内発的動機づけと学習への愛の発達
学習者中心の教育は、この二つを育むことに大きな価値を置いています。
内発的動機づけとは、学習者自身が興味や好奇心から学びたいと感じる状態を指します。例えば、子供が新しい遊び方を自ら見つけたり、大人が趣味の本を熱心に読むことが内発的動機づけの一例です。これは、外部からの報酬や評価による動機づけよりも強力で持続的な学習を促します。
教育者として、私たちはどのようにして学習者の内発的動機づけを引き出し、学習への愛を育てることができるのでしょうか?
まず、学習者の興味や関心を引き出す方法について考えてみます。
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例1
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あるクラスでの話です。先生は、生徒たちに算数の授業を教えていました。彼は、教科書の内容を順番通りに教え、例題を解かせる方法をとりました。
「今日は算数の問題を解きます。みんな、このページを開いて、1番から順番に解いてください」と先生は言いました。
生徒たちは指示に従い、黙々と問題を解き始めました。
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例2
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先生は、日常生活の中で算数がどのように役立つかを示すことにしました。
「みんな、今日は算数を使って買い物の計画を立てましょう!」と先生は言いました。
先生は、架空のお店を設定し、生徒たちに予算内で商品を選び、合計金額を計算させました。
田中くんは、「僕はお菓子が好きだから、まずお菓子を選ぼう!」と楽しそうに言いました。他の生徒たちも、「私は文房具を買いたい」「僕はゲームが欲しい」と、自分の興味に基づいて商品を選び始めました。
自分たちの選択が予算に収まるかどうかを計算することで、算数の実用性を実感しました。
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学習者の興味や関心を引き出すことで、内発的動機づけを高めることができます。学習が楽しく、意味のあるものだと感じられる環境をどう作ることができるかが腕の見せどころです。
次に、自主的に学ぶ意欲を育てる環境について考えてみます。
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例1
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先生は、授業で生徒たちに歴史のトピックについて調べさせることにしました。
「みんな、今日は日本の歴史について調べます。各自、教科書のこのページを読んで、ノートにまとめてください」
全ての生徒に同じテーマを割り当て、調べる方法も詳しく指示しました。
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例2
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ある日の授業で生徒たちに自由研究の時間を設けました。
「今日は自分が興味のあるテーマについて調べて、みんなに発表してもらいます」と言いました。
生徒たちは、自分の好きなテーマを選びました。佐藤さんは「宇宙の星座について」、鈴木さんは「昆虫の生態について」、そして田中くんは「恐竜の進化について」調べることにしました。
田中くんは図書館で本を借り、インターネットで調べ、恐竜の絵を描きながら熱心に学びました。彼は、「恐竜がどのように進化して現在の動物に繋がっているのかがわかって、とても面白かったです」と発表しました。
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学ぶことの楽しさを実感する第一歩は、自分が好きで興味のあることと結びつくことかと思います。
自分でテーマを選び、自主的に調べることで、学習への愛を育むことができます。
学習者の内発的動機づけを高めるために、どのような工夫をすることができるでしょう?
そして、どのような方法で学習者の学習への愛を育てることができるでしょう?
講座を設計するときに、問いかけ続ける重要な質問だと僕は思っています。
学習者の興味や関心を引き出し、自主的に学ぶ意欲を育てる環境を整えることが、持続的な学習の鍵となるはずです。
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