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「自分を大切にする」ことは「力を抜く」こと

自分が「がん患者」と自覚したのは、手術が終わって体の自由が利かなくなってからでした。
DOG LABで陽性が出た時はものすごくショックで、代替医療のクリニックから泣きながら帰りましたが、その後正式に病院で告知を受けてからも「がん患者」という自覚がなく、少し客観的に自分を見ていた気がします。だって自由に動けるし、何でも食べられるし、仕事は当たり前のようにできるし、不調に思うことなんてひとつもない。週1〜2日はしっかり運動していたし、食事を見直している最中で体調も良かったし、DOG LAB後サプリメントで栄養を強化していてむしろ体はとても元気。

強いていえば、心の奥底で”不安”が常にありましたが、それも普段はほぼ忘れていて時々夜に浮かんできて邪魔をするくらい。自分の治療方針も常に悩んできましたが、論文を探したり、薬の勉強をしたりするのも自分のためなはずが”薬剤師目線”でどこか客観的。

術後まともに動けなくなって初めてちゃんと直面した「自分を大切にするとは何か」というテーマ。
”乳がんになった”と伝えてから家族、親戚、友人、知人から言われたのが
「頑張り過ぎ」
「真面目過ぎ」
「人に気を使い過ぎ」
「甘え下手」
スピリチュアルな観点から、乳がんは自己肯定感の低い長女気質に多いと言われています。それを知っていたので、まさに長女気質の自分がなるなら乳がんかな、なんて密かに思っていて気をつけていたつもりでした。

痛くて動けなくて、考えることが多く精神的にも辛くて。そんな時に友人から以前紹介された「神様が見える子供たち」のYouTube動画がかなり励まされました。
神様がみえる子ども達とお母さんとの会話を収録した番組です。こんなこと子どもが言うの?と驚きつつ、言葉がストレートで響きます。
盲信してはいないですが、私は見えない力が絶対にあると思っていて、何度か導かれるような経験をしています。

その他、本やサバイバーの方のブログをたくさん読み得た言葉があります。

「できない自分をあきらめる(=それでいいんだよ、と認める)」
「力を抜く」
「やりたいことを楽しむ」

私は割と完璧主義なところがあり、仕事を妥協せずやりたい、プライベートも思い切り楽しみたい、と常に全力投球するタイプ。年々肩の力は抜けてきていましたが、基本的に誰かに頼ることなく、目の前のことを真面目に頑張っていれば道が開けると思っていました。
また、食や健康に人一倍感度が高いので、周りの中でも常に前を進む存在でいたかったというプライドもありました。

「頑張ること、完璧を目指すことは心身に見えない負担をかける」
「自分がいなくても、職場は回る」
ということを手術後強く体感したので、良い意味で頑張る気が失せました。
苦手だった「人に頼る」ことも、以前よりお願いすることに決めています。

頑張ったご褒美のような「自分を甘やかす」ではなく、「自分を大切にする」は常に自分との対話が必要です。
まだまだ強化期間中で模索中ですが、大切なものを掴みかけている気がします。


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