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『百年の孤独』全登場人物リスト

※こちらの記事は仮完成です。初読のメモをもとに作成していますので、呼び方が違うだけで重複している人物や、抜け落ちている点もあるかもしれません。ご了承のうえお読みください。

※登場人物名横の(  )は、このリスト内での呼び名です。
特にホセ・アルカディオ・ブエンディアの名前が多いので、族長のホセ・アルカディオは父ホセ、その子供であるホセ・アルカディオは子ホセ、独裁者のホセ・アルカディオは作中では〈アルカディオ〉と呼ばれて区別されていますが、紛らわしいため孫ホセとしています。

※新潮文庫版(鼓直訳)をもとに作成しています。


『百年の孤独』登場人物リスト


~ブエンディア一族~


〇ホセ・アルカディオ・ブエンディア(父ホセ)
 ホセ・アルカディオ・ブエンディア(子ホセ)とアウレリャノ・ブエンディア(大佐)の父親。マコンドの族長。

 プルデンジオ・アギラルを殺してしまったことから彼の亡霊につきまとわれるようになり、新天地を求めて友人たちと旅に出る。二年四ヶ月の探検の末、海に出るルートを見つけられず、野営した土地を「マコンド(macondo)」と名づけて開拓する。
「とてつもない空想力の持ち主(P.10)」で、メルキアデスから授かった道具で天体観測を行い、自力で地球が球体であると答えを出す。メルキアデスたちのみせる秘術(科学技術)に心を奪われ、天文学や錬金術などでマコンドを発展させようとして失敗。また文明をもった土地との交易ルートを開拓しようと再度探検の旅に出るが「マコンドは海に囲まれた半島」と絶望し帰還。今度はマコンドを移設しようとするが、ウルスラの企てにより中止。
 失踪した子ホセを追ったウルスラが、交易ルートを発見して帰還してからは族長として真面目に働くが、死者となったはずのメルキアデスの再訪により銀板写真を手に入れると、今度は神を撮影することに熱中してしまう。(おそらくメルキアデスの不死に惹かれて)振り子を応用した永久機関を発明しようとするが、徐々に死者の世界に近づき発狂してしまう。屋敷のなかを破壊し始めたことで庭の栗の木に縛り付けられる(永遠に月曜日が訪れるようになる)。
 その後もプルデンジオ・アギラルの亡霊とだけ語り合い、やがて夢の中で無限につづく部屋のひとつに座り込んでしまい、落命する。その際、黄色い花が一晩中降りつづける。

〇ウルスラ・イグアラン
 ホセ・アルカディオ・ブエンディア(父)の妻。父ホセとはいとこ婚。

 伯母が父ホセの伯父のひとりと結婚し奇形のある子を産んだことから結婚相手の血の濃さを懸念し、子作りを拒んでいた。プルデンジオ・アギラルとの一件からなかばやけくそで子ホセを宿す。きわめて現実的な女性であり、錬金術や科学技術などの実生活にかかわりのないことには興味を示さない。
 父ホセの死後も一家を切り盛りし、ブエンディア屋敷の女主人として百年以上の生涯を過ごすことになる。晩年は視力を失うが嗅覚と記憶力で家中のことを把握し、的確に行動する。
 マコンドの約五年の大雨の期間中、認知障害に陥りつつも客人の忘れていった金貨の在り処だけは秘密を守り続ける誠実さを持っている。十年間の干ばつが始まってからは正気に戻ったがやがて二度と元に戻らなくなり、祖先の亡霊と語り合いながら、130以上の歳で死去。葬儀の際に小鳥の大量死が起こる。

 
〇ホセ・アルカディオ・ブエンディア(子ホセ)
 ホセ・アルカディオ・ブエンディア(父)とウルスラの子であり、大佐の兄。

 子供のころから体つきが大きく、母ウルスラが奇形ではないかと心配するほどの巨根。知識欲の強い父とはわかりあえず。
 ピラル・テルネラと体を重ね、彼女が妊娠したことに戸惑い、ジプシーの娘とともにマコンドから逃げてしまう。その後、成人してより巨体になって帰ってくると彼に惚れたレベーカとともに墓地の近くの家で暮らし始める。戦争中にホセ・アルカディオ・ブエンディア(孫ホセ)の計らいで多くの土地を得るが、帰郷したアウレリャノ・ブエンディア大佐に露見し土地を失う。
 ある日銃で撃たれ死亡。その流血は生まれ育った屋敷まで伸びていった。この謎の死は、マコンド唯一の未解決事件となる。
 ピラル・テルネラとの間にホセ・アルカディオ(孫ホセ)をもうける。

〇アウレリャノ・ブエンディア大佐(大佐)
 
ホセ・アルカディオ・ブエンディア(父)とウルスラの子であり、子ホセの弟。反乱軍総司令官。

 幼少期から予知の力をもつ。少年時代に父の錬金術とその工房を引継ぎ、金細工師として働き始める。青年時代に兄から性の手ほどきを受け、兄と同じようにピラル・テルネラに欲情し、子を作る。町長となったドン・アポリネル・モスコテの末娘レメディオス(当時9歳)に一目ぼれし結婚。読み書きを教えるなどしながらいっしょに暮らすが、双子を妊娠したままレメディオスが死亡し、以降大佐は誰も愛さずに一生を終える。
 自由党と保守党の選挙時にモスコテが票の操作を行ったところをみて、政治に疑念を抱き始める。テロリストであるアリリオ・ノゲーラ医師と知り合うことで自由党に傾くも、ノゲーラ医師の暴力的な思想に反感を抱き離反。戦争が始まってからもおとなしくしていたが、軍による検閲が厳しくなり、増税とマコンドの民への暴力が広がり始めるとヘリネルド・マルケスとともに決起し、軍人たちを銃殺する。モスコテに反乱軍の大佐であることを宣言したのち、マナウレ近くにいる反乱軍のビクトリオ・メディーナ将軍と合流するため部下を連れてマコンドを出立する。
 逮捕されマコンドに帰郷するが銃殺を逃れ、マルケスにマコンドを任せてまた出立。幾度も訃報が流れるがそのたびに復活するように生存報告が流れる。リオアチャを奪取したがマルケスを人質にした政府から撤退を要求されたため、マコンドを奪還し総司令部を置く。
 大佐が全軍総司令官にし戦争が過激化するにつれて味方のことすらも信用できなくなり、絶大な権力に伴う孤独と酷い悪寒に苛まれるようになる。意見の対立から親友だったマルケスにも死刑宣告を下してしまう。政府軍に譲歩する形でネールランディア協定を調停したのち自殺を図るが失敗、むしろ名声を得る結果に終わる。調停後は隠居生活に入り、かつての仲間たちから反乱を願われても拒み続けたが、元軍人たちへの年金の不払いを知ると大統領へ戦いを挑もうと腰を上げる。しかしすでに同志たちは死んでいるか国外追放、もしくは政府に取り込まれており、加えて家中の平和な様子をみて「戦争は二度とごめんだ」と気力をなくす。
 バナナ会社がマコンドに進出してきた際に警察が市民に乱暴を働くようになり、若いころの怒りがよみがえり「(17人の)息子たちに銃を持たせてよそ者どもを皆殺しにする」と演説したが、その晩のうちに息子たちはひとりを残して銃殺される。反乱のための多額の金を集めて回り、全面戦争をするつもりでマルケスのもとを訪れるが「ぼけてる」といわれ反乱は中止となる。
 晩年頑固になり、仕事部屋に籠って魚の金細工を作っては溶かし続けることで内面の孤独を感じないように生きつづけた。サーカスの行列が町に訪れたその日、自身の孤独と向き合ってしまい、茫然自失の状態で庭の栗の木に小便をしながら老衰で息絶える。
 20年間の戦争のなかで32回の反乱を起こし、そのつど敗北。14回の暗殺と73回の伏兵攻撃を回避した。戦争中に各地で17人の子を成し、ウルスラによってアウレリャノの名前を授けられる。
 
〇レベーカ
 マナウレからやってきた孤児。父ニカノル・ウリョアと母レベーカ・モンティエルの子で、ウルスラをまたいとことして頼ってやってきた。

レベーカは本名ではないが、ブエンディアの屋敷に来た当初は口を利けず母親の名前で仕方なく呼ばれる。ストレスが溜まると土と壁(石灰)を食べる癖がある。
 インディオ語に反応することからインディオ系の血筋であると思われ、グアヒロ族の姉弟が恐れ逃亡してきた伝染性の不眠症をマコンドに持ち込む。
 美人に育ちピエトロ・クレスピと婚約するがレメディオス・モスコテの死から結婚式が延期になりつづけ、そのうちに子ホセと結婚してしまう。子ホセが暗殺されたあとは子ホセと暮らしていた家で死ぬまでアルヘニダという老召使と暮らす。

〇アマランタ・ブエンディア

 父ホセとウルスラ・イグアランの娘。

 ピエトロ・クレスピに恋をするが、レベーカとピエトロが婚約するとレベーカを毒殺しようと強く思う。その思いが方向性を誤り、レメディオス・モスコテを殺してしまった(と本人は思っている)。レベーカが子ホセと結婚してしまったあと、ピエトロに求婚されるがこれを拒否。ピエトロは自殺し、アマランタはかまどに右腕を突っ込んで死ぬまで消えることのない火傷を自身に負わせる。
 マルケスからも求婚され、アマランタも彼を好んではいたが、ピエトロへの負い目から応えられず、死ぬまで処女であり続けた。ある日死神と家のなかで出会い、「自分の経帷子をレベーカのそれを作るようにまっすぐな心で縫うように」告げられる。経帷子を縫い続けることで無心の作業の中に自身の孤独を封じ込めた。「今日の夕方に私は死ぬ」と家族に話し、実際にその通りに死ぬ。
 レベーカには同情しつつも「レベーカよりは先に死なない」と敵愾心を持ち続けていた。

〇ホセ・アルカディオ・ブエンディア(孫ホセ)
 子ホセとピラル・テルネラの息子。出生を隠し父ホセとウルスラ・イグアランの子として育てられる。マコンドの若き独裁者。

 大佐に読み書きを教わり、金細工の修業をつけてもらう。ビシタシオンとカタウレに特になつき、メルキアデスが死んだ際は生き返らせる方法を調べたほど彼を愛していた。
 戦中は町を離れる大佐の代わりに町長兼司令官としてマコンドを任されるが「町を立派にしてくれ」という大佐の言葉を都合よく解釈し、独裁者となる。アポリネル・モスコテの家を襲おうとしたところ、ウルスラから鞭で止められ、徹底的に負ける。
 実の母であるピラル・テルネラに恋をするがやんわりと断られ、かわりにピラル・テルネラから50ペソをもらい孫ホセと付き合うようにいわれたサンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダを内縁の妻に迎える。ホセ・アルカディオ・セグント、ホセ・アウレリャノ・セグント、小町娘のレメディオスの父親となる。
 マコンドを占拠した政府軍により銃殺される。

〇アウレリャノ・ホセ
 大佐とピラル・テルネラの息子。

 大佐に付き従い戦争に参加するも、アマランタへの思いを断ち切れず隊から脱走して帰還する。アプローチを続けるも「叔母だから」と拒まれ続けた。ある夜、ピラル・テルネラの呼び止めを無視して映画館に行き、アキレス・リカルド大尉の身体検査を拒んだことで銃殺される。

〇17人のアウレリャノ
 戦争中に大佐が各地で作った子どもたち。

 それぞれアウレリャノの不在中に母親とマコンドを訪れ、ウルスラにすべて「アウレリャノ」と名づけられる。戦争後、17人全員でマコンドに集結。数人はマコンドに残る。
 バナナ農園がマコンドにできたあと警察による横暴が激しくなり、マグニフィコ・ビスバルの弟とその7歳の孫が巡査部長に殺されたあとで大佐が「息子たちに銃を持たせる」と演説したことで、ひとり(アウレリャノ・アマドル)を残して一晩のうちに政府に暗殺される。

 〇アウレリャノ・トリステ
  17人のアウレリャノのうちのひとり。
  製氷工場を町はずれに作り、町に鉄道を敷く。

 〇アウレリャノ・センテノ
  17人のアウレリャノのうちのひとり。
  マコンドに留まりトリステの仕事の手伝いをする。
  力がとても強く、有能。

 〇アウレリャノ・セラドル
  17人のアウレリャノのうちのひとり。
  マコンドの文明化につられてやってくる。
 
 〇アウレリャノ・アルカヤ
  17人のアウレリャノのうちのひとり。
  マコンドの文明化につられてやってくる。

 〇アウレリャノ・アマドル
 一晩のうちの暗殺からただひとり生き残った17人のアウレリャノ。長年暗殺におびえ続けた挙句ブエンディア屋敷に命からがら逃れてくるが、ホセ・アルカディオ(法王見習い)とアウレリャノ・バビロニアに匿うのを拒まれ、ふたりの目の前で銃殺される。享年35歳。

〇ホセ・アルカディオ・セグンド
 アルカディオ(孫ホセ)とソフィアの息子。双子の兄。
 
 幼いころからアウレリャノ・セグンドと入れ替わりの遊びをしているうちに、自分たちでもどちらがどちらなのか区別がつかなくなる。
 幼いころにマルケス大佐に頼んで銃殺を見せてもらった際に、生き埋めにされることへの恐怖から戦争を憎む。教会で軍鶏の世話をするようになり、イサベル神父から闘鶏のイカサマ術を学び闘鶏師となる。
 大佐からかつて父ホセが見つけた陸に乗り上げた船の肋材の話を聞き、川を拓いて船の出入りができるようにすることを思いつく。川を下ったきり、一時姿を消すが、フランス人娼婦などを載せた筏で帰ってきて、その後はまた軍鶏を育てる生活に戻る。
 バナナ農園の労働者たちが不遇な扱いを受けているのを見てストライキを起こし、駅前での政府軍による虐殺に巻き込まれる。3000人分の死体を乗せた列車でそのまま海に捨てられるところだったが、一命をとりとめマコンドに帰還する。が、政府による情報操作でマコンドの市民のだれひとりとして虐殺の記憶がなく、アルカディオ・セグンドはブエンディア屋敷のメルキアデスの部屋に匿われる。その後はメルキアデスの手記の解読にアウレリャノ・バビロニアと取り組み続け、突然「よく覚えておいてくれ。三千人以上の人間が海に捨てられたんだ」と言い残し、絶命する。
 アウレリャノ系の神秘的な能力を持ち、人々を率いるリーダーの素質を持つ。兄弟は共感覚でつながっており、死因は異なるが同時に死去する。
 死体は母親ソフィアの手によって首を切り落とされ、望み通り生き埋めにならずに埋葬される。

〇ホセ・アウレリャノ・セグンド
 アルカディオ(孫ホセ)とソフィアの息子。双子の弟。

 幼いころからアルカディオ・セグンドと入れ替わりの遊びをしているうちに、自分たちでもどちらがどちらなのか区別がつかなくなる。
 幼いころからメルキアデスの部屋と遺されたメルキアデスの手記に興味を持ち、メルキアデスの亡霊とも対話を行う。成長してからはアコーデオンの演奏を身に着け、マコンドの有名人になる。ペトラ・コテスと関係を持つと家畜が大量に繁殖することになり、低地で1,2位を争うほどの大金持ちになる。
 兄が持ち込んだフランス人娼婦たちによるカーニバルでフェルナンダと出会い結婚してからは、家畜の繁殖のためと心の平穏のためにペトラ・コテスとの関係を続け、フェルナンダをたびたび悩ませるようになる。晩年はほとんどペトラ・コテスを愛し彼女と暮らしていたが、次第に喉に痛みを覚えるようになり、フェルナンダとの約束通り妻の下で息を引き取る。
 アルカディオ系の屈強な肉体と繁殖への欲望を持つ。兄弟は共感覚でつながっており、死因は異なるが同時に死去する。

〇小町娘のレメディオス
 アルカディオ(孫ホセ)とソフィアの娘。

 美人だが知恵の発達が遅い。独特のにおいを放つことで多くの男が彼女に惹きつけられ死亡しており、死を呼ぶ力があると噂される。大佐は「これまで会ったいちばん頭のよい人間」と評す。シーツを干している際に空に浮かび上がり、そのまま永遠に姿を消してしまう。

〇ホセ・アルカディオ(法王見習い)
 アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの息子。

 法王になるようにと両親から期待されローマに送られるが、神学校には通わずに過ごした。母親フェルナンダの死期を知って駆けつけるが、屋敷にはすでにアウレリャノ・バビロニアしかおらず、よい距離感を保ちながら生活する。
 ウルスラの隠し続けていた金貨を見つけて裕福になったが、身の回りの世話をさせていた子供たちに襲撃され死亡する。

〇レナータ・レメディオス(メメ)
 アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの娘。愛称はメメ。

 クラビコードの勉強のために学校に送られ、卒業のあとはマコンドで演奏をしながら暮らすが、友人たちとの遊びを覚え自堕落になる。酔っぱらってひどい状態になったことがきっかけで父アウレリャノ・セグンドから気にかけられるようになり、ふたりでよく映画館に行くが、それを利用してマウリシオ・バビロニアと密会していることが母フェルナンダに露見して家に閉じ込められる。その後も浴室で夜な夜なマウリシオと密会をしており、フェルナンダの故郷の修道院に終生閉じ込められることになる。修道院内でマウリシオ・バビロニアとの子供であるアウレリャノ・バビロニアを出産。さまざまな変名をつかった挙句、遠いポーランドの暗い病院の片隅で老衰により死去。マウリシオの死後から死ぬまで一度も口を利かなかったという。

〇アマランタ・ウルスラ
 アウレリャノ・セグンドとフェルナンダの末の娘。

 ブリュッセルの学校に送られ、そこでガストンと出会いマコンドに帰ってくる。アウレリャノ・バビロニアを甥とは知らずに愛してしまい、アウレリャノ(豚のしっぽ)を産んだ際に出血が止まらずそのまま死亡する。

〇アウレリャノ・バビロニア
 メメとマウリシオ・バビロニアの子。修道院に入れられたメメが出産し、尼僧の手でブエンディアの屋敷に届けられる。

 フェルナンダはこのことを隠し、存在が明るみになったあとも拾い子だと言い張り続けた。幼いころからメルキアデスの部屋に閉じ込められて独学で知識を身に着け、だいたいのことは学ばずともわかってしまうようになる。
 デモ後にメルキアデスの部屋に隠居しつづけたアルカディオ・セグントと親しくなり、ともにメルキアデスの遺した手記の解読を行う。アルカディオ・セグントの死後はフェルナンダと暮らし、フェルナンダの死後はホセ・アルカディオ(法王見習い)と暮らす。ホセ・アルカディオ(法王見習い)とは心が通じ合い、彼の死体を見つけたと気に初めて彼を愛していたことを悟る。その後、帰郷したアマランタ・ウルスラを叔母と知らずに愛してしまいアウレリャノ(豚のしっぽ)の父親となるが、アマランタ・ウルスラと息子は出産時に死亡。失意のなかでメルキアデスの遺した手記に書かれているブエンディア家の百年の予言を解読に成功するも、マコンドを襲った大嵐に巻き込まれ、予言の通り死亡する。

〇アウレリャノ(豚のしっぽ)
 ブエンディア家の末裔。出生後すぐに死亡し、蟻に運ばれていく。

~ブエンディア家にかかわる人々~


〇レメディオス・モスコテ
 マコンドの町長の末娘。9歳のときに大佐に求婚され双子を身ごもるが、自家中毒で死亡。

〇サンタ・ソフィア・デ・ラ・ピエダ
 孫ホセの内縁の妻。小町娘のレメディオスとセグンド兄弟の母親。
 
 両親の小さな飲食店で働いていた娘。ピラルから50ペソをもらい孫ホセと付き合うようにいわれ、そのまま孫ホセに気に入られる。

 主張が少なく、ともに暮らしていたフェルナンダからも長いこと姑ではなく女中だと思われていた。ウルスラの死後、荒れ果てた屋敷の修復が適わないとわかると、朽ちていく屋敷を見捨ててマコンドを去り、そのまま消息を絶つ。

〇フェルナンダ・デル=カルピオ
 アウレリャノ・セグンドの妻。

 政府の内偵を潜ませたカーニバルで、女王役としてマコンドまで担がれてきた。カーニバルの騒動のあとは一度生まれ故郷に戻るが、一目ぼれしたホセ・アルカディオ・セグンドに結婚を申し込まれ、ブエンディアの屋敷で暮らすようになる。
 幼いころから女王になる身分なのだと教えられて育ってきたため、自尊心が非常に強い。
 晩年は隠して育ててきたアウレリャノ・バビロニアとともに暮らしていたが、ある朝死亡する。

〇ビシタシオン
 グアヒロ族の王女。感染性の不眠症から逃れるために弟とマコンドにやってきてブエンディア家で召使として働いていた。不眠症の恐怖から故郷に帰ることをあきらめ、戦争中に死亡。

〇カタウレ
 グアヒロ族の王子。感染性の不眠症から逃れるために姉とマコンドにやってきてブエンディア家で召使として働いていたが、レベーカが同じ病に罹っていると知り屋敷から逃げる。父ホセの逝去の際に「王様の埋葬に立ち会うため」戻ってくる。

〇ピラル・テルネラ
 子ホセ、大佐、アルカディオ(孫ホセ)らが惚れた商売女。

 もともとはホセ・アルカディオ・ブエンディア(父ホセ)と同じ村に住んでいたが、両親に連れられて旅に加わり、マコンドに移り住む。孫ホセとアウレリャノ・ホセの母親だがどちらも出生を隠されてブエンディア家の子として育てられる。
 トランプ占いを得意としている。
 晩年は〈黄金童子(ニニョ・デ・オロ)〉の女主人として過ごす。死んだときの年齢は145歳以上。ブエンディア家の始まりから終わりまでを観測した唯一の人物であり、アルカディオ(孫ホセ)以降の子孫はすべてピラルの血を引いているという点でも重要な人物。


~その他ブエンディアの血筋の者~


〇ドン・ホセ・アルカディオ・ブエンディア
 新大陸生まれのタバコ栽培業者。
 父ホセの曽祖父。
 ウルスラの曽祖父とひと財産を築き上げる。

〇ウルスラ・イグアランの曽祖父
 妻のためにリオアチャからインディオの集落へ移住。父ホセの曽祖父であるドン・ホセ・アルカディオ・ブエンディアと出会う。この出会いからウルスラの家系とブエンディアの家系が交わる。

〇ウルスラ・イグアランの曾祖母(ペトロニラ・イグアラン)
 海賊フランシス・ドレイクの襲撃に驚いて火傷し「妻としては役に立たない体」になる。フランシス・ドレイクに辱められる悪夢が絶えず、リオアチャからインディオの集落へ移住。

〇トランキリナ・マリア・マニアタ=アラコケ=ブエンディア
 ウルスラの祖母。

〇アウレリャノ・アルカディオ・ブエンディア
 ウルスラの曽祖父。

〇アウレリャノ・イグアラン
 ウルスラの父。「牝牛についた虫もちりちりに焼けて落ちる」という呪文を編みだした。

〇ウルスラの母
 名前は不明。不眠症の流行している間に死亡したことをオンブレからウルスラが伝え聴く。信仰深かった。

〇豚のしっぽのあるいとこ
 ウルスラが同族婚を恐れる由来になった人物。ウルスラの伯母とホセ・アルカディオ・ブエンディア(父ホセ)の伯父の子。
 生まれつき「栓抜きのような形をして先端にぽさぽさと毛のはえた軟骨のしっぽ」があり、一生だぶだぶのズボンを履いて童貞のまま死んでいった。
 42歳のときに仲の良い肉屋が鉈でしっぽを切り落とし、出血で死亡する。

~重要な登場人物~


〇メルキアデス
 マコンドに巡業にやってきたジプシー。

 科学技術や錬金術などさまざまな知識を持っており、父ホセに磁石、望遠鏡、レンズ、天文観測儀、羅針盤、六分儀、銀板写真など多くの文明の利器をもたらす。
 シンガポールの砂州で熱病に罹り、深い海に葬られたはずだったが「孤独に耐えきれずに」復活し、マコンドで流行する感染性不眠症の治療を行う。
 その後はブエンディア家の工房に住み着き、徐々に衰えていく。「わしはついに、不死の命を手に入れた」と語ったが、ある日川で水浴をしているときに深いところにはまり溺死する。死体は工房で三日間水銀の燻蒸を受け埋葬された。
 死亡後もたびたびブエンディア家の子孫によって亡霊の姿で観測され、アウレリャノ・バビロニアには手記の暗号を解読するための手ほどきを行う。

〇プルデンジオ・アギラル
 闘鶏で父ホセに負けた腹いせに性的不能であると彼をからかったことで父ホセに殺される。
 死後も亡霊となって父ホセに付きまとい、マコンドで父ホセが発狂してからも目の前に現れる。

〇ドン・アポリナル・モスコテ
 マコンドが活性化しはじめたために政府から町長として派遣されてきた男。7人の娘と妻と暮らす。

〇ピエトロ・クレスピ
 ブエンディア家の新居パーティーで使う自動ピアノの設置のために呼ばれたイタリア人技師。
 レベーカと婚約するもレメディオス・モスコテの死から結婚式が延期になり、帰郷した子ホセにレベーカを取られてしまう。その後アマランタに求婚するも断られ自殺を遂げ、アマランタに消えない罪の意識を植え付ける。

〇アリリオ・ノゲーラ医師
「釘をもって釘を抜く」という意味の分からない看板を掲げる医者。
 好人物だがテロリストであり、かつて投獄されていた。
 マコンドで選挙熱が高まってくるとふたたび政府転覆を企てるようになり大佐を含む若者を扇動する。「有効な手段は暴力しかない」と説いたことが気に入らず、大佐は離反する。

〇ペトラ・コテス
 アウレリャノ・セグンドの愛人。

 もともとはアルカディオ・セグンドに惚れていたが、見分けがつかずアウレリャノ・セグンドとも関係を持つようになり、兄弟が彼女から病気をもらったあとはアウレリャノ・セグンドとだけ関係するようになる。
 くじ売りを生業にしており、戦時中にいまは亡き内縁の夫とマコンドにやってきた。優しい性格をしており、色ごとに長ける。
 家畜の繁殖を招く謎の力があり、それらをくじ引きの景品にすることで大金持ちになる。
 大雨の時期に家畜が流されてしまったがそれでもなんとか生きようとしており、ふたたびともに暮らすようになったアウレリャノ・セグンドとくじ売りを続けるが、大雨のあとでは家畜を繁殖させる力を失っている。そのことが彼女の心に関係するのではないかとアウレリャノ・セグントに深入りされ、ふたりは以前よりも愛し合うようになる。
 アウレリャノ・セグンドの死後も、正妻であるフェルナンダに食糧を送り続けるという施しで、フェルナンダを辱めてやろうとしつづけた。

〇マウリシオ・バビロニア
 メメの恋人。アウレリャノ・バビロニアの父親。

 バナナ会社の工場で働いている。トリステの発電所でも働いていたことがあり、アウレリャノ・セグントとは知り合い。
 つねに黄色い蛾を大量に伴っている。屋敷に閉じ込められたメメと浴室で密会をするが、怪しんだフェルナンダが市長に見張りを立てるよう頼み、屋根に上ったところを銃で撃たれる。寝たきりになり、やがて死亡。
 

〇ガストン
 アマランタ・ウルスラの夫。ベルギー人。中年のほっそりとした男で、マコンドに来たときは絹の紐でつながれていた。

 飛行機乗りをしていたときにアマランタ・ウルスラの通う学校の上空を通りかかり、乱暴な操縦のせいで電線からぶら下がる。その際にアマランタ・ウルスラと知り合い、三年後に結婚。
 アマランタ・ウルスラについてマコンドにやってきたが暇になり、航空便をマコンドに作ることをひらめく。そのための飛行機がなかなか届かないことに痺れを切らしブリュッセルに飛んで留守になり、アマランタ・ウルスラとアウレリャノ・バビロニアの不倫を許すことになってしまう。ふたりの関係をしっても平然とした態度でいた。が、自転車だけは愛着が捨てきれないので送ってほしいと手紙に書き、アマランタ・ウルスラを怒らせる。

〇カタルニャ生まれの学者
 バナナ農園ができたころにマコンドの色町に本屋を構えた男。

 店の奥でなにか書き物をしつづけており、アウレリャノ・バビロニアがメルキアデスの手記を解読するための本を扱っていた。
 故郷が恋しくなりマコンドを去る。ウルスラやフェルナンダと同じように認知症のようなものに罹ってしまう。帰郷してからはある種の無常観に取りつかれ、マコンドを見捨てるようにアウレリャノ・バビロニアたちに手紙で忠告する。

〇アルバロ
 本屋で出会った4人の友人のうちのひとり。
 学者の忠告に従いマコンドを去る。

〇ヘルマン
 本屋で出会った4人の友人のうちのひとり。
 数日で帰るといってマコンドを発ち、そのまま消息を絶つ。

〇アルフォンソ
 本屋で出会った4人の友人のうちのひとり。
 数日で帰るといってマコンドを発ち、そのまま消息を絶つ。

〇ガブリエル
 本屋で出会った4人の友人のうちのひとり。
 ヘリネルド・マルケスの曾孫。
 多くのマコンド市民が過去のできごとを忘れていくなかで、アウレリャノ・バビロニアを除いてはただひとり大佐の実在を信じている。
 パリ旅行の懸賞に応募し続けていたが当選し、マコンドを去る。


~神父たち~


〇ニカノル・レイナ神父
 マコンドの初代神父。

 アウレリャノ・ブエンディア大佐とレメディオス・モスコテの結婚式を執り行う。腹だけが出た痩せた男で、結婚式のために低地の向こうから呼び寄せられた。式のあとは自分の教会に帰るつもりだったが、マコンドの堕落ぶりに呆れ果て、世界最大の教会を建てることを決意する。
 発狂して栗の木に縛り付けられていたホセ・アルカディオ・ブエンディア(父ホセ)を教化させようとラテン語で議論するも、狂いながら正気である様子に自分の信仰がゆらぎかけ撤退。
 教会の建設はレベーカとピエトロ・クレスピの結婚式を先延ばしにすることとなり、その後の悲劇にも繋がってしまう。
 チョコレートを飲むと12センチだけ浮くことが出来るが、マコンドを占拠した政府軍の前でなぜかこれを披露して頭をかち割られる。後年肝臓の病に罹りコロネル神父と交代。

 〇小坊主
  ニカノル・レイナ神父とともに教会建設のための喜捨を集める。

〇コロネル神父
 病に罹ったニカノル神父の後任としてマコンドにやってきた〈石頭(エル・カチョロ)〉と呼ばれる神父。第一回の連邦主義者の戦いに加わったこともある老兵。

〇アントニオ・イサベル神父
 コロネル神父の後任。17人のアウレリャノたちの額に灰の十字を描いた。〈さまよえるユダヤ人〉と〈小鳥の大量死〉を調査しに来た教会関係者により、このふたつはイサベル神父の老齢の幻覚と判断され、養老院に放り込まれる。

〇アウグスト・アンヘル神父
 イサベル神父の後任。〈現代の十字軍戦士〉とも呼ぶべきほどに頑固で傍若無人、向こう見ずの性格をしている。怠惰なマコンド市民の信仰心を呼び起こすため精力的に活動していたが、マコンドの環境や雰囲気に飲まれてすぐに堕落してしまう。

〇老齢の神父
 アンヘル神父の後任。
 関節が悪く、ハンモックに寝ている。


~反乱軍のひとびと~


〇ヘリネルド・マルケス大佐
 アウレリャノ・ブエンディア大佐の友人のひとり。大佐と反乱を起こす。

 大佐の不在中のマコンドを任されるなど、大佐からの信頼は厚い。3回の暗殺を免れ生き延びる。戦後中風に罹り籐椅子のうえで寝たきりにながらも、反乱軍の元将校たちからの年金に関する連絡に返事をしつづけていた。
 アマランタに幾度も求婚するが「あなたがほんとに愛してるのはアウレリャノだわ」と断られつづけた。

〇マグニフィコ・ビズバル
 アウレリャノ・ブエンディア大佐の友人のひとり。
 大佐と反乱を起こすが暗殺される。

〇ビクトリオ・メディーナ将軍
 革命総司令官。リオアチャで死刑を宣告され死亡。

〇グレゴリオ・スティーブンソン大佐
 大佐の命令で老婆のふりをしてマコンドに潜入した軍人。
 教会の塔にひとりでたてこもり健闘するも、3月に砲撃を受けて死亡。

〇マコンド地区担当の革命軍の経理将校
「くそまじめ」で辛抱強そうな男。ネールランディア協定の調停の際に金を運んでくる。

〇テオフィロ・バルガス将軍
 奸智に長ける救世主気取りのインディオ。反乱軍の指揮権統一のための会議の際、指揮官たちの関係性をめちゃくちゃに破壊し、総司令官の地位についた。「陸軍大臣よりも危険」と大佐が部下に注意したことがきっかけで大佐の部下に殺される。

〇若い大尉
 バルガスを殺すよう大佐に助言する。
 大佐の悪寒を沈めるために殺される。


~政府軍のひとびと~


〇無名の大尉と四人の兵
 開戦後、マコンドに圧政を敷く。蜂起した大佐とその仲間に殺される。

〇ホセ・ラケル・モンカダ将軍
 終戦後にマコンド町(市)長になった保守党の男。

 戦争と軍人が嫌いで、大佐とは敵同士だが仲が良い。マコンドを比較的自由な町にし、町から市へと昇格させたが、大佐の軍に負け処刑される。
 処刑の直前、モンカダは大佐に「我が国始まって以来の独裁者になるし、母親すらも殺すことになる」と忠告した。

〇ロケ・カルニセロ(豚殺し)
 アルカディオ(孫ホセ)を銃殺した指揮官。マコンドに駐在し大佐の処刑も担当する。「大佐を殺せばマコンド市民に必ず殺される」と町の人間に言われ緊張するなかくじ引きで大佐を銃殺する役目に選ばれたが、死に際して祈りを捧げる大佐に心を動かされ、子ホセに銃を突き付けられた際に心変わりし、六人の部下とともに自由軍に入り行動するようになる。

〇アキレス・リカルド大尉
守備隊指揮官。マコンド内の反乱の色が濃くなり市の実権を握る。

〇無名の将校
 大佐の処刑のためにマコンドに入る。

〇屋敷の警備にあたった若い隊長
 ネールランディア協定調停後、ブエンディアの屋敷を警備していたが小町娘のレメディオスにすげなくされ自殺してしまう。

〇ブエンディア屋敷の監視をしていた元兵士のひとり
 大佐のつくった金細工を低地の町に売りに行き、ニュースを大佐に伝える。
 

〇労働者デモの虐殺に携わった中尉と大尉
 アルカディオ・セグントが起こした労働者デモに機関銃掃射を行い、3000人を虐殺する。

〇若い将校
 アルカディオ・セグントを逮捕しにきたが、なぜか目の前にいるアルカディオ・セグントを発見することができず帰ってしまう。大佐と同じく、メルキアデスの部屋が汚く見える。
 大佐の大ファンで、魚の金細工をもらって喜ぶ。


~その他のひとびと~


〇アンパロ・モスコテ
 ドン・アポリナル・モスコテの娘。ブルーノ・クレスピと結婚する。

〇カタリノ
 マコンドの売春宿を営む女主人。

〇皮革商人たち
 レベーカをブエンディア屋敷につれてくる。

〇フランシスコ・エル・オンブレ
 たまにマコンドにやってくる200歳近い老人。〈オンブレ〉とは〈人間様〉の意味。金を貰って伝言を聴き、歌でそれを伝えて歩く。カタリノの売春宿を拠点とする。

〇肥満した女
 オンブレの付き添い。4人のインディアンに担がせないと移動できないほどに肥満。

〇心細げな混血娘 
 肥満した女にパラソルをさす役目の娘。

〇カタリノの店の売春娘
 火の不始末で実家を燃やしてしまい、祖母に身売りをするよう強制されている。若いころの大佐の心をひくが、すぐにマコンドから去ってしまう。

〇ブルーノ・クレスピ
 ピエトロ・クレスピの弟。大きくなった玩具屋を兄から任される。アンパロ・モスコテと結婚する。

〇メルチョル・エスカロナ
 停戦後に低地のほうから赴任してきた年配の体罰教師。

〇カルメリタ・モンティエル
 20歳の乙女。ピラルの占い通りであればアウレリャノ・ホセと7人の子供をもうける運命だったが、アウレリャノ・ホセは銃殺されてしまう。

〇マグニフィコ・ビスバルの弟とその7歳の孫
 バナナ農園時代のマコンドで巡査部長に切り殺される。

〇三人連れの男
 戦争中に「雨が止むまで入れてくれ」とウルスラに金貨入りの聖像を預けたが、最後まで帰ってくることはなかった。

〇アルヘニダ
 老いたレベーカと暮らす老召使。レベーカとは親友。

〇死神
 アマランタに余命を宣告する。

〇メメの68人のクラスメイトと四人の尼僧
 
メメが休暇中に家族に知らせずにつれてきたひとびと。フェルナンダが彼女らのために大量のおまるを用意し、帰ったあとおまるはメルキアデスの小部屋に仕舞われる。
 

〇フランス人医師
 新米で風変わり。酔っぱらったメメの診察を行う。

〇メメの3人のアメリカ人の友人
 勉学を終え自堕落になったメメが出会った友人。

〇パトリシア・ブラウン
 メメの友人のひとり。ジャック・ブラウンの娘。

〇カミーラ・サガストゥメ
 声楽専門の学校の校長であり、〈象おんな(ラ・エレファンタ)〉の異名を持つ大食いの女性。

 「心に一点のやましさもなければ体が疲れない限り人は物を食べ続けることができる」と信じ、こどもたちへの道徳教育のために大食いを実践して回る。マコンドにはアウレリャノ・セグンドとの大食い勝負のために訪れる。

〇赤毛のアメリカ人青年
 メメが惚れるがすぐに帰国してしまう。

〇「会うことのない医者」
 フェルナンダが手紙のやり取りをする相手。フェルナンダの診療と手術をテレパシーで行う。

〇子ホセとかけおちしたジプシーの娘
 ピラルの妊娠を知り動揺した子ホセとかけおちした。

〇トゥワリンカの娘
 大佐を暗殺しようとするが大佐の予知能力のために失敗する。

〇大佐のリンパ腺の手術をした医者
 ネールランディア協定調停の直前に大佐の両脇のリンパ腫の手術を行う。
 心臓の位置に印をつけるよう大佐に頼まれるが、わざとずれた位置に印をつけたことで拳銃自殺を失敗させる。

〇遠い土地からやってきた紳士
 カーニバルで小町娘のレメディオスに一目ぼれするが恋にやぶれ死亡する。

〇小町娘のレメディオスにふれた男
 小町娘のレメディオスに触れたことで怪死を遂げる。 

〇よそ者の男
 小町娘のレメディオスの入浴を覗いた際に屋根から転落死する。

〇フェルナンダの母
 病身。娘のフェルナンダに教育を受けさせる。

〇ドン・フェルナンド
 フェルナンダの父。死後、ブエンディアの屋敷に送り付けられる。

〇ミスター・ハーバード
 繋留気球の商売でマコンドを訪れたアメリカ人。
 ブエンディアの屋敷でバナナを食べ、マコンドにバナナ農園を作ることをひらめく。

〇ジャック・ブラウン
 バナナ会社の社長。マコンドに初めて自動車をもちこんだ。
 労働者のストライキを受けて国外に逃亡する。

〇年配の尼僧
 フェルナンダの故郷の修道院の尼僧。
 メメの子を連れてブエンディアの屋敷にやってくる。

〇ロレンソ・ガビラン
 メキシコ革命軍大佐。アルカディオ・セグンドとともに駅前の集会に参加する。

〇弁護士たち
 ネールランディア協定とバナナ会社の役員逃亡の際に活躍。

〇ペトロニオ
 協会の塔に住みつく病身の聖具番。アルカディオ・セグンドにあまりよくないことを教える。

〇〈さまよえるユダヤ人〉
 ウルスラの死後、イサベル神父が実在を断言した怪物。
 いまわしいけものの姿をしており、牡山羊と異端の女が交わって生まれたとされる。呼気は空気を灼熱させ、その訪れは新婦の懐妊を左右するという。最初はマコンド市民に信じられていなかったが、仕掛けた罠にかかって死んでおりその実在が証明される。

〇四人の年長の子供たち
 アルカディオ・ブエンディア(法王見習い)の世話をする。
 アルカディオ・ブエンディア(法王見習い)が金貨を隠し持っていることを知り、夜中に忍び込んで殺害する。
 
 〇赤毛の子
 アルカディオ・ブエンディア(法王見習い)の世話をする。ただひとり、ブエンディア家に住み込みで世話をしている。

〇アンティール諸島から来た黒人たち

〇トルコ人街のひとびと
 マコンドに住むトルコ人のひとびと。大雨のあとも生き残っており、どうやって風雨をしのいできたのかアウレリャノ・セグントに聞かれた際に「泳いでだよ」と答えた。

〇ニグロマンタ
 アンディールからきた黒人のひまご。
 売春宿で働いており、アウレリャノ・バビロニアやガブリエルの相手をする。

〇メルセデス
 ガブリエルの秘密の恋人。
 マコンドでただ一軒の薬局に住んでいるが、アマランタ・ウルスラの死後に訪れると薬屋は大工の仕事場になっており、メルセデスの存在もなくなっている。

 〇ピラル・テルネラの5人の娘たち

 〇ピラル・テルネラの息子たち
 ひとりは大佐の軍に入り戦死し、ひとりはほかの村で鶏を盗もうとして逮捕される。

〇架空の女郎屋の女将
 アウレリャノ・バビロニアとその友人たちが訪れた女郎屋の女将。ひとがいい。

〇混血の娘たち
 ピラル・テルネラの〈黄金童子〉で働く女郎たち。
 ピラル・テルネラの死後、その葬儀を行い、それぞれ去っていく。

〇産婆
 アウレリャノ(豚のしっぽ)の出産に立ち会った愛想のよい産婆で、ふだんは貧乏な身売りの小娘たちの世話をしている。
 
〇大工の仕事場に住む老婆
 薬屋があったはずの建物に住んでおり、取り乱したアウレリャノ・バビロニアに薬局とメルセデスなど存在したことはない、と証言する。

〇アコーデオンの楽隊
 荒廃したマコンドの色町に唯一残ったサロンで、フランシスコ・エル・オンブレの秘密を受け継いだラファエル・エスカロナの作る歌を演奏している。

〇ラファエル・エスカロナ
 司教の甥で、フランシスコ・エル・オンブレの秘密を受け継いでいる。
 
〇片腕の焼けた亭主
 荒廃したマコンドの色町に唯一残ったサロンの亭主。母親に手をあげたために片腕がちりちりに焼けた。アマランタ・ウルスラの死に悲しむアウレリャノ・バビロニアの痛みを一瞬だけやわらげる。



抜けている登場人物、内容の誤りなどみつけたら👇コメント欄👇で教えてください。その際、お手元にある版(新潮文庫版など)とページ数を添えていただけると確認が早く助かります。




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