないし、あのキーコーヒーが扱っているから無くなることはないだろう。
と思っていたら、その喫茶店がつぶれてしまった。
コーヒーは淹れ方も大事。
その喫茶店のトアルコトラジャが良かったのに・・・。
こんなことが何度あっただろうか。
呪われているのか?
・・・
そして、今、僕は「ハッピーターン 梅味」にハマっている。
僕は梅干しとかはあまり好きではないけれど、「梅味のお菓子」がなぜか好き。
この時期にしか出会えないこともあり、ハッピーターン梅味は、もう7袋目だ。
買い支えてやる。
いや、買い支えてやりたいが、資力とともに、体力にも限界がある。
おじさんはすぐに生活習慣病に掛かってしまうからな。
できれば、定番化して欲しいが、ダメでも、来年も発売して欲しい。