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はじめまして。

ハラダクミコ(原田久美子)です。
慶應義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムの研究員として、ドローンから未来を考えるPBL教育を企画、公教育の場で実践しています。
そして、今年の1月に神奈川県鎌倉市でMQ LABOという学びの場を立ち上げました。

この場所で語ることは主に3つ
・実践している教育活動について
・鎌倉市大船地域を起点とした学びの企みについて
・私がこれから立ち上げようとしている事業について

これらに関して、発信をしていく予定です。

初回は私の自己紹介も兼ねて、なぜ学びをテーマにした活動に至ったのかを書こうと思います。


まず先に言っておきます。
元々この界隈の分野にいたわけではありません。別畑にいました。

私の専攻は化学、しかも超絶マニアックな固体触媒の研究。
クロスカップリング反応であるHeck反応を選択的に合成、かつ再利用可能なPd触媒の研究をしていました。
社会に出てからは半導体製造用の化学薬品の開発をしていました。
なぜそこから、ドローン?教育?誰もがそう思うと思います。
色々な巡り合わせの結果、私は今ここにいます(笑)。

何かこの世に製品を生み出したいという思いから、化学の道へ進みました。
時は2004年、就職超氷河期です。1000人以上の企業の就職求人倍率は0.56倍、内定率50%前後の時代でした。
就職かドクターか迷った結果、就職を選びました。

就職活動は苦戦しつつも、開発者になりたいという軸は絶対に外さず化学メーカーへの就職がきまり、研究開発の道へ。
大学時代も苦手だった半導体分野での研究開発は苦しくもありましたが、とても楽しかったです。
そして念願だった自分が開発した製品も世に出すことができました。

後輩もでき、教える立場が増えつつあった30歳の時、ふと
「あれ?私ここからの10年はどういう仕事をしていきたいのだろうか?」
「リーマンショックもあったし、大きな会社=安定だと思ってたけど、それって神話レベルじゃないの?」
と思うことが増えました。
何かできるんじゃないかと思う、アラサーあるあるですね。
またプライベートでは妊娠もわかり、悩んだ結果、思い切って一度キャリアを捨ててみようと思いました。

出産して1年、やはり専業主婦でいることに私自身がストレスを感じてしまい、少しずつ在宅でできることから仕事を始めました。
この時初めて研究という職場以外の仕事をしたかもしれません。「世の中を知らなさ過ぎました」と思った社会復帰後の2年でした。

子供が幼稚園に行き始めた頃、ふと小学校の理科支援の募集を見かけ
「私の経験が生かせるかもしれない。」
と軽い気持ちで応募し、公立の小学校で勤務を始めました。
保護者でも先生でもない、第3の立場で俯瞰的に小学校の現場や子供達を見ることができたのは、今の学びの活動をスタートするきっかけになっています。
こちらに関しては、実践している教育活動の記事の中で詳しく書いていこうと思っています。

小学校で働きつつも、学校現場で感じる違和感をどうしていいのかわからずにいた時に、偶然見かけたのが「ドローン社会共創コンソーシアムの事務局スタッフ」の求人。

「ドローン」「ロボット」に興味のある方募集しています、とのワードに、
新しい世界を見る機会をもらえているのかもしれないと漠然と感じ、SFCの場所すら知らない状態で応募をしました。
今振り返れば、全く分野の異なる変なことを言うオーバーエイジ枠をよく採用したなとも思います。

そこで、ゼロからドローンを学び、秘書業務(今でも苦手ですが)を学び、今は研究員として自分の得意を活かして活動をさせてもらっています。
コンソーシアムの教授陣を持ち上げる気はないのですが、活動を許可してくださっていることは、本当に心が広いなと思います(私なら、え?本当に大丈夫?と思わずには居られないです)。
この活動を起点として、この2年で様々な方々とご縁をいただき、地域問わず公教育の現場で「ドローンxみらい教育」という教育プログラムを実践している状況です。

私が学生の頃は、偏差値や学歴ありきの数値社会でした。
とにかくテストでいい点をとって、いい大学を目指して、いい企業に入れば、それなりに暮らしていける、そんな未来予想図を描いていた人が多かったのではないでしょうか。
「なぜ学ぶのか」という意識は、受験戦争の中、一旦どこかに消し去っていたのではないかと思います。

これからの社会、一生安定ということはありません。
終身雇用も崩壊し、企業寿命もどんどん短くなっています。
強い言い方をすれば、言われたことだけをやっていても社会では通用しない、厳しい世の中にシフトしつつあります。

そのような世の中で学ぶということは何なのか。
何のために学ぶのか?
why this
why now
why us

学生の頃にこの問いに答えてくれる大人が1人でもいたら、もしかしたら私は今ここで活動をしていなかったかもしれません。

社会の状況が目まぐるしく変化していく中、教育の中身が変わらないでどうするのか。大枠が変わっても具体的にはお任せしますという状況で、現場の先生も苦しんでいます。
また、この20年で先生や学校という立場が大きく変化しました。
現場では、まるでサービス業のような状況だと悲しく感じる場面もありましたし、心の病気になってお休みを取られる先生も目の当たりにしました。
先生方もこのような事がしたくて先生になったわけではないだろうに、と内心思っていました。

学びの現場は変えれない、変わらないと嘆くのではなく、変われる要素はまだまだあると思います。
クローズな場からオープンの場へ。
できることはサポートする人がいたっていいじゃないか。
それができないっていう仕組みがそもそもおかしいのではないか。
一個人として思うことは多々あります。
けれども外野から疑問を言っているだけでは何も変わらない、実際に行動に移してみるしかない。
現場の声を聞きながら、一緒にできることを考え実践する、そんな第3者がいてもいいのではないか。
そのような考えから、慶應の研究員と並行してMake Questions Laboratory=MQ LABOを立ち上げました。

場所を問わず、子供達と一緒になって未来を考える場を作りたい。
待つのではなく、自ら行動する意識を持ってもらいたい。
未来を作る中心は、私たちではなくあなたたち。

「Education throughの学びから未来の選択肢が広がる。」
このようなビジョンに向かって活動をスタートしています。
少しでも思いに共感してくださる方がいらっしゃったら、とても嬉しいです。
ぜひ一緒に何かを生み出していきましょう!