【北京五輪】フィギュアスケート アイスダンスの感想【Beijing2022】
北京オリンピック、フィギュアスケート個人戦アイスダンスの感想です。
最終結果の順位降順で振り返っていきます。
観戦初心者によるふわふわとした感想ですのでご了承下さい。
23. Paulina Ramanauskaite/Deividas Kizala (LTU)
今回唯一の初見カップル。
アリソン・リードさんのリトアニア国籍取得が間に合わず、繰り上がりでの出場となりました。
技術面はまだまだのびしろがありますが、2人の雰囲気、表現の方向性がばっちりハマっていて素敵なカップルだと思います。PB出て嬉しそうでよかった。
22. 小松原美里/小松原尊 (JPN)
団体戦よりもリラックスして、よく滑り、よく踊っているように見えました。ただ、スピードを出した分レベルを取りこぼしてしまったため、点数は伸び切りませんでした。この両立がアイスダンスの難しさですね……。英語版SAYURIも見たかったな。
21. Katharina Mueller/Tim Dieck (GER)
カティムも団体戦よりいい滑りしてました。
今季のRD"スーサイドスクワッド"は、キャラクターに合わせたキャッチーなムーブメントが詰まったプログラムです。特にPStが好き。でも、シーズン前半の方が勢いはありましたね。今はちょっと良くも悪くもまとまっていて、ただ可愛いだけのハーレイクインとジョーカーになってしまった感じがあります。
20. Oleksandra Nazarova/Maksym Nikitin (UKR)
私ってナザニキのことかなり好きかもしれない、そう気付いたオリンピックでした。
好みのダンスを見ているときって、毎秒毎秒ときめきが止まらなくて、脳汁がぷしゅぷしゅ出てくるんですよね。
ナザニキのダンス、特にFD"ムーラン・ルージュ"はときめきの塊!クリエイティビティ溢れるエレメンツがムーランルージュの世界観に溶け込んでいました。このFDを見ることができてよかったです。
19. Maria Kazakova/Georgy Reviya (GEO)
今季はじめてカザレヴィを見るのがオリンピックという。
まだまだ本調子ではなさそうですが、団体戦のときより調子が上がっているように見えました。RDのツイズルは切れ味爽快で素晴らしかった!FDはなんというかユーロはユーロでもロシアのジュニアペアみたいなプログラムでした。ロシアのジュニアペア最近全然追えてないけど。雰囲気よ。1stツイズルと2ndの間にほぼリフトみたいなトランジションが入っていて驚きました。
18. Tina Garabedian/Simon Proulx Senecal (ARM)
今回の試合を見ていて一番の収穫は、ティナシモンの魅力に気付けたことかもしれません。
RDもFDも、まっすぐ王道を往く、アイスダンスらしいアイスダンスを見せてくれました。弾ける大人たち、みたいな雰囲気が良い。特にFDの"Autumn Leaves""Luck Be a Lady" は、大人の恋、今宵、2人は少年少女に戻って歌い踊る……というストーリーを妄想してしまいました。映画みたいでうっとりしちゃった。
17. Natalia Kaliszek/Maksym Spodyliev (POL)
RDでは第2グループで滑ったため、上手さが際立っていました。特にMiStのユニゾンが見事で、さすがベテラン!と言いたくなりました。一方、FDはRDほどスケートが滑っていませんでした。フィニッシュポーズでの落下というアクシンデントもあり、やや苦い演技となってしまいました。プログラム後半のRoLiは気持ちよく決まっていてよかったです。
16. Natalie Taschlerova/Filip Taschler (CZE)
チェコのおもしろ兄妹、オリンピック参戦の巻!
RDはパワーパワーパワーパワーパワー!!!!!もう上手いとか超えてただただ楽しかったです。FDはプログラム自体はわりと正統派なタンゴなのに、いい意味でスケートのクセが強く、ユニークな演技に見えます。同じタンゴならロコへのバラードとかどうですかね。爆走しながら爆笑する妹さんが見たいだけですが。これからが本当に楽しみなカップルです。
15. Juulia Turkkila/Matthias Versluis (FIN)
RD・FDともに完成度の高い演技で、大きなインパクトを残してくれました。
特に、リフトの入りやポジションの変化のスムーズさが素晴らしかったです。トゥルッキラさんとヴェルスルイスさんは、スケーティングの質が揃っているんですよね。雪のように清く、研ぎ澄まされたスケート。FD前半のピアノ曲("Wild Side")はそんなふたりのスケートに本当によく似合っていました。いつかまたクラシックのプログラムを滑ってほしいなあ。
14. Diana Davis/Gleb Smolkin (ROC)
わたくしディアナ・デイビスさんのビジュアルがタイプでして、いつもいつもディアナさんばかり見てしまうのですが、今回は頑張って2人の足元を見ました。そうしたら、あの、グレブ・スモルキンさんってマジでスケート上手いですね。びっくりしちゃった。
また、彼らには今シーズンのRD課題である"ストリートダンス"が見事にハマっています。ストリートっぽさは世界でもトップレベルだと思う。縦ノリの感じね。
そしてFDの"ムーラン・ルージュ"!これめちゃめちゃ良プロなんですよ!特にリフトが良くて、StaLi+RoLi、CuLi、ChLi全てのリフトが音楽にバッチリはまってて最高!やはり躍進にはプログラムの力が不可欠なんですね。もちろん、どんな良プロも本人たちの努力と技術があって初めて良さを発揮できるということは忘れてはいけませんが。
13. Marjorie Lajoie/Zachary Lagha (CAN)
はい好きですぅ~~~~~~。←RD、ふたりが動き出した瞬間の気持ち。踊る踊る!キレ!キレ!スピード!キレ!細かいことは置いておいて、ただ彼らのダンスが大好きです。FD"Rio"をオリンピックで見ることができてよかった!いつもザカリーラガさんばかり見てしまうのですが、今回はマジョリーちゃんがやたらとキレッキレで目を惹かれました。ザカリーラガさんはキレだけではなく、フリーレッグがとても美しいという気付きを得ました。
12. Shiyue Wang/Xinyu Liu (CHN)
フリーレッグといえばシンユー・リウさんです。リウさんのフリーレッグに恋した北京2022。RDもFDもプログラム後半にかけての盛り上がりがよかった。特にFD、地元の大声援を受けての演技が素晴らしかったです。カンフーピアノに合わせたツイズルからどんどんボルテージが上がっていき、極めつけはあのコンビネーションリフト!SlLiは入りもシーユエワン様のポジションもリウ様のぴたっとブレのないフリーレッグの美しさもヤバければ、そこから+RoLi繋げるのもヤバい。ちょっと涙が出るくらいいい演技でした。
11. Kaitlin Hawayek/Jean-Luc Baker (USA)
どんどん花開いていくホワベイの美しさに酔いしれました。FDのショパンメドレーは名作。ただ綺麗なだけじゃなくて、闇をはらんでいて、でもその闇さえも慈しむような優しさがあって。ここまでで初めて、競技であることを忘れて見入ってしまう演技でした。五輪で見ることができてよかったです。
10. Lilah Fear/Lewis Gibson (GBR)
RDでは絶対泣かないと思ってたのにライラルイスを見ていたら感慨深くて涙が出てきてしまいました。今季はなかなかベストな演技を揃えることができず、少しスランプ気味のシーズンでした。ていうかここ3シーズンの快進撃が凄すぎたんですよね。RDは完璧ではなくとも大きなミスなく持ち味を出し切ることができてよかったです。FDは個人的には今季ベストの演技だったと思います。"ライオンキング"のプログラムは2人に合ってはいるんだけど、少しだけ矯正プロの側面もあるんですよ。2人の武器はきゅるるっと小回りの効くスケート、でもこのプログラムはスケールの大きいスケートが求められます。だから矯正プロ。今回のFD後半は、今までになく壮大で雄大な世界を見ることができました。ルイスギブソンさんが注目されがちだけど、ライラちゃんがめきめき上手くなってて存在感増していて目を奪われます。これからはユーロのトップを狙って競っていくことになるのでしょう。楽しみ!
9. Laurence Fournier Beaudry/Nikolaj Sorensen (CAN)
今回一番イチャイチャしてた人たち。
RDは特にイチャイチャしていました。堅実なスケートながらストリート感がよく表れていました。ストリートでイチャイチャするカップル。
FDも余計な力の抜けたとてもいい演技だったと思いますが、上位陣と比べると少しプログラムが弱いのかなと感じました。エレメンツの必然性が感じられず、ずっと同じ滑りをしているように見えてしまいます。いや、4分間このクオリティの滑りを保ち続けられるのは物凄いことなのですが……。このハイレベルな戦いの中では少し気になりました。
8. Olivia Smart/Adrian Diaz (ESP)
今大会もっとも躍進したカップル!
サラキリル組との熾烈な代表争いの末勝ち取ったオリンピック。素晴らしい演技を見せてくれました。RDは第4G一番滑走での登場、異次元にスケートが上手くては??世界一じゃん??これよりさらに上がいるの??どゆこと??となりました。FDは誰もが認める神プログラム、"The Mask of Zorro"。このプロのハイライトはCiStとChStだと思うんですよね。ステップで見せられるカップル、善きです。端々の処理の隙のなさもトップカップルって感じでしたね。世界選手権もオリビアアドリが出場するのでしょうか。スペイン2枠の希望が膨らみますね……!!
7. Piper Gilles/Paul Poirier (CAN)
パイパーポールのアイスダンス、大好きなんです。彼らの演技は、心の底から表現したいものを表現しているのだと感じられるから。FDではリフトでのミスがあり女性が予定通りポジションを取ることができませんでしたが、レベルはきちんと取ってきました。酸いも甘いも、失敗も成功も、今までの全ての道のりを肯定して、慈しむような"The Long and Winding Road"。胸を打たれました。ワールドでリベンジを果たして、もう一度表彰台に上る姿が見たいです。
6. Alexandra Stepanova/Ivan Bukin(ROC)
今、もっとも"スタイリッシュ""洗練"という言葉が似合うカップルだと思います。
スピードのあるスケートから生み出されるダンスがストリートダンスにバチバチにハマるRD、めちゃめちゃいい演技でした。FDはコレオスライドで女性が氷に引っかかる場面があり、GOEマイナスになってしまったのが痛かったです。ただ、それ以外の部分は決して悪い演技ではありませんでした。"ロミオとジュリエット"なのに、めちゃくちゃ攻めたプログラムなんですよね。抽象化というのか。ロミオとジュリエットからあらゆる具体性を脱色して、二人の恋する気持ちの移ろいだけを取り出してダンスにしたみたいな。おもしろいです。
5. Charlene Guignard/Marco Fabbri (ITA)
シャルマルはFDが神がかってました。
名作、"つぐない"。静かな中に宿る熱、薄暗い中に射し込む一筋の光。今日は特にCiStが素晴らしかったように思います。胸にずしんと響くスケートでした。
RDも悪くはなかったのですが、全体的に小ぢんまりしてしまいました。団体戦の方が大きい演技でしたね。表彰台争いのチームと比べると上半身の動きの幅が少ないのも気になりました。でもFD本当に良かったし結果は大健闘の5位だし終わりよければ全てよしってやつです!
4. Madison Chock/Evan Bates (USA)
LOVE。
RDもFDも最初に見たときは全然ピンと来なかったのに、今では毎秒好きすぎて胸が苦しくなります。プログラムの作り込みにかけてはもう世界一と言っても過言ではありません。
RDのビリー・アイリッシュメドレー。パターンダンスの最後にチョックさんが一瞬氷に引っ掛かってしまいましたが、ミスには繋げずよく頑張りました。緊張もあったのでしょう、全米ほどの出来ではありません。それでもやっぱりときめきに溢れ脳内麻薬が出る演技でした。
FDのダフトパンク。最高の作品を、最高の舞台で、最高のかたちで見ることができてよかった!曲の力や用意された物語に頼らずともこんなに"愛"を表現できるって物凄いことなのでは。これこそが真の表現力だと思います。LOVE。現役続けてくれるの本当に嬉しい。
3. Madison Hubbell/Zachary Donohue (USA)
引退を明言して臨んだシーズン、これ以上ないハッピーエンド。
マディザックはとにかくめちゃめちゃスケートが上手いんです。もんのすごいエッジを倒してもんのすごい大きいトレースでもんのすごいスピードで滑るうえ、二人の息が揃っているというのだからもう。ストリートダンス、ミッドナイトブルースとは彼らのために用意されたような課題。圧倒的なスケーティングで全てをなぎ倒していきます。彼らを見ていると"物理攻撃"という言葉が頭に浮かぶ。
FDの"Drowning"、これが本当に素晴らしかったです。強く強く美しいスケート、無重力のようなリフト、気持ちが見えるコレオステップ……こんなの泣いてしまう。もう一度2人のスケートを生で味わいたいので、プロスケーターとしても長く活躍してもらいたいです。
2. Victoria Sinitsina/Nikita Katsalapov (ROC)
身体のコンディションや団体戦での結果などさまざまな不安要素がありましたが、全てをはね除ける強さを見せてくれました。RDはぶっちゃけダサいのですが、ダサいプログラムを物理で捩じ伏せるのが何度見ても面白いです。カツァラポフさんが万全な状態ではない代わりに、ふたりの調和がどんどん深まっていきます。FDは、シニカツのカップルとしての完成形だと思います。滑り出しからいい滑りをしていて、ツイズルを終えて以降は安心できました。あんまりにも美しくて、幸せで、ずっと泣きながら見ていたのですが、あのコレオステップのおかげで涙が乾きました。ふたりもきっと笑顔で演技を終えたくてこんな編曲にしたんですね。スパシーバ!
1. Gabriella Papadakis/Guillaume Cizeron (FRA)
アイスダンスの神様です。
RDの前は気絶しそうなほど緊張していたそうです。そんなに緊張してあの演技って練習ではどんな滑りをしているんだろう。見てみたすぎる。Waackingのパートもナンバーワンかつオンリーワンで最高なのですが、私は特にブルースパートのPStに見惚れました。うねるようなスケート。海とか星空とかを眺めるような感覚で、ずっと見ていられます。
FDの"Elegie"。今まででもっともふたりのパーソナルな部分が見えた演技でした。これが4年の間に培ってきたものかと。平昌の月光は極めて非人間的でしたからね。ギョームさん以上にガブ様に惹かれました。今日はそういう日なのかな?これだけの月日、異次元であり続けることの重さははかり知れません。優勝おめでとうございます!
平昌オリンピックをきっかけにカップル競技を見るようになり早4年。まだまだ沼なんて言えないライトファンですが、アイスダンスを好きになることができたのは、たくさんのカップルのたくさんの素敵な演技があったからです。このオリンピックもまた誰かにとってそんな機会になればいいな、なんて思います。土壇場で放送してくれたNHKに感謝。
個人戦もあと半分。始まってしまえば早いものですね。
残りのカテゴリーもみんな怪我なく神演技!!
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