彼の戦い
私が家族の事情に苦しみ、ただ時間をやり過ごすように戦かっている中、彼も戦っていた。
軍隊という特殊な世界で。
彼はBoot Campで脱落してもおかしくないくらい
ひょろひょろで、大きな声を出して叫ぶタイプの人間でもない。
しかも彼は海軍に入っておきながら泳げなかった。これは致命的だったと思う。どうやってBoot Campをサバイブしたのか謎だ。
でも私を背負ったからには何があっても引き返せなかった。
無事にBoot Campを卒業したおめでたい席に私がいることもなかった。
それでもただ、未来を見据えて耐えた彼。
軍人になれたのはある意味、ミラクルだったんだと最近気付いた。
そのミラクルを引き起こしたのはやはり彼のつよくて深い愛以外の何ものでもない。
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