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急にホテルに泊まる
休職を始めた頃、周りに「実家に戻らなくて良いのか」と聞かれたことがある。かくいう実家は今の一人暮らしの家から歩いて30分ほど、車でピックアップして貰えば10分もかからない距離である。
コロナが広まり始めてから一人暮らしを始めて、一人暮らしの家はずっと自分の仕事スペースでもあった。だから、仕事の記憶がこびりついている場所に居続けない方がいいのでは、とのことらしい。
ごもっともな話である。
ただ、今の家は大変気に入っていて、好きなものを並べに並べている。一度根を張るとよほどのことがない限り環境を変えたがらない煮えくりまくりのカエルタイプなので、まあ少しだけ模様替えはして実家にはたまに夕飯だけ食べにいく程度の距離感のままである。
とはいえ、休職の間ずっと同じ家にいるのもなあというのと、久しぶりに1人でどこかにいきたいなあというのと、部屋の掃除とかご飯の帰宅の追っかけっこから少し離脱したいなあというのが重なって、都内のホテルに一泊してきてみた。
もとよりホテル泊が好きな方である。分厚くて水分をやたらよく吸うバスタオル、こだわりがあったりなかったりするアメニティたち、厚みのあるベッド、朝ごはんのビュッフェなどなど。たとえそれが都内のホテルだとしてもわくわくせざるを得ない。
先日泊まったのは三井ガーデンホテルの神宮外苑にあるもので、心地よい静けさといい感じのインテリア、広い大浴場と一階のレストランバーから提供してもらった夜ご飯も朝ごはんと良いものだった。たまらん。
1人で泊まったから好きなだけホテルの中を練り歩いて、ひっそりと自分用に写真を撮って、好きなだけ風呂に入ってぼんやりドラマを見た。
不眠症極まれりの時期だったから、変な時間に起きてタイムラプスを取り始めて、雲ひとつない朝焼けの空を動画にしたりもした。
日常のルーティンが自分を保ってくれていることもあるけど、あまりにも保たれすぎていると「保たれていること」そのものを忘れてしまう。こんな感じでどこかに泊まって、他の人の仕事に自分の衣食住を任せて日常のルーティンを壊すと、ああ自分のリズムはこうだったかと自覚できる。