インストラクショナルデザインとは
どうやって講座を作ったらいいの?とよく相談をもらいます。対面講座に忌避感が低くなった最近では、オンラインスクールの作り方より増えてきた感じ。
大きく分けると、
・自分の強みを活かしたテーマは何?
という相談と、
・テーマはあるんだけど、どう作るの?
という相談に分けられます。
どう作るの?に対しては、
インストラクショナルデザインを元に
設計の仕方をステップバイステップでレクチャーしています。
<インストラクショナルデザインとは?>
インストラクショナルデザイン(Instructional Design)は、魅力的で効果的な教育やトレーニングの提供を目的としています。
学習者のニーズに応じた教材やプログラムを設計するプロセスです。
ここでざっくり5つの項目を紹介します
<1. 明確な学習目標の設定>
インストラクショナルデザインの最初のステップは、明確な学習目標を設定することです。
学習目標とは、学習者が何を学び、どのようなスキルを身につけるべきかを具体的に示します。
目標が明確であれば、学習者は何を期待されているのかを理解しやすくなり、学習の方向性が明確になります。
学習目標を設定する際には、SMART(Specific, Measurable, Achievable, Relevant, Time-bound)の原則に基づいて書くことを意識しています。
例えば、「1か月以内に特定のプログラミング言語で基本的なアプリケーションを作成できるようになる」といった具体的かつ測定可能な目標が適切です。
特定のって何?基本的とは?を掘り下げてもっと具体的にすれば、誰にでもその目標が達成されたかどうかを計測しやすくなりますね。
<2. 学習者分析>
次に重要なのは、学習者の分析です。
学習者は何を求めているのか?
その背景にあるものは?
既存の知識やスキルのレベルは?
学習者のことを理解することで、適切な教材や学習活動を設計することができます。
そもそも初心者向けのコースと上級者向けのコースでは、提供する内容やアプローチが大きく異なりますしね。
学習者分析には、想像でやるのではなく、実際に耳を傾けることが必要です。
アンケートやインタビューを活用することが効果的です。ランチ会を開いて雑談の中から聞いてみるのもオススメ。
また、学習者の得意な学習スタイル(視覚型、聴覚型、身体運動型など)を考慮することで、より効果的なインストラクションを提供できます。
<3. 適切なコンテンツの選択>
学習目標と学習者のニーズに基づいて、適切なコンテンツを選択することも重要です。
ここでは、必要な知識とスキルを特定し、それらを論理的かつ系統的に整理します。例えば、複雑な概念を理解させるために、基本的な概念から徐々に難易度を上げるといった方法などです。
コンテンツを整理する際には、各ステップをミニ講座のように部品化すると、組み立てや編集がしやすくなります。こうした部品化した単位をモジュールと呼ばれたりします。
分割することで小さなゴールテープを作ることにつながるので、学習者が内容を消化しやすくなります。
各モジュールはミニ講座なので、一貫性を保ちながらも独立して学べるように設計することが理想的です。
<4. 効果的なインストラクションの設計>
効果的なインストラクションを設計するためには、教材の開発と使用するメディアの選択が重要です。
例えば、テキストベースの教材だけでなく、ビデオ、音声、インタラクティブ(双方向にやり取りがある)なシミュレーションやワークなど、多様なメディアを活用することで、学習の効果を高めることができます。
さらに、一時期日本で大流行りした言葉「アクティブ・ラーニング」の手法を取り入れることで、学習者が主体的に学び、対話的で深い学びを得ることができます。
ディスカッション、グループワーク、問題解決型学習(PBL)などがその一例です。
一方的に講師が説明し続けるような講演会スタイルの講座にはしないということです。
<5. 評価とフィードバックの重要性>
学習成果の評価とフィードバックの提供が欠かせません。評価は、学習者がどの程度学習目標を達成したかを測定する手段であり、テストや課題など、何かしらをアウトプットしてもらうことなどが一般的です。
評価の結果をもとに、学習者には具体的なフィードバックを提供し、理解度やスキルの向上を図ります。
フィードバックは、学習者のモチベーションを高め、次の学習ステップに進むための重要な指針となります。効果的なフィードバックは具体的かつ建設的であり、学習者が自己改善に取り組むための助けとなります。
オンラインスクールでは実現が難しい、リアルタイムでのフィードバックが、対面講座ではしやすいのが、対面のウリかなと僕は思っています。
<まとめ>
インストラクショナルデザインの基本的な原則を実践することで、学習者にとって効果的かつ魅力的な学習体験を提供することができます。
経験とカンと度胸だけに頼った講座設計ではな
く、学習者に寄り添った質の高い教育を目指していきたいたいですね!
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