H&Mから学ぶRoblox × SDGs メタバースを活用した先進的なソーシャルマーケティング
今回ご紹介するのは、世界的有名アパレルメーカー「H&M」が
メタバース空間"Roblox"でソーシャルマーケティングを行った事例です。
CSR活動は訴求が難しい
昨今、企業は金銭的な利益追求だけでなく、社会や環境と共存しながら持続可能な成長を図るため、責任ある行動をとるとともに、説明責任を果たしていくことを求められています。いわゆる、CSR(企業の社会的責任)です。
CSR活動は、企業が実際に販売しているサービス・プロダクトと直接関係していないものも多く、消費者への訴求が難しいといわれます。
そこで、企業はソーシャルマーケティングを行います。
ソーシャルマーケティングとは、社会的に良しとされている理念や課題解決活動(≒CSR活動)を行うことで、企業や団体の認知を高め、共感してもらうマーケティング手法です。
社会全体の関心が強い課題と向き合うことで、顧客や取引先から「信頼できる企業だ」と認識してもらい、イメージアップを図ることができます。
ソーシャルマーケティングをメタバースで行う
メリット2点
消費者に知ってもらうことが難しい、企業のSDGsや循環型社会への取り組みをより多くの人に知ってもらうための一つの手法として、
メタバースの活用は大きな効果を発揮します。
ここでは、そのメリットを大きく二つに分けてご紹介します。
①普通はできない体験の提供が容易にできる
CSR活動のほとんどは、消費者の認知しないところで行われてしまいます。
例えば、プロダクトの製造過程においてCO2排出量を減らすような工夫をしても、パッケージに記載をしたり、宣伝としてLPを作成するなどで終わってしまいます。
そこで、メタバース空間が活用できます。企業が行なっているCSR活動を、
メタバース空間において再現・体験を提供することで消費者や関係者に知ってもらうことができるのです。
②将来的なオピニオンリーダーである若年層へのアプローチ
メタバースのメインユーザーは若年層が多いと言われています。
例として、ユーザーが作成した様々なゲームをプレイできるゲームプラットフォーム「Roblox」を見てみましょう。
総ユーザー数は4億人を超え、昨今注目を集めるメタバース空間として世界中で爆発的な人気を誇っています。
Robloxにおいて、メインユーザーはZ世代や、その下のα世代(アルファ世代)となっています。
2024年第1四半期時点におけるデイリーアクティブユーザ割合調査では、
13歳以上が約4,500万人なのに対し、13歳未満は約3,210万人と発表されました。
若い世代の子供達がゲームで遊ぶことが企業の取り組みを知るきっかけとなるため、従来のマーケティングでは難しい若年層への効率的なアプローチが可能になっていると考えられます。
ここからは、実際にソーシャルマーケティングにメタバース空間Robloxを
活用した例をご紹介しましょう。
H&M Loooptopiaについて
世界的有名アパレルメーカーH&MがデベロッパースタジオDUBITと協力して作った、ゲームで遊びながらファッション・循環型社会について学ぶことができるバーチャル空間が「H&M Loooptopia」になります。
H&M Loooptopiaに参加するには以下のリンクからご参加ください
(Robloxアカウントの登録やログインが必要です)。
H&M Loooptopiaのゲーム内容
オリジナルの服の作成やアイテムのトレード
Loooptopiaでは、服の素材(=アイテム)を見つけることができます。
H&Mが力を入れるサーキュラー(循環型)ファッションを3Dの仮想世界で楽しみながら体験することができます。
ストックホルムに行かないとできないH&Mの
新規事業「Looop」が擬似的に体験できる
ゲーム内では「服のリサイクル」というアクティビティが体験できます。
これは、H&Mが現実世界で行なっている新たな試み「Looop」の体験を
メタバース空間で再現したものとなっています。
現状、衣服の87%は、最終的に埋立地のゴミとなってしまっています。この状況を少しでも変え、循環的なシステムにするべきだと考え、H&Mが開発したのが「Looop」です。
Looopのシステムでは、衣服は洗浄されて繊維に細断され、新しい糸に紡がれて新たなファッションアイテムとして生まれ変わります。最小限の資源を追加する必要はありますが、水や化学薬品を使用しないため、環境負荷を大幅に小さくすることができるのです。
Looopが体験できる店舗はストックホルムの店舗にしかないため、世界中のユーザーにその体験を提供することが難しいですが、Robloxを活用することでハードルを乗り越えています。
集めたアイテムから、オリジナルの服を作成する。
作成した服を分解し、新たなアイテムを手に入れる。
作成した服を他のユーザーとトレードする。(現実世界の古着をイメージ)
「服のサーキュラーエコノミーを実際に体感できる」という、メタバース空間の特性である自由度をうまく活用しているゲームですね。
若年層をメインに多くのユーザーへアプローチ
H&M Loooptopiaは2024/07/15時点で、
累計訪問回数(Lifetime Visits):1,029万回
ユーザーからの評価:全1.2万票のうち80%が高評価
…と、多くのプレイヤーを獲得、高評価を得ていることがわかります。
冒頭でも述べた通り、Robloxのメインユーザーは若年層になります。
次世代のオピニオンリーダーとなる若年層においてブランドイメージを形成することは、会社の将来的な発展につながります。
現実において体験が難しいものをRoblox内で再現することで、
1,000万回以上も遊ばれていると考えると、広告効果・ブランドイメージの形成として、企業的に大きな価値を生み出していると言えるのではないでしょうか。
まとめ
Loooptopiaでは、
企業が目指す「サーキュラーファッション」
環境に配慮した新規事業「Looop」
以上2つの体験を提供していました。
ファッションにおける環境問題への取り組みのアピールという点で、
多くのプレイヤーにプレイされ、メディア等にも取り上げられたことで
認知度が広まった、Roblox活用の一例となります。
Robloxを用いたソーシャルマーケティングの今後の可能性にも
期待ができますね。
H&M Loooptopiaに参加するには以下のリンクからご参加ください
(Robloxアカウントの登録やログインが必要です)。
株式会社mozeについて
株式会社mozeは、メタバースxAI時代の新世代ゲームスタジオです。数あるメタバース空間の中でも、主にRobloxでゲーム開発を行っております。これまでにObby But Your Head Rollsなどの複数のRobloxゲームを開発しています。
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