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この世界の闇の中で
私の世界を全て投げ出して、遠い国に逃げたことがある。
短い期間だったけれど、あの数週間は人生においてあらゆるものを以ってしても変え難い、
わたしの大切な時間で
わたしにとって大切なコンパスとなっている。
信頼していた人に裏切られて、人生の先も見えなくて、何もかもがうまくいかないと思ったから、いっそ投げ出してしまえばいいと思い立った。
知ってはいるけど見たことのない国の、見たこともない世界を目の当たりにして、
誰も知らない、頼る人もいない、その国のルールもわからなければ、言葉もわからない。
そのなかで、わたしの中に今までなかったものが出てきた。
「生きていること」
それだけに必死にしがみついた。
わたし、いま、生きているんだ
それだけをつよく、つよく、感じて過ごした。
死にたくて逃げたわけじゃなかったけど、
死んでもいいと思った。
むしろ死んじゃえばいいとさえ思っていたのに。
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精神的に人よりも疲れやすくて刺激を受けやすい
現代社会に生きていれば尚更何をしても刺激になる
なんのために働いて、なんのために生きているのか、やっぱりわからないしその度に、
「わたしはやっぱり心が弱いのか」と打ちのめされて死にたいと常々思ってしまう。
その度に思い出すあの数週間の刻が、匂いが、音が、空気が、全てがわたしを纏う。
無理に生きていかなくてもいい、
不器用でもいいし、無理して働かなくてもいい。
あのときの、大切な時間を過ごしたから無理しなくていい、頑張らなくていい、
嫌なら逃げてもいい
この人生を創っていくのはわたしだから、
わたしがわたしであるように死んでいきたい。
わたしは、わたしのままで死んでいきたい。