ニューヨークに来た目的の一つに、現地で好きなバンドのライブを観たいという思いがあった。当時はまだインターネットなどが普及していない時代だったので、ライブ情報はフリーペーパーや雑誌から調べるしかなかった。１週間という短い自分のニューヨーク滞在期間に観ることができるライブはあるだろうか？と調べてみると実に多種多様なアーティストが毎日ライブを行っていた。超有名アーティストからアンダーグラウンドバンドまで、様々な名前を見つけることができた。その中に、自分が当時大ファンだったパンクバン
ついに憧れのチェルシーホテルに泊まることができると思うと嬉しさが込み上げてきた。案内された部屋は割と小さめのワンベッドルームでダークレッドの絨毯にアンティーク調の椅子と小さなテーブルがあった。時代的にはシルクハットにタキシードを着た昔のヨーロッパ人を連想させるような歴史を感じさせる雰囲気のある部屋だ。しばらくするとコンコンとドアをノックする音が聞こえ、少し緊張してドアを開けるとそこには黒人の中年のメイドが立っていた。どうやらシーツを交換しにきてくれたようだった。とっさに言葉が
ニューヨーク行きの空港にはJFK空港ともう一つラガーディア空港。13時間以上の長いフライトを終えて、その便はようやくJFKの空港に到着した。その時の印象は、空港に着くなり自分はウサギでライオンなどがいる動物園の檻に放り込まれたような感覚。たくさんの人種が空港で待っていてこちらは誰も知り合いがいないが、そこにいる人たちに睨まれているような感覚にもなった。これも心理的な不安のせいだろう。内心は初めてのニューヨークでおっかなびっくりしているのだが、態度は動揺していないふりを装ってガ
自分の人生に最も影響を与えた街となると、やはりニューヨークになる。 自分にとってはじめての海外旅行でもある。それも「なぜニューヨークなのか？」と言われると、好きなバンドがその街の出身だったということが大きい。その頃自分が影響を受けていたのはラモーンズやテレビジョンやパティスミスなどだ。そんなバンドが出演していたライブハウスCBGBという店には必ず行こうと考えていた。（今は残念ながら閉店してしまった。） そこで思い出すのは昔バンドでお世話になった名古屋のライブハウスの店長の言葉
残暑が終わりに近づき少しずつ秋の始まりを感じます。 今回思い切ってnoteを始めてみることにしました。 今までに過ごしてきた海外での旅の経験談や、今までやってきた音楽以外のお仕事の話などをみなさんに聞いてもらえるいい機会だと思いました。 と言いつつも自分のこの「のらりくらり」とした性格から、気の赴くままに思い出した順に書いていこうと思います。 そして、mpiという名前でアーティスト活動を始めるに至った長くややこしい経緯をみなさんにお伝えできたらと思います。 どうぞよろ
