柿渋染めをやってみた。
このあいだ、近所の雑貨店にて柿渋染の液体が売られていたので、興味本位で買って試してみた際の記録。
尾道柿園さんの、渋柿500mlを用いました。
染めるのはフリマで購入した染み汚れのある白いシャツ。汚れがきつい白シャツは草木染めの題材として使えます。古着屋とかでシャツを物色するときも、染めた場合のことを考えてしまうこともあります。
染める前に軽く水洗いをして汚れを落としておきます。
では、渋柿液を溶いていきます。水で2−3倍に希釈して利用します。以下のような感じで綺麗な色の溶液なりました。ただ、発酵臭が最初はすごいです。。
液量が多くないので、シャツをなるべく広げて液に通していきます。
1−2回通して絞ったあとの様子がこちら。分かりずらいですが、うっすら柿色に染まっております。ピンクっぽい色合いです。
私はたまに藍染もやりますが、草木染めの際に一番好きな瞬間は、染色液に浸したときの、繊維と液体が織りなす、色や形状のグラデーションです。これを拝むためにやってると言っても過言ではありません(笑)。
ちなみに、家にバケツがなかったので、平たい段ボールに大きめのビニール袋を敷いて簡易的な容器としました。意外と良かったのでお勧めです。捨てやすいですしね。
シャツを絞って取り上げたあとの液体水面の様子。皿洗いしてても、見れる泡の状態ですが、色が柿色なので新鮮な印象です。
5−6回ほどつけたあとの表情が以下のような感じです。最初に比べて徐々に色が入ってるのがわかります。雑に液体に通していたせいで、ムラになっている部分が多々ありますが、まあこれも味ということで良いでしょう。
渋柿染めの原理は、タンニンが空気中の酸素に触れることで酸化し、乾燥によって発色するようです。 空気に触れた瞬間から酸化が始まり、酸化の進行に伴って色が濃く変化してゆきます。なので染めた直後は薄く感じても、そこから徐々に色が入っていくと考えてください。使えば使うほど色が変化していくというのは革製品のような経年変化を楽しめそうですね。
以下の写真は渋柿染をしてから3週間ほど経ったあとの様子です。光の当たり具合もありますが、明らかに濃くなっているのがわかると思います。ムラになった部分も、結果としては木の幹のような紋様になり、自然物で染めたものならではの複雑性を表現しているみたいで気にいってます。
逆光で見ると夕焼けのようなナチュラルな発色をしていてとても美しいですね。
作業工程としては以上です。
これから着用してさらなる変化を楽しんで参りたいと思います。あとは、尾道柿園の風景がとても美しいので、いつか機会があれば訪れてみたいと思います。
思ったより手軽にできるので興味のある方は試してみてください!