アクティブ・ラーニングを導入する
アクティブ・ラーニングを導入することは、学習効果を高めるための重要な手法の一つです。
そもそもアクティブ・ラーニングとは何か?からの具体的な手法、導入時の課題と対策などについて書いてみたいと思います。
1. アクティブ・ラーニングとは
アクティブ・ラーニングとは、学習者が主体的に学び、知識を深めるための教育手法です。学習者が講義を受け身で聞くのではなく、ディスカッションや問題解決、グループワークなどを通じて積極的に学習に参加します。対話的で主体的に学習に参加することで深い学びを得る環境を提供しようというもの。
大学の講義が受け身の形式で進む形式なのを何とかしましょうとして耳にするようになった言葉でしたが、小中高でも取り入れなければという風潮になったように記憶しています。
受動的な学習とは異なって、アクティブ・ラーニングでは学習者が中心となり、教師はファシリテーターとして学習の進行をサポートする形式になります。
2. アクティブ・ラーニングの手法
アクティブ・ラーニングにはさまざまな手法があります。以下に代表的なものを紹介します。
ディスカッションとディベート: 学習者同士がテーマについて意見を交換し合うことで、多角的な視点を養います。ディベートでは、論理的な思考と説得力を高める練習となります。
グループワークとコラボレーション: 学習者がチームを組んで課題に取り組むことで、協働作業のスキルを育みます。異なる意見を調整しながら目標を達成する経験が重要です。ペアやグループを作るのが苦手な僕にとっては地獄のような時間でした(笑)
問題解決型学習(PBL): 現実の問題を題材にして学習を進める手法です。学習者は問題解決に必要な知識やスキルを自ら探求し、適用することで実践力を身につけます。
フリップド・クラスルーム: 反転授業とも呼ばれる手法で、学習者が授業前に教材やオンラインスクールで自主的に学び、授業中はその知識を基にワークやディスカッションを行う手法です。これにより、授業時間を有効活用できます。
3. 授業への組み込み方
アクティブ・ラーニングを授業に組み込むには、いくつかのポイントがあります。
学習目標と合っているか?: アクティブ・ラーニングの活動は、設定した学習目標と一致していることが重要です。具体的な目標に基づいたワークを設計することで、効果的な学習が実現します。
教材とワークの設計: 学習者が積極的に参加できるように、魅力的で意味のある教材とワークを準備します。例えば、ケーススタディやシミュレーションなど、現実的で実践的な内容が有効です。
テクノロジーの活用: オンラインスクールやITツールを活用することでアクティブ・ラーニングの範囲が広がります。掲示板システムやMioなどオンラインディスカッションツールを通じて、学習者同士の交流を促進することができます。
4. アクティブ・ラーニングの効果
アクティブ・ラーニングを導入することで、以下のような効果が期待できます。
学習者の主体性とモチベーションの向上: 学習者が主体的に学ぶことで、学習意欲が高まり、授業への参加意識が向上します。
思考を外化できる: 頭の中だけで考えていることを、言葉を話すことや書くことで、見えるカタチにできる。思考内容を自己観察しやすくなり、気づきや発見を促せる。
学習成果の評価と改善点: 多様なワークを通じて学習者の理解度を評価し、必要に応じて個別指導やフィードバックを提供することで、学習成果を向上させます。
5. 導入時の課題と対策
アクティブ・ラーニングを導入する際には、いくつかの課題が考えられます。
教師の役割とファシリテーションのスキル: 教師は教える役割から学習ファシリテーターとしての役割になるために、効果的な質問の投げかけやディスカッションの進行スキルが求められます。これらのスキルを向上させるための研修やトレーニングが必要です。
学習者の抵抗と対処法: 受動的な学習に慣れている学習者は、最初はアクティブ・ラーニングに抵抗を感じることがあります。初めは簡単なワークから始め、徐々に難易度を上げることで、学習者の適応を促します。
評価の一貫性と公平性の確保: 多様なワークを評価する際には、評価基準を明確にし、一貫性と公平性を保つことが重要です。何を持って学習目標を達成したのかを、自分でも他者からでも明確に測定できるものを用意する必要があります。
まとめ
アクティブ・ラーニングを導入することで、学習者の主体性を高め、理解を深めることができます。学習目標に合わせたワークの設計や、ITの活用、効果的なファシリテーションを通じて、より効果的な学習環境を提供し、教育の質を向上させたいですね。
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