【アート】終了間近9/8(日)まで!96歳現役アーティスト『柚木沙弥郎の「鳥獣戯画」展』に行ってほしい!!
こんにちは。ニートトラベラーのもずくさん(34)です。今日は、<瀬戸芸2019>の記事をちょっとお休みして、超絶オススメの美術展(!)についてご紹介させてください。しかもこれ、会期があと1週間!9/8(日)までなんです!(焦)急いでー(;´д`)
◾96歳の染色家・柚木沙弥郎の個展!!
日本を代表する染色家・柚木沙弥郎(ゆのきさみろう、1922ー)。彼のアートワークは染色にとどまらず、絵本の挿し絵や装丁、水彩画、造形、商品のパッケージデザインなど多岐にわたります。96歳になった現在でも、作品制作に精力的に取り組み、毎日続けているというから驚きです。
・創作において大事にしているのは、「今」を生きている感覚、そして生活の「実感」です。
・(略) 暮らしのなかで見つけた、ふとした喜びや楽しさ、それを何らかの形にして発表することが生きがいになっています。
柚木沙弥郎インタビュー「創作への好奇心」『月刊モエ 2019年8月号』(白泉社)
《まゆ玉のうた》シリーズ(2013年・世田谷美術館収蔵)と本人(『柚木沙弥郎 92年分の色とかたち』グラフィック社より)
ご本人、素敵すぎる!!
その柚木沙弥郎の個展が、「神奈川県立近代美術館 葉山」でやっているというので行ってきました。
◾初公開の新作「鳥獣戯画」は12mの大作!そして…めちゃくちゃよかった!
今回の作品展も、型染めのタペストリーから絵本の原画まで様々な作品が展示されています。
その中でも、やはりタイトルにも冠している「鳥獣戯画」!これがいちばんの見所です。
最初の展示室に入ると、ものすごい存在感を放ち目に飛び込んでくる。正面の壁にドーン!と飾られているのが件の作品です。横12m、高さもわたしの背丈をゆうに越えてました。
「もう説明抜きに、とにかく観て欲しい。」
ただただそう思いました。本当によかった。
96歳とは思えない程のエネルギーに満ち、それでいて96歳の今だからこその表現なのだろうと心の底から納得してしまうような大作。力強いけど、観ているとフッと肩の力が抜けて思わず微笑んでしまうような優しいタッチ。味のある表情やフォルムをした兎・蛙・猿・狐・梟…。
ぜひ、ぜひ、、生で観てください!
圧倒されます。
(美術館公式webサイトより)
…この画像は作品の一部ですね。実際はもっと左に続いてました。
◾型染布・絵本原画…他の作品も素晴らしい!
<型染布>
柚木沙弥郎といえば染色。会場には、型染(かたぞめ)の作品もたくさん展示されています。それも1982年の作品から、2019年の新作まで!時系列での展示ではありませんが、色使いやテーマの変化など約30年の作家の変遷を観られるのもおもしろいですね。
染色作品はダイナミックなタペストリー。
布という作品の素材特性を生かすように工夫されており、壁際ではなく天井の中央から垂らすように展示されているものも。人が通ると風で揺れ、表情豊かでとても素敵なインスタレーションでした。
<絵本の原画>
(絵本『雨ニモマケズ』原画 2016年 水彩、紙
/美術館公式webサイトより)
全部で3作の絵本の原画も展示されています。
中でもとりわけわたしが感銘を受けたのが『雨ニモマケズ』(作・宮沢賢治/絵・柚木沙弥郎、三起商行 2016)の絵本原画です。
あの有名な詩の一節ずつを柚木の世界観で図案化し、鮮やかな発色の絵の具で表現した絵。一つひとつがどれも素晴らしく、賢治の詩のもつコトバの力と呼応して物凄く胸を打たれました。
刊行された絵本も会場にあり、手に取ることができたのですが、やはり原画がいいです!印刷でどうしても「色」が元通りには出ないので原画の色を観て欲しい!
(「トコ」ー絵本『トコとグーグーとキキ』より
2004年 布、紙)
展示室ひとつを2つに区切って開催している展覧会なので、規模としては決して大きくありませんが、それでも見応えは充分。
柚木が絵を担当した絵本のキャラクターをテーマにした上記画像のような造形作品もあって、これも見モノです!この内容で観覧料600円は絶対に安い!!
◾展覧会の会場やアクセスなど
【柚木沙弥郎の「鳥獣戯画」】
2019年7月13日(土)ー9月8日(日)
会場:神奈川県立近代美術館 「葉山」(展示室1)
時間:9:30ー17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日
★注意★神奈川県立近代美術館には「葉山館」「鎌倉館」がありますのでお気を付け下さい。会場は「葉山館」です!
【観覧料】
・一般600円
・20歳未満、学生450円
・65歳以上300円
・高校生100円
【アクセス】
○電車とバス➡2つの駅からアクセス可能!
・JR横須賀線「逗子(ずし)」駅前(東口3番のりば)
・京浜急行「新逗子」駅前(南口2番のりば)
→から、京浜急行バス「逗11、12系統(海岸回り)」で「三ヶ丘(さんがおか)・県立近代美術館前」バス停下車(所要約20分)
○車➡横浜横須賀道路「逗子IC」または「横須賀IC」からそれぞれ7~8km。※駐車場は有料(観覧券で1時間無料)。
【その他の施設】
○レストラン➡ミュージアムshopのほか、オーシャンビューのカフェレストラン「ブルー・オランジュ」も併設しています。
○美術図書室➡また館内B1Fには「美術図書室」があり、展示会期間中は「柚木沙弥郎」をフィーチャーした特設コーナーが!柚木の過去の作品集や雑誌の特集記事などを閲覧することができますよ!
◾こんな人にオススメ
・テキスタイル、布モノがとにかく好きなひと
・北欧デザインが好きなひと
・絵本が好きなひと
・マティスが好きなひと
・「民芸」に興味があるひと
・柚木沙弥郎を知らないひと
などなど!会期終了が近いので、終わる前に是非いろんな方に観て欲しいです。。
◾不思議なご縁(おわりに)
過去のnote記事の通り、今年の8月下旬に瀬戸内国際芸術祭を観に香川・岡山を訪れました。その帰りに少し足を伸ばして倉敷にも立ち寄り、大原美術館や倉敷民芸館を観覧していたんです。
そして今回の柚木沙弥郎の個展。
これは母が行きたいとのことで一緒に行ったものだったんですが、会場で見た柚木の略歴でお父様が今の倉敷の出身、その縁で柚木は戦後倉敷に復員、「大原美術館」に勤めていたとの記載が。
「民芸」の芹沢銈介に師事して自身も民芸運動の影響を受けているとも。
直近のうちに目耳にした色々なこととリンクして、なんだか不思議なご縁を感じずにはいられませんでした。こんなことってあるんだなぁ。
と、いうことで
今回も長~くなってしまいましたが、柚木沙弥郎をご存じの方もそうでない方も、本当におすすめできる展覧会なので、ご興味ある方はぜひぜひ訪れてみてください!
お読みくださりありがとうございました!