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「できない」から「できる」になるまで

最近の趣味はアラブの打楽器のひとつ「ダラブッカ」を練習することです。
スマホでオンラインスクールを見ながらコツコツ練習をして、日曜日に同じ趣味をもつ人たちで集まってビーチで一緒に叩いたりしています。

さて、こうした「筋肉を使って体を動かす」「コントロールする力を習得する」は運動技能の学習と呼びます。
「わかる」のと「できる」のは違います。知識の学習と運動技能の学習ではやること、アプローチが変わります。実際にやってみる必要が出てきます。

この運動技能の学習は何がゴールになるでしょうか。
どんな状態になるのかを明確にしないと、
ただ闇雲に練習して
ゴールしたかどうか分からない状態になりかねません。

ゴールを考えるときに1つ判断軸になるものがあります。
学習の5段階レベルと呼ばれるもの。

1段階:知らないしできない(無意識的無能)
やり方がわからないからできない状態。できないことも知らない状態。
学習のスタートラインです。
僕であれば、太鼓の叩き方を知らないから、音を出すこともできない状態からでした。

2段階:分かったけどできない(意識的無能状態)
知識は得た状態です。でもできない。挫折しやすい時期なので注意です。
僕はダラブッカのオンラインスクールを見て「そう指を使えばいいのか」「そんなリズムがあるのか」と知りはしたけど、実際に叩いてみたら全然音が出ないし、リズムに体がついていかなくて混乱しちゃっている状態です。

3段階:やれるときもある(意識的有能状態)
何度も練習をしてきて、ある程度できるようになってきた状態です。
でも集中すればできても、集中や意識が外れると失敗してしまう不安定な状態なので、まだまだ初心者クラスです。
僕の太鼓の練習は、日曜日に仲間たちと集まって叩くのですが、ここで最近のトピックを話しながらリズムを叩くという練習があります。
叩き方に集中している時はできるのですが、関係ない話をしながら叩くことは本当に難しいです。体に染み付いていないと、それについて考えながらでないとできない。脱初心者まであと一歩の状態です。

4段階:無意識でもできる(無意識的有能状態)
意識しなくてもできる状態です。手元を見なくてもできたり、別のことを考えながらでもできるような状態。
僕であれば、叩いていることを意識していないけど、叩けている状態です。運動技能の学習のゴールの1つです。

5段階:人に教えることができる(無意識的有能を意識的に)
当たり前にできることを、「どうやっているのか?」を意識して標準化して、人に教えることができる状態です。これができると練習してきたことをお金に変えることができる状態でもあります。
僕であれば、これからダラブッカをはじめる人に、最初のコツをアドバイスしているような感じ。

現状はどの段階にいて、次はどこを目指すのか。
そのために必要な練習は何なのか。

ぎこちない状態から洗練された状態になるような、単純なスキルの習得であればひたすら練習の積み重ねでいいです。

それでゴールできないなら単純スキルではなく工夫が必要。
考える必要性が出てきます。運動技能の学習でも。

やってみてフィードバックが必要です。
チェックリストを使うなどして自己フィードバックもしてみる。
メタ認知が有効です。
前の状況と今の状況は何が違うのか。
何を変えてやるべきか?
前と同じでもいいのはどの部分か?
必要があれば、講師からもフィードバックする。でも先に自分で考える時間をとることが大事です。言われたことをただ練習するだけでは上達しきれないから。目の前で練習してもらっている時しか上達が見込めないですしね。

やってもらっているのにできない。
自己練習してこない。
そんな時はメタ認知が足りていないのかも知れません。
今は何点だったか?何が良かったか?改善案は何にするか?

練習を重ねてスキルを磨くときほど、
考える力を鍛えていこう。

「何を意識して練習をしますか?」

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