救いの手
私の帰国を知った彼のお母さん。
彼を通じて、お母さんが私を預かってもいいと言っていることを知った。
まさかと思い、話を半分に有り難く聞いていた。
いつもの様に彼のアパートにお邪魔すると
いつも挨拶しかしないお母さんが、私のところに来た。
彼も何するんだろうと思った様でお母さんを見ながら少し離れて立っていた。
するとお母さんはスペイン語で話し出した。
一通り話すと彼に訳させた。
どうやら、私が彼からの話を真に受けてないと思い直接話してきたようだった。
お母さんとしては彼が軍に行っていなくなるけどその分、私がいたらいい。妹のLとは学校も一緒だし、この家から通ったらいい。卒業したら彼と結婚したらいい。とのことだった…。
驚きすぎて'ありがとう'位しか言えなかった。
今、思い出してもお母さんには感謝しかない。
当時まだ35歳だったお母さんは、お父さんとの離婚を覚悟で言葉の通じない土地に来た。そして、早朝から働いて3人の子供たちを養っていた。
いつ離婚するかも分からない不安定な上に
息子の軍への入隊が決まっている状態だった。
私も今年35歳になる。
あの時のお母さんは強い女性だった。
とてもかなわない、、、と同じ年になってみて改めて思う。
この提案を母が受け入れてくれていたら
どれだけ良かっただろう。
私の中で、母に対する確執が産まれた。
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