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レッスン内での発言に5つの意図をもつ

昨日は学習成果には5つのタイプがあることを書きました。
・暗記するよ(言語情報)
・覚えた公式で問題解くよ(知的技能)
・それを選ぶよ、または、避けようとする価値観(態度)
・学びの自分なりのコツ、学びのプロセスの振り返り(認知的方略)
・実際にやってみよう(運動技能)

それぞれのゴールテープを意識することが大事と。
実際に講座をするときには15分くらいのミニレッスンを組み合わせていきます。15分の中で何を意図して話すのでしょうか。
例として1つ書いてみます。

▼ここから

<言語情報:前提として覚えてね>
皆さんシャンパンタワーの法則って聞いたことありますか?
シャンパンをピラミッド上に組み上げて上からシャンパンを注ぐセレモニーがあります。
これを人生と見立ててみます。
一番上のグラスを自分自身と見立てます
2段目のグラスは家族
3段目のグラスは職場の同僚
4段目はお客様
そう見立てたときに、あなたはどの段から愛とエネルギーを注いでいますか?
お客様のために!と時間もエネルギーも削って頑張っているときは4段目から注ぐという考え方です。そのグラスは満たされて、やがてあふれますが、満たされるのはそのグラスだけです。
3段目は同僚です。従業員満足度という言葉がありますが、「お客様と接する私たちが輝いている必要があるよね」というもの。同僚のために職場のためにと頑張っているときは3段目から注ぐ。そのグラスが満たされ、やがて溢れると、その下のグラスも満たされていきます。
さっきより多く満たされました。
2段目は家族です。夫のために、妻のために、子どものためにと頑張っているときは2段目から注ぐことになります。
さて、シャンパンタワー全体を満たすために大事なことは、一番上から満たすことです。一番上のグラスは自分自身。
自分を満たし、その溢れ出た愛とエネルギーで、身近な人から満たしていくことを意識すると、愛とエネルギーが全体に美しく循環するんじゃないかという考え方。シャンパンタワーの法則です。

<知的方略:覚えたこと使って考えてみよう>
としたときに、
自分の心の中にグラスのようなものがあるとして、
そこに愛とエネルギーが注がれているとしたならば、
今どのくらい満たされていますか?何%くらいです?
これは、多いからいい、少ないから悪いという良し悪しを判断してもらいたいわkではなく、現状の私を知るということが大事です。
その上で、もっと自分の心のグラスを満たすために何ができるだろ?を考えることが大事です。
あなたの心のグラスをもっと満たすために、やってみたいことは何ですか?
世界一周旅行!みたいに、一か八かとか、年に1回あるかどうかみたいな大きなものもいいのですが、毎日やりたいこと、毎週やりたいこと、毎月やりたいこと、5分あったらできることなど、ちょっとした時間があればできそうな小さいことも考えてみましょう。

<態度:これって大事だよねと思ってもらう>
前に質問力の講座をしたときに「なんで?」じゃなくて「どのようにすれば?」と質問しましょう!とお伝えしたときのことです。
これをお伝えしたあるお母さんが、いたく納得したように、「そうだったんですね。私いつも息子に、なんで勉強しないの?なんで宿題やらないの?ばかり質問していました。さっそく質問を変えてみます」
といって帰っていきました。
その中学校2年生の息子さんの勉強したところを見たことがない。中間テストで88人中86番をとってきてガッカリしていたところでした。
また次の質問力のレッスンのときに、そのお母さんがいらしていたので聞いてみたんです。
「どうでした?質問変えてみました?って」
そうしたらお母さん、「変えてみましたよー」って答えます。「どのように質問したんですか?」って聞いてみました。
お母さん、なんと答えたと思いますか?
そのお母さん「どのようにすれば宿題できますかー?」って聞いてみたそうです。
息子さんはなんと答えたでしょうか?
いつもガミガミいっているお母さんが、急に「ねえ、どうすれば宿題できると思う?」って聞いたわけです。
息子さんは「わからーん」って答えたそうで。
お母さんショックを受けたんですって。
講座で聞いたことと違う!どうすれば?と聞けばアイデアや対策や行動を答えるって言ってたのにー!って。
でも、こうも思ったんですって。そうか、私この子から考える時間を奪ってきたんだなって。
その日は心に余裕があったそうで、いつもなら「なんでわからないの!」って怒っちゃうところを「そっか、わからないよね。じゃあ一緒に考えてみようか」って言えたんですって。
10分たって「どう?」「わからん」
20分たって「どう?」「わからん」
でも30分くらい経ったときに「そうだ、漫画本を移動する」って言ったんですって。じゃあお母さんも手伝うね、って押し入れに漫画をしまったんです。
それでお母さん聞いてみたそうです。「どう?これでできそう?」って。
そしたら「まだだー」って答えたそうで。そっか、じゃあ次どうする?って。
その日は夜中まで部屋の模様替えをやっていたそうで。
働いているお母さんなので仮眠をとって仕事にいきました。
終わって帰ってきたら我が目をう疑ったそうです。初めてみた光景。息子が勉強してるー!?
ついいつものくせで「あんた、なんで勉強してるの?」って聞いちゃったそうですが。
その日をさかいに勉強するようになったそうで、次の期末テストで40番代にあがって、質問で東大行くぞ!を合言葉に頑張ってるんです。そんなお話を聞かせてもらいました。
さて、質問で大事なのは「どんな質問をするか?」よりも、「誰が質問するか?」が大事です。もっと言うと「誰がどんな状態で質問するか」です。
いつものお母さんの状態で、息子のわからんに対して、あんたなんでわからないの!なんで考えようとしないの!と反発していたら、きっとこの結果にはなっていなかったと思います。
どんな答えも「そっか、そうだよね」と受け止められて、「その答えを出した人に心を寄せることができる」そんな心の余裕がある状態がとても大切です。質問の文字だけをいいものにしても効果はでません。まずは自分を満たすこと。これが質問力を高めるための本当の第一歩です。

<認知的方略:ここまでの時間で感じたことを振り返る>
さて、シャンパンタワーの法則とは何か、そして、自分の心を満たすためのことを考えてきました。
ここまでであなたが思ったことや感じたことは何ですか?感想でも結構ですのでお手元のノートに書いてみましょう。

<運動技能:やってみる、練習して身につけてもらう>
さて、実際に自分を満たすためのアイデアはやってみてくださいね。
今日の講座の振り返り投稿フォームがあるので、そこに「何をやってみたか、やってみての気づきや感想」をご投稿ください。他の人のをみるのも気づきや発見になるので、ぜひ覗いてみてくださいね。

▲ここまで

こうして、この目標のためにこれを話そう、これをやってもらおうと、意図を持って組み立てたいです。
意識しないと「これ暗記してね(言語情報)」みたいに、教えたいことだけを話して終わり。それで覚えているかテストする。に偏ってしまいがちです。

前提知識として必要なことは教える。
実際にそれを使って考えてみてもらう。
なぜこれが大事なのかをストーリで伝える。
学びを振り返る時間をとる。
実際に行動をしてもらって、また振り返る。

意図を持って構成してみましょう!

「どんな15分を構成しますか?」

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