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令和にゲットバッカーズを全巻読み直した話


確か中学生ぐらいの時に、友達の家でゲットバッカーズと出会った。なんだこれエロ本じゃねぇか!と叫びながら、でも奪還屋の2人がかっこよくて、ついつい数巻読んでしまった。さすがに全巻は友達の家にはなくて、さすがに自分で買うお金もなくて、親に(エロ本を)頼む度胸もなくて、どういう結末になるのかなと気になりつつ、そのまま数十年の時が流れた。

で、ある日ゲットバッカーズ全巻11円セールとかいう意味不明な文言が流れてきて、そのおかげで忘れていた記憶が蘇った。そういえば読みたかったんだよずっと。なんの躊躇もせず速攻で全39巻を大人買いした。429円。大人買いとは。


もうヘブンや卑弥呼の丸裸を見てもエロ本じゃねぇか!とは叫ばなくなったものの、普通に電車とかで読むには気まずかった。でも読み始めたら最後、あまりの面白さに手が止まらなくて、家でも外でも暇さえあればずーっと読んでた。あと厨二要素モリモリ展開に心臓がキュッ...!となることもあったけど、未だにひぐらしとかDグレとか追いかけてるオタクだから、耐性はあったし平気だった。というかやっぱりそういうところも含めて好きだった。

で、一番何度も思ったのは、

蛮カッケェ…!!

これだった。雷帝も好きだしみんな好きだし、それを前提として、やっぱり蛮カッケェよ!!って思える瞬間がたくさんあって楽しかった。その瞬間を味わえただけで読み直してよかったと思えた。やっぱね、綾峰さんの画がうますぎる。日常シーンとのギャップというか、バチバチにキレた顔が特に好きだった。女神の腕編で赤屍に見逃された時の蛮とかエグかったね。シンプル煽りよりああいうのが一番効く蛮おもろ好き。

あとこれは個人的な話で、戦闘シーンの時なんだかみんな最初油断するんだよね。ナメてかかる。で、相手の攻撃を喰らって、「ナニ!?」ってなる。大体ね。これがね、良い。自分ちょっとボロボロに傷ついていく男に興奮する性癖があるんですけど、みんな強い割には結構ボロボロになってくれるんですよ。あれすごい。蛮のサングラス何回割れんねんって話。いやそんなんなんぼあってもいいんですけど、油断して攻撃喰らって血を流してハンデあげてる姿がまたかっこよくて全然ハンデじゃない時もあるからさすがだしただ銀次はチート回復技があるから安定に性癖に刺さりまくってたのは蛮だったなぁっていう無限城編の赤屍VS銀次のシーンで邪眼使ったように見せかけて割って入ってもろに攻撃喰らうのとかほんと最高だった(オタク早口)。しかも最後の方なんてわざと攻撃を喰らうことで痛覚を鋭敏にしてシックスセンスを磨き上げるとかしてきてほんとに手叩いて笑っちゃった。ありがたすぎて。

で、話もうますぎた。個人的には日常パートが本当の日常じゃなくて、次の編の伏線があったりして、休憩が入りながらも常に物語としての流れは切れない感じが好きだった。 SFだったかーの感触は、最初期に無限城編があったことで、自分の中では結構わかりやすく整理できてた気がする。無限城編から神の記述編への流れもよかったし、徐々に徐々にこういう世界なんだよってならされていった感じ。でも根本的な”無限城って何なんだよ”っていう違和感はキャラクター達が抱き続けてたから、自分もその違和感は伏線として最後まで捨てずに持っていけた。そういう、世界とキャラクターと読み手の擦り合わせが終始丁寧だった気がする。 特に魔術的なところに位置する邪眼、物理法則的なところに位置する雷帝、歴史的に由緒正しき古流派と、異能力バトルとはいえ一応現実的な説明ができそうな技が多い中で、よくわからないチート技ばかり使っていた赤屍が、まさにその存在ごと伏線だったのには驚いた。これがなんでもかんでもOKなTHEファンタジー異能力バトル漫画だったら、なんの疑問にも思わなかったと思う。なんだよお前だけブラッディブラッディ好き勝手な技しやがって!!死を認識できないから死なないなんてチートすぎるだろ!!と思ってたことがちゃんとした伏線で良かった。めちゃくちゃスッキリした。 あと個人的には、大好きなとある小説に設定がふんわり似ていて、バビロンタワーの向こう側の設定は受け入れやすい方でもあった。もうほんとにね、並行世界なんてなんぼあってもいい。好き。

蛮と銀次の決着のつけ方は言葉にならないほど感動したので割愛。。

ただラストの方はキャラクターの分量が偏ってたかなと思った。特に風鳥院周りのエピソードが濃いも濃かった。敵の人数も多かったし、あと数巻で最終巻ですけど!?ページ数足りる!?ってなった。代わりに呪術王や博士のエピソードがふわっとしたまま流れていったり、ゲットバッカーズ二代目の情報が補完されずに終わってびっくりした。あと、卑弥呼が最後に蛮の母親からの依頼受けてたけど、いやいやその人って卑弥呼の母親でもあるのでは!?堕胎とかそこら辺、和解というか、ちゃんと話した?って思って混乱した。蛮の妹を強調するってことはその人の娘で、カイザーの娘なんじゃないの?ってかそういえば扉の鍵うんぬんの時点で、カイザーが蛮に集中して卑弥呼のこと完全スルーだったの何!?ってなった。もし蛮の母親が堕胎したわけではなくて、蛮の先祖が堕胎した魂を利用してこの世に生まれ落ちて、年齢的に蛮より歳下だから妹って位置付けにしただけなのだとしたら、逆にそれは概念的妹なだけで別に恋愛関係になってもいいのでは?ってなるし(自分の考えが安易すぎるか?)。うーん、ここら辺が結局わからなかった。 結構それまで伏線回収が丁寧な印象だったから、いろいろと反動で消化不良感があってちょっとびっくりしてしまった。自分が考察し忘れてたり、見逃しただけかと思ってネットで調べてみたけど、別に出てこなかった。


で、ファンブック二巻を追加で購入した(Kindleじゃなくて物理)。 「裏」の方は完結前に発売されたよくあるファンブックで、面白かったけど知りたい情報は特になかったかな。というか買って手元に届いて表紙を眺めてて気づいたのが、中学生の時に買ってたなということw 全巻は買えないからせめてもと思ってファンブック買ってたのを思い出して、一気に懐かしくなった。元の方はどこいったんだ。

もう一つの完結記念で発売されたらしい「THE LAST PIECE」は初めて読んだ。青樹さんと綾峰さんへのロングインタビューが結構充実した内容に感じた。結局のところ本編以上の情報は無かったけど、”もっと書きたかった””設定としてはちゃんと考えてある”という話はあって、それが知れただけでも嬉しかった。しかも調べたら、ゲットバッカーズ黎明期編の構想があると数年前から青樹さんが発信されているようで、逆にまだまだこれからもコンテンツとして何かあるんじゃないかと期待する方に変わった。

あと綾峰さんの話で、BL展開が苦手ではなく、なんなら描いてるとそうなってしまうっていう言質が取れて面白かった。自分は特にそういう方に楽しむ派ではないんだけど、蛮と雨流の儀式のシーンとかさすがに美しくて湧いたから、ちょっとそういうところの裏話が気になってた。


ファンブックも読み終わって一旦今は落ち着いた状態だけど、設定が色々わかったところで一巻からまた読み直したいし、ネットで課金すればアニメが見れるみたいだから見たいし、謎にゲームめちゃくちゃ出てるみたいだからやりたいし(古のハードを買うところから)、ドラマCD欲しいし、、、全然まだ味わえるものが多くて助かる。令和でも楽しみまくる。

とりあえず知らずに去年終わっていたオンラインくじの第二弾ください。




※新装版は画質がガビガビだったので、極シリーズがおすすめ。

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