浦安市をさんぽして考えたこと
浦安市をこの前散歩した。ディズニーランドのある北口ではなく、舞浜駅の南口を降りた。
浦安は埋立地であり、住宅地である。1970年代頃から現在の姿になったのだろう。整然とした区画で、あまりに、人工的な街並みに驚く。ニュータウンとて、ここまで人工的な印象なところは少ないと思う。埋立地特有の平坦な地形の印象もあるだろう。
最近浦安市では宿泊税を導入するらしい。どういう財政状況なのか気になりながら、図書館や市役所のあたりに赴く。
着いて驚いた。行政施設とは思えないくらい立派な建物だ、というと言いすぎかもしれないが、少なくとも私の地元のベッドタウンよりも余裕がありそうな建物の綺麗さである。
浦安市、宿泊税導入へ ディズニーとベッドタウン両立:日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC092I70Z01C24A1000000/
調べてみると、浦安市の財政力指数は全国でもかなりの高水準だった。TDRの存在も、現役世代の住民の多さもとはいえ、インバウンドから税収を確保できるのであれば宿泊税はいい考えだと思う。我々庶民はディズニーランドにますます行きづらくなるけれども。
豪華な郷土資料館で浦安市の歴史を見る。こういう郷土資料館はなぜあるのだろう。現在の浦安市の住民のほとんどは、この場所にルーツがあるわけではないだろう。今は20万人もの住民が住むが、かつては2万人程度の人口だった都市である。
もともと浦安市は漁業の土地だったようだ。高度経済成長の中で、鉄鋼業の街になり、住宅地になり、ディズニーリゾートになる。当然その過程では衝突があっただろう。黒い水事件という、製紙工場と漁民の間での公害問題が1958年にあったらしい。郷土資料館では主に、漁業に使ったであろう船が展示されている。博物館はなんだか、工業化前の浦安市を祀る宗教施設のようだと思った。
浦安市という街を見るときには江戸から明治の断絶よりも、戦前から戦後の断絶の方が大きいという印象も持った。これもどうしてなのだろう? 高度経済成長という現象を私があまり理解していないのだなと思う。
家に帰ってから、自分の住んでいるところも含めて23区の財政力指数も調べてみた。港区が高く、葛飾区や荒川区が低い。新宿区と渋谷区にも大きな違いがある。人口の多い世田谷区はちょうど真ん中くらいだ。どういうファクターが財政力指数には影響を与えやすいのだろうか?
都市における博物館の役割、高度経済成長の背景、地方自治体の財政と色々なことを考えられて楽しかった。私は、観光地よりもこういうニュータウンについて考えるのが好きなのかもしれないと思った。また、ニュータウンさんぽしたいな。たまプラーザでも行ってみようかな。