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ミックスグリルの悲哀
ファミレスのミックスグリルというのは,一見魅力的なもの。三種のメインがワンプレートになって値段もお手頃。なのに,次第に注文しなくなってくる。そんなミックスグリルの悲哀の話。
昨日,数年ぶりレベルでミックスグリルを頼んだ。チキングリル,ハンバーグ,ウインナーの三種で構成されたオーソドックスなもの。チキンがカレー風味だったこと以外は特に変哲もなく,それなりに満足して平らげた。同時に,めっきり食べなくなったこともあり多少の懐かしさを感じた。
思えば食べ盛りと呼ばれる時期を過ぎてからというもの,ミックスグリルに魅かれることはなくなった。量が多いことがが魅力的に感じなくなったということもあるけど,たぶんこれは心境の変化。もっというと,からくりに気づいてしまったから。
どういうことかというと。
ミックスグリルを構成する三種の内,チキングリルとウインナーは主役を張るにはどうしても力不足感が否めない。よっぽど特別な材料やソースで武装した場合は別だけど。ハンバーグは主役を張れる……けれどもミックスグリルに入っているものは単品で出てくるものとは違い,厚みがないなど言葉を選ばないで言うと安っぽい場合が多い。それゆえ味も想像がつくというもの。
あの満腹感と高揚感をあのお値段で実現するには,こうするしかないのだけれど。一見豪華に見えるあのプレートも,大人になっていらない知恵をつけると「二軍の寄せ集め」感を感じてしまうわけで。
事実,昨日ミックスグリルが目に留まって頼もうか迷ったときも,同じような思考が巡った。「どんな味か想像つくしなぁ……。」と。
それでもなぜ注文に至ったかというと,その時いたくお腹が空いていたというのが三分の一,他にことさら食べたいものがなかったというのが三分の一,そしてミックスグリルの悲哀への同情が残り三分の一。
それで食べてみると,前述したように想像通りの味に懐かしさを覚えたわけです。チキンはカレー風味が意外だったことを除けば想像通り。ウインナーもハンバーグもそう。さながら同級生に会ったかのような気分。
忘れてしまっていた少しわんぱくな感じとか,一時期は飽きるほど会っていたのに最近会わなくなったタイミングであって「あぁーー!」となる感じ。
みなさんもファミレスで決め手に欠けたときはミックスグリルを選んで欲しい。彼は変わらずそこにいる。
と,いうわけでミックスグリルの悲哀の話でした。
それではまた。