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待ち合わせは仮想世界?メタバースは教育を変えるか

こんにちは。特別支援学級教員13年目のMr.チキンです。不安定な天気の日が続き、それに伴ってランニングができない日も続いています。今日は、巷で話題のメタバースについてお話をしたいと思います。

メタクエストってご存知ですか?

みなさん、メタクエストってご存知ですか?旧Facebook社が販売しているVR(仮想現実)ゴーグルです。(ちょっと前まではOCULUS QUEST:オキュラスクエストと呼ばれていました。)

上の写真のようなゴーグルを頭につけると、目の前に仮想現実空間が広がります。
例えば、下の動画のように、数畳の我が家のリビングが、和の情緒あふれるお座敷に早変わりします。

首を動かしたり傾けたりすると、仮想世界も連動して動きます。なので、まるでその世界に自分がいるような没入感に浸ることができるのです。
昨年8月、ラジオを聴きながら走っていると、このVRゴーグルの話題が出ていて、興味津々になり、妻を説得して購入しました。なんだか教育が変わりそうな気がして

教室がエジプトに?:映像を超えた視覚化

GIGAスクール構想で、一人一台タブレット端末が届くようになりました。
その中で感じるのは、映像の与える影響の強さです。
例えば、給食で”世界の給食”という企画があります(栄養士の皆さん、ありがとうございます!)。その時には、私の教室ではみんなでYouTubeで調べた海外の映像を見てから給食を食べます

「タイに行ってみたいね。こんなきれいな景色を見ながら、おいしいもの食べたら最高だね。」

普通の映像であっても、子どもたちの世界への興味は強まります

それでは、VRゴーグルではどうでしょうか。YouTubeには360度動画というものがあります。VRゴーグルをつけると、目の前にエジプトの世界が広がります。まるで自分が観光客になったかのように、その世界を見渡すことができます。映像の中の”自分が見たい場所だけ”を見ることができるのです。

パソコンでも360度動画は体験することができます。上の動画をドラッグしながら見てみてください(YouTubeサイトに移動して見る必要があります)。
通常の映像では、編集者の意図したところのみを見せることになります。一方、VRゴーグルや360度動画は、子どもが興味をもった部分にフォーカスして見ることができます。より、子どもの主体的な学習が促されるのではないでしょうか。

教室で卓球ができるかも?:準備の簡便化

VRゴーグルをつけると、自分の部屋を卓球部屋にすることもできます。
(遠くには連峰が見える素敵なお部屋です)
実際の卓球と同じように球に回転をかけることもできます。
今までは

  • 広い教室を確保しなくてはいけない

  • 卓球台の準備をしなくてはいけない

  • 子ども同士だとラリーが続かなくて、途中からイヤになってしまう

などの高いハードルから、卓球はクラブだけということも多くありましたが、それらの問題も解決してしまうかもしれません。

崖にだって登れちゃう:追体験の可能性

自分が絶対に出来ない経験も、VRゴーグルを通してできるようになります。
例えば、

このように、崖に登って景色を楽しむことだってできるのです。

今どきの子は仮想空間で待ち合わせをする

今、子どもたちに話を聞くと、

今度、Aくんとフォートナイトで待ち合わせするんだ。

という言葉を言う子がいます。フォートナイトとはニンテンドースイッチなどで展開されているゲームです。

フォートナイトとは、様々な体験ができる世界です。島へ上陸して、最後まで生き残ったプレイヤーまたはチームを目指しましょう。自分のルールで自分だけの島を作り出すこともできますし、他の誰かが制作した島でフレンドとプレイすることも可能です。モンスターの群れを相手に戦う「世界を救え」モードもあります。

このように、本来は”最後まで生き残る”ということが目的のゲームですが、今の子どもたちは、

このようなヘッドセットをつけて、それぞれの子どもの家から通信で話をするためにフォートナイトの世界に入るようです。まさに、待ち合わせ場所が”公園”から”仮想世界”に移行していっています。公園にゲームを持って行っていた時代から見ると、かなり変わっている気がします。
ひょっとすると、子どもたちが公園や空き地から追い出されているのかもしれません。現実として、そのような傾向はあります。
メタクエストでは2022年8月18日現在、フォートナイトのソフトはリリースされていません。ただ、似たように待ち合わせのできるソフトとして、”VRチャット”というソフトがあります。

このように、ユーザーはそれぞれアバターを選んで仮想世界に入り込みます。今は英語圏や中国語圏が多いですが、日本に進出する時も近いでしょう。

上記記事では、仮想世界での就労支援を行ったということが書かれています。
対面が苦手でもアバターなら大丈夫。これは学校教育の不登校にもありえる傾向だと思えます。どこまで学校が柔軟に対応できるかが問われているかもしれません。

このような現実を教育はどう受け止めるか

このように、メタバースの世界はすでに迫ってきています
子どもたちに接触する日も近いのではないでしょうか。

上の画像は文科省が情報モラル教育の必要性を説明している画像です。
VRゴーグルは

  • 映像を超えた視覚化

  • 準備の簡便化

  • 追体験の可能性

など、教育の可能性を大きく広げることが考えられます。

S高説明サイトより

実際に、S高等学校という通信高校では、VRゴーグルを使って授業を行っているようです。

一方で

こちらは文科省の情報モラル教育を説明している画像です。

  • 大人の知らないところでのコミュニケーション

  • 児童生徒の行動が把握できない・・・

  • 新しいメディアの特性の理解不足

によって、適切な指導が困難になるということが書かれています。
おそらく、VRゴーグルはその困難さをさらに拡大するでしょう。
”VRで行われる追体験は子供の成長にどのような効果を与えるのか?”等の検討課題もあります。
新しいメディアに対して、どのように向き合っていくのか。メリットはどこで、デメリットにはどのようなものが挙げられるのだろうか。
子どもたちがまだVRに接触する前の今だからこそ、教育はそこに向き合っていく必要があるかもしれません。
では、またね~!

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